ErogameScape -エロゲー批評空間-

k-pさんのソレヨリノ前奏詩の長文感想

ユーザー
k-p
ゲーム
ソレヨリノ前奏詩
ブランド
minori
得点
85
参照数
1478

一言コメント

君が望む永遠

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 『12の月のイヴ』が想定していた以上に低評価だったので、一抹の不安はあったものの、プレイしえ終えた今、やって良かったと強く思います。素晴らしい作品でした。傑作でしょう。『はるのあしおと』や『ef』に匹敵するくらいの傑作評価です。
 何が素晴らしいかって、とあるヒロインと結ばれ、フラれてからの流れが秀逸でした。主人公の能力と、悩みと、"エロゲー的”ヒロインの過去の悩みを解決し、カタルシスとして昇華するというその手法は、良く言えば王道、悪く言えば手垢がつきまくったものであるということは否めませんが、ある程度エロゲーをプレイしていれば概ね予想がついてしまう見慣れたネタや、ありがちな展開の仕方であったとしても、調理の仕方によって全く問題なくストーリーに没入、感動できるんだなと改めて実感しました。
 この作品をプレイする前に、ライターが御影・鏡遊のコンビだということは分かっていましたが、原作が鏡遊なのは、プレイしてからOPムービーを見て初めてわかりました。氏がいわゆる原作(原案)を担当している『明日の君と逢うために』は、とても評価の高い作品なんですが、今回も当たりでしたので、氏がライターの作品は今後もプレイしていきたいし、過去作で未プレイのものは網羅しようと思います。やはり、氏の作品は「別れ」が特徴的に描かれますね。
 大変良い恋愛を見ることができたエロゲー体験でした。本当に良かったです。


 以下、プレイ中に書き留めた文章を一言ずつ。
・OP曲よりもED曲が実に天門天門しているサウンドで、ここまで来ると寧ろ清々しい。
・画面の左上に「ソレヨリノ前奏詩(プロローグ)」とずっと表示されてあって、(プロローグ)がてっきりVA系の作品でいうところの、作中の時間を表している(○月○日)的なアレと認識してたんで、いつプロローグが終わるんだろうなあと思っていたんだけど、前奏詩をプロローグと読ませているのか……
・まさかminori作品でエロシーン時に快感が極度に達した結果としてレイプ目が見られるとは……minoriのエロをしっかりと描きたいという思いが実った瞬間であった(minoriだけに
・集中線を演出に使うエロゲーか……
・立ち絵じゃないけどイベント絵でもない(とは言うもののイベント絵に当て嵌まるんだろうけど)、ゆうろ的な構図のCGすき。
・ソレヨリノ前奏詩、OPまで来たんだけどぶっちゃけ最高に流れだと感じている。てか鏡遊の企画だったのかな、これ。原作が。