恋姫†無双 ~ドキッ☆女だらけの空中庭園~
Will系列のメーカー、propellerの第1作目。
シナリオライターは荒川工、原画はA10(不破大輔)、主題歌はRita。
主な中の人は、理多、野上奈々、浅川悠、吉川華生、たかはし智秋、榎津まお、茶谷やすら、児玉さとみ。
あと、堀内賢雄。有名なんで知ってると思うけど、エロゲによく出る若本や子安とは正直比べ物にならん大物だよね。びっくらこいた。
導入は、簡単に言うと不思議の国のアリスみたいな感じのゲーム。
主人公がいきなり現実とは違う世界にあぼーんさせられて、そこでお姫さま達に会う。でも主人公は何故か違う世界では透明人間の状態でいるから、女の子にエロい悪戯し放題! っていう、アリスとの接点なんて読み返すとこの段落最初1行しかなかったが、ともかく、いかにもエロゲーっぽいエロゲー。
荒川工のギャグセンスが光過ぎて眩しい。(プレイしていない人には分からないだろうから比較対象に挙げて申し訳ないけど)田中ロミオと同等、もしくは同じくらい。
余談だけど、ギャグセンスが良いエロゲーシナリオライターというと、俺は丸戸史明やら藤崎竜太やらが思い浮かぶ。タカヒロは、面白いけどこの人達と比べるとなあ……といったところ。
驚いたのが、世界観が、しっかりと構築されてる点。
よくエロゲーの感想で、「雰囲気のいい世界観」って書く人いるけど、いいとか悪いとかは別にして、ちゃんと理詰めがされてる。ファンタジー物としてみても、十分納得のいく形になってる。ネタバレにならない程度に言うと、上記で「主人公が異世界ではなぜか透明人間」という設定と大いに関わってくるんだけどね。
そしてその世界観設定に負けず、シナリオが書かれていた。単にギャグ連発パロネタ連発下ネタ連発で終わらずに、しっかりと、広げる所は広げ、しめる所はしめてた。
一応、俗にいうシナリオゲーのような高尚なシナリオではないという事を――断るまでもないだろうけれども――断っておく。
あと、唐突だけど、卑語ってあるじゃん?
○まんこ~とか、○ちんちん~とか。
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そう、変態だよ変態!
これらって、いわゆる抜きゲーの中で伏字になってたりピー音で修正されてたりすると微妙に萎えるんだけど、ことギャグゲーにおいてはこの修正自体が効果的な役割を果たすんだなあとしみじみ思った。
具体的には伏字やピー音であるからこそそれを逆手に取って笑いを作っているシーンがある、といった感じでね。
こういう発想は、いいね。よく考えられているなあと思う。
で、少々話が前後してしまうんだけど、その卑語修正云々を利用して~ってのを実現するには、やはり、キャラクターの中の人が絶対的に重要になってくるわけで……。
俺が聞く限りだと、どのキャラの声優もいい演技してる。特にこのゲームは主人公に声がついていて、エロい妄想をする厨房的ボケと自虐的な突っ込みの両方を上手く使い分けてヒロインとの会話において笑いを取ってる。
また、当然っちゃあ当然だけど、男キャラに女性声優が声をあてるってのがエロゲーでは少ないから新鮮でもある。
個人的には、ショタ男にまきいづみは中々良いんじゃな~いと思うのだが、やはり(『白光のヴァルーシア』のパッケージを眺めつつ)ショタ男キャラに理多が一番だね!
他には、欠点ではないけど、キャラクターに、いわゆるキャラゲーありがちな記号化された萌え要素~なんてのはあまりないので、そういうのを求める人には向いていないかも。
原画も流行りの、いわゆる萌え絵ではなく、比較的特徴ある方だし。
俺は好きだけどねA10。フェラシーンで口が窄まったところとか、太股の描き方とか、垂れ乳なんてのはすっごく好み。
こう書いてみると、やっぱりエロ漫画畑の人なんだなあと、改めて思う。
ちなみにこれは欠点だけど、CGの塗りと背景は正直、良いものとは言えない。むしろ後者は酷いと言っても差し支えがない領域。
加えて音楽。そんなに印象に残るような曲はなかった。
もう一つ。好きなキャラ。
これはもう確実にゲームをプレイする前から――具体的にはOHPを見ていた時から――フランだよなあフランしかいないよなあビッチっぽいしなあ、と、俺の中では思っていた。
……でも、いざフランのルートに入ったらただのビッチじゃなかった。この人凄くいい人じゃん! と。
このゲームには4人お姫さまがいるんだけど、意外にも、一番常識があり、かつ良識的な姫としての自覚も大いにあり、さらに王妃になるに最も相応しいヒロインはフランだった。
プレイすれば分かる。本当に、ただのヤリマンではなかった。
うん、そうだよ、俺が求めていたビッチはこういうのだったんだよ! 勿論『殺戮のジャンゴ』に出てくるフランコや金髪も好きだけどさ。
以上、簡単ではあるけど感想。
ギャグゲーとしてみれば、中々に良い出来なんじゃなかろうか。
以下、個人的に最近思う事を少々。
なんか、シナリオゲーキャラゲー云々なんて枠組みで考えなくなってきた。エロゲーはエロゲーで、それこそ『ゲームをしていけば』それでいいのかなーとかなんとか、思うようになってきた。
いや、勿論硬派なテキストをどんどん読み込ませていくいくゲームもあるにはあるし、そういうゲームが出たのなら、面白そうだと思うものはプレイする。これはおそらくずっと変わらない。でもそういうのは年に(新作に限ると)2、3本出れば十分な方だしね。
それに、あんまり若いうちから大味なゲームばっかりやってると、早い内に感性擦り減っちゃいそうで怖い、っていう事も考えるようになった。もう手遅れかもしれんが(苦笑)。
あんまり拘らずに、自分が面白そうだと思うものをやっていけばそれでいいんだろうけれども。
こんなところで、筆をおく事にする。直上の2段落は蛇足だけど。
久々にレビュー書いたにしては、ポンポン書きたい事が浮かんできたかな。まぁ、逆に言えばそれだけ単純なゲームって事なんだろう。
頭を空っぽにして、でもシナリオも蔑ろにされていないゲームやりたいって人には、お勧め。ただし、少々癖のある原画は、よく見た方がいいよ!