アメサラサ ~雨と、不思議な君に、恋をする~
シナリオとかキャラクターとかコンセプトは、OHPを読んでもらえば分かるので割愛するとして……。
俺はまず、OHPを見て、この作品がループを扱っているというコンセプト、次に絵、そしてエロシーンもしっかり作っているという宣伝文句に惹かれて買った。
率直に言うと、買って正解だった。予想以上にそつなくまとまっていたし、原画は商業でも活動してる絵師が描かれているおかげか商業作品と比べても遜色ない出来で、作品自体の完成度は十二分に高かった。
なによりも、「2000円前後という低価格帯ソフトで、プレイ時間は3~5時間ほど、シナリオに『ループ』という題材を取り入れて、1人のヒロインでエロシーンのシチュエーションを豊富に」仕上がっていたことは、感心すべきところだろう。
ループ物だからといって俗に言うシナリオ重視のゲームかというと一概にそうとは言えず。むしろエロシーンが全体のお話の半分以上を占めてて、かつ、一つひとつは濃厚。
その濃いエロシーンを読むに随って、「どうしてループしているのか」「ループする鍵となるものは何か」というのが、段々と見えてくる。ループを題材にしたエロゲーは、俺自身あまりプレイしているわけじゃないんだけど、ループものの話で重要なのは「ループの開始地点と着地地点」だよね。要するにループの原因と結果っつーことなわけだけども、今回は、その点に関しては特に問題なく、まぁこんなもんだろうな、と、真意が明かされた時に納得出来得る範囲に収まっていたと思う。
ちなみに、エロシーンが「濃い」ということに何かループと関連する意味は含まれておらず。「濃い」理由は、たっぷりと抜き所をプレイヤーに楽しんでいただきたいという作り手側のその目論見だけで、別に他意はない。
一つ留意するならば、この作品、お話自体が笑えるに重きを置いた「面白さ」を追求した話ではないということ。エロとループを、3~5時間ほどのプレイ時間で、かつ同人作品で、どこまで扱えるのだろうかという点については、たしかに興味深いものではあったけど、そこまで、エンターテインメント性に富んだものではなかったかな。
よくある、「日常で描かれているキャラクター同士の掛け合い」とか「脇役男キャラによるギャグ」なんつーものは皆無だね。
原画は、いわゆる萌え絵ってやつだけど、俺にしては珍しく気に入った。ちょっとツボに入ったかも。
見たことある人は気付くだろうけど、去年発売の『ナツユメナギサ』や今年発売予定のLump of sugarの新作でも担当されている絵師。 何故か公式で名を明かされてはいない。
ちなみに、パッケージ絵が水も滴る良い女になってる。
今回は短い感想文になったけど、ここら辺で筆を置くことにする。
考察、ってのも多少考えたけど、謎は劇中で語られているし、特別俺がどうこう言って議論できるような余地はないんで。
繰り返しになるけど大体3~5時間ほどのプレイ時間で、ループものとエロをどこまで扱えるかってのが気になる人、絵が好きな人、同人ゲーが好きな人、低価格帯ゲームで濃い萌えエロシーンが読みたいって人は、プレイして損はないと思うよ!