可愛いヒロインを作ること。 エロゲーにおいて最も重要な要素であり、同時に最も難しいことではないだろうか。
エロゲーで一番大事なのはキャラ萌えだ!!
……なんて言う気はないが、魅力のあるヒロインは、ストーリー全体を際立たせる重要なファクターである。
シナリオ重視の燃え重視──ならば、ヒロインに魅力がなくても構わないが……。
"キャラ萌え"を狙っている作品ならば、魅力のあるヒロインを作るのは必須条件である。
が、それを達成している作品はひじょーーーーッに少ない。
『こんなドタバタ作ったら面白いんじゃないか?』というアイデア先行で、どうやったら魅力的なヒロインを作れるかを考察しているのか疑わしい作品が多い。
型にはまったテンプレート。
『こーいうタイプはこーいう反応するのが普通』で作られたキャラ。
いくら設定が奇抜でも、ヒロインに魅力がない"ラブコメディー"なんて本末転倒だ。
魅力がないのに"恋愛"強調されても困る。
ギャグ要素や設定なんかはエロゲにおいて重要視される部分ではあるが、それ以上にキャラの魅力は大事にしてほしい。
──と、真剣な口調で変な事を語ってしまったけれど、何が言いたいかというと……。
『どこのメーカーもこの作品ぐらいキャラを大事にして欲しい』
これに尽きます。
この作品で一番良かった点、それはキャラクター。
奇抜すぎず、それでいて定番すぎず。
どのように動かせばキャラクターが魅力的に写るかをしっかり考えてたように思う。
例として、メインヒロインの愛奈。
優等生タイプの幼馴染。
よくあるテンプレート設定。
しかし、主人公との距離感は独特だ。
エロゲーの幼馴染であるはずの愛奈は、エロゲーでいるべき幼馴染の位置とは異なる場所に立っている。
知り合いだけれど、親しいとは言いがたい。
昔は仲が良かったのになー、と主人公が思っている程度。
その独特の距離感が、このキャラクターの魅力に繋がったような気がする。
もちろん、他にも色々あるけれど、他キャラ含めて全部書くのも面倒なので省略する。
定番から捻ること一回。
それだけでいいのではないか。
多くの作品において、捻らず定番か、三回四回と捻りすぎな気がする。
些細な違いであって、だからこそ難しい。
"エロゲに萌え要素を求めていない"
こんな客層も、最近ではかなり多いのではないだろうか。
かく言う私もその口で。
燃えだとか、泣きだとか、笑いだとか……そういった物を基本的に重視する。
ただ、元々は"恋愛シュミレーション"から発展したジャンルだ。
作品の目指す方向性は多々あるだろうけれど、キャラの魅力は大事にして欲しいと思う。
風向きが厳しい情勢ですが、まだまだこのジャンルには頑張って欲しいと思います。
追記:そういえば、ゲームの内容に触れてないことに気づいた。
シナリオ?話の起伏?
そんなの関係ないと言い切れるのが今作品の最大の魅力である。