敷居の低いほんのちょっと衒学的な作風と平易な文章で書かれた、しかし殺人事件などこれっぽっちもおきない『黒死館殺人事件』みたいな。
クリアした。ネタバレありで書きますが、別にネタが割れた所でこのゲーム、あんまり関係ない気がするのでお任せします。
うーん……素直に評するならば、主題歌であるI've soundと、劇中の藤田淳平が良い(つまり音楽は良い)としか出てこない。 ストーリーは、起承転結がはっきりしていて、各々のヒロインが各々の過去を持ち、また別々の占いが分け与えられていて、そこに多少の衒学的なアレコレがありつつも、無難な学園もののエロゲーに終始しているというか。なんかライターが本気出してない感が。日和った感じが半端なく、中途半端な印象が拭えないですね。
一応グランドルートではタイトルの意味も分かる仕様となっていて、まぁ一言で言えば「この世界で存在を確立した主人公くんの未来はこれからだ!」みたいな。オカルトっぽい知識のひけらかしがあったと思えば、若干SFっぽいなぁと感じさせる描写もあり、個人的にはぼちぼち面白いとは感じたけれども……うーん別に、とも。
いや……これさぁ、もっと深く深く、或いは広く広くお話を展開出来た素材だなあと。なんなんだろう。はっきり言えば、特別このゲームをどうこうオススメ、とまではいかないですかね。少しネタにはなろうが。
なんか、考察とかそれをする域に到達していないので、ほんと「このキャラが可愛い」「あのやり取りが好き」という話しか出来ないのだけど、それすらも大して……って感じなのでどうしたら良いのやら。でも地雷というわけではないから困る。2000年代前半にリリースされていたら、その時期特有の「シナリオゲー好きに受けそうなゲーム」として一部の層に語り継がれる作品になっていたのかもしれないけど、イフの話をしても仕方がない。