買って損はしないレベル
女装モノの中でも含蓄のある言い回しが目立つおとボクシリーズ3作目
その例に漏れず今作品もおとボクらしい作品だなと実感しました
前作、前々作にあった話に起伏を持たせるためのファンタジー要素を取り除きつつも
今までになかった女装潜入や女学院に対する新たな懸念を取り上げてしっかり解決しています
前作と違い足が地についた話の展開で首をかしげるような部分があまり無いのは新たな評価点でしょうか
しかし、それ故か話の起伏が前作と比べて少ない印象を覚えました
現実で起こりうる生生しい金銭面の話があるのですが
強気かつ会社特権が使える織女が事実上チートキャラになっていてプレイヤー側としては緊張感を感じないんですよね
また、
・みんな達観して心を読むのと代理の介入が著しいため照星の宮の討論が討論として機能していない点
・わざわざ考査で競い合う意味合いが薄い点(特に後半)
・織女に対する美玲衣の心境の変化が描写不足な点
・身辺警護している描写が少ない点
等々
目新しい部分が活かせていないためか後半になればなるほどガッカリ感が増していました
とは言え、作品内で扱ってるセリフや料理、文学作品などは言葉遊びのような言い回しに加え
とても丁寧に描かれているので話を進めてて飽きることはなかったです
点数をつけるとしたら
ep1~ep4:90,ep5~ep8:70,ep9~:60
というところでしょうか
まあ期待以上と言いませんがそれなりに楽しめるレベルではあります
どうも個人的に女装モノは衰退期を迎えているような気がしています
女装モノは話の構成上特に主人公周りで制約が多く、どうしても似たり寄ったりな展開になりがちになるので
この作品に限らず展開が容易に予想できる為か話自体が薄く感じる作品が多いように思えます
まあそんな背景の中わざわざ発売してくれたことに感謝しているので点数は高めに設定しています
筆者はそんな制約を上手くぶっ壊して女装モノとしてオリジナリティに富んだ作品を待っております