プレイ開始から何週かするまでは不満も多かったが、全て終えてしまうと楽しかったとしか言えない。シリーズ完結作にかかる高い期待を大きく上回ってくれた。
先に不満点から
■やり込むためでなく、クリアするために掛かってしまう膨大なプレイ時間。
さすがに何度も何度も同じイベントを繰り返すのはうんざりする。
ばっさりとシナリオカットできる方法が欲しかった。
シナリオが素晴らしかっただけに途中で投げ出す人が出てしまうのは惜しい。
■CPの仕様
CPを得なければ周回の意味が何もないという仕様は辛い。
1週目で詰んでしまいCPが得られなかったというユーザーは自分だけではないと思う。
もちろん知識の面で優位になってはいるのだが、時間がかかるだけにやる気が大きく削がれた。
また、良いBADエンドなどもあったものの些細な変化しかないBADENDをCPのために探していく作業は決して面白いものではなかった。
以下良かった点
■シナリオ
完結作と言ってもどこまで綺麗に締めてくれるやらと半信半疑だったが期待を遥かに上回る文句の付け様のない素晴らしい締め方だった。
途中シナリオにやや不安を感じたものの終わり良ければ全て良し。
■戦闘
簡単なようで奥深く地味ながら飽きにくい良い塩梅の戦闘システムだったように思う。
状態異常関係が余りにも強過ぎる点と強力なカードが用意されないキャラはどうやっても使いにくい点は少し残念だった。
■膨大な数の魅力的なキャラクター
ランスシリーズを通して積み上げてきた魅力的なキャラクターが総出演。
見た目だけでなく中身まで魅力的に描かれたキャラクターが多いのがこのシリーズの一番の魅力だったと思う。
■分岐の作りこみ
周回を何週しても新たな発見が必ずあるというくらい大小さまざまな作りこみが嬉しい。
食券イベントなども充実しておりED全て回収しきっても見ることができていない要素は多くある。
ただ、前述の通り周回に時間がかかるゲームだけにED回収が終わってしまうと小ネタ回収まで気が進まないのが難点。
全てのイベントを回収することは恐らくない。
総括
驚くべきことに、幾らでも広げる余地があったはずのランスシリーズがこれで終わりと言われて素直に納得できてしまう快作。
クリアまで非常に時間がかかる作品であり途中で投げ出したくなった瞬間もあったが最後までプレイして本当に良かったと思う。
作品単体の評価としてではなく『ランスの完結作』としての評価なら文句なしに満点をつけられる作品。