個人的にはアリスが一番好きだった。まさに純愛
このゲーム、公式では人気投票クロエが1位、2位は枢、最下位がアリスとなっているが、表面的にみれば、アリスは性格ひん曲がってるし、クロエに行ったことも許されることではないし、反省もせずにビッチ化したという意味では悪女中の悪女である。
しかし、彼女が愛情を渇望する気持ちは純粋であり、自分が愛情を求めるだけでなく、同等の愛情を相手にも与えていた。
由貴に対しても、クロエに対しても、形は違えど真剣に向き合ったからこそ、ああいう態度になったのだと思うし、愛に対して妥協できないから、由貴が化け物であったことに対してあんなにも悩み苦しんで自分も化け物になる事を選んだんだと思う。
アリスは愛ゆえに、これだけ愛してくれる人に出会えることは一生ないと思い、あれだけの行動を見せたのだ。
それは自ら化け物になる決意と、真実の愛を求めて一生愛し合う事を望んだ結果だからこそ、美しい。
故にアリスがどんなに性格ひん曲がっていようが、由貴やクロエに対する愛情が本物である以上、憎めないのだ。
そしてどんな人生が待っていようが、由貴や周りの愛を感じられるなら一生を生きていく覚悟を持っている。
彼女が自分に向けられる愛だけを渇望して、人目を引くためだけに行動していたなら、切断なんて手段はとらなかっただろう。一生を共に生きていける人がいたからこそ、本当に意味で愛するために化け物になったのだから。
逆に枢は、自分の体で大きな悩みを抱えており、その気持ちが理解できる由貴に大きく惹かれた。
由貴も、枢と同質の気持ちなので、お互い惹かれあった。
しかし枢はアリスのように愛に対して絶対的な強さがなく、クスリに逃げる弱さがあったし、一生を由貴と生きていく覚悟がなかった。
故に由貴と真に結ばれるために、自分の命を犠牲にした。
人工まんこを作るまではまだ理解できる領域だったが、その後体のいたるところに穴をつくっていったことは、生をあきらめ、死と快楽の中で満たされることを望んでいたことを思わせる。
そこだけが酷く歪で、話としてはとてもきれいでよかったが、由貴の気持ちを考えたらひどい裏切り行為にも思える。
枢ルートには未来がない。だからこそ、美しく、はかなく愛を描くことができた。
しかし、未来に続く愛は、醜く、お互いを傷つけあうものなのだろう。
だからこそアリスルートが光るのだと思う。
だからこそ、アリスは輝いていると思う。由貴にこれほど深い愛を与えられるのはやはり個人的にはアリスしかいない。
由貴は生れる前、生まれてからもずっと虐げられてきた。それでも懸命に生きることを選んできた。
だからこそ、その後の人生も愛に飢えながらも生きていく覚悟もあるだろう。
だからこそ、化け物になってまで由貴と共に歩く道を選んでくれたアリスが愛おしいのだ。