「とある劒冑の電磁抜刀(レールガン)」とか誰うま
・OPムービー
アニメにも引けを取らない出来。
小野正利はいいなあ。
高音が格好良い。
・戦闘シーン多し
というだけならばニトロ作品は殆どがそうであるし、型月やプロペラもそうだ。
最近―ここ2、3年―ではライアーソフトシナリオライター桜井光の作品においても、戦闘シーンが大いに盛り込まれている。
しかし、戦闘“指南”―もっと具体的に言えば“剣劇指南”―を戦闘シーンの描写としてぶち込んでいるのは、俺の知り得る限り、ニトロプラスシナリオライター奈良原一鉄だけだ。
お気付きの様に、『装甲悪鬼村正』のシナリオライターはこの人だ。
どうもこのライターは、道場で師範代をやっている(やっていた)らしい。
・世界観・人物等の設定が綿密で、シナリオへのフィードバックが非常に優れている
「(いろんな意味で)そんな無謀なこと出来んのかよ!」
と思うところはたくさんある。
とにかく荒唐無稽。
だけど、なんでそういうふうになるのかという考察や背景をしっかりと設定し、それを無駄なく、過小過ぎず過剰過ぎずにシナリオに反映させている。
「スラッシュ・ダークADV」という肩書きをこれほど体現したゲームも中々お目に掛かれるものではない。
・3DCG
ニトロプラス作品の中でも3DCGを惜しむなく投入している『斬魔大聖デモンベイン』。
「10周年記念作品―ニトロプラスの集大成―ということで、3DCGを使わないことはあり得ない」
という言葉を、ゲーム雑誌のインタビューでシナリオライターが言っていた。
「製作予算は後に考えます」
と言わんばかりに投入されている。
個人的な話になるけれども、ageの『マブラヴ オルタネイティヴ』に匹敵すると思う。
まぁ、オルタ自体3年前の作品だから、結局↑の言葉は「当時も今もやっぱりオルタはすげぇ」という風に言っていることと同義なのだけれども。
・テーマをしっかりと書ききっている
ゲーム起動時に表示される「善悪相殺」。
これが本作のテーマだ。
劇中では「ぜんあくそうさい」ではなく「ぜんあくそうさつ」と読ませている。
要するに善悪観ということなんだけれども、序盤から中盤そして結末に至るまで全くと言っていい程、軸をぶれずに書ききっている。
それはシナリオの方向性であったり、ストーリー展開であったり、質自体であったり……十二分にライターの力量を発揮している。
「これは英雄の物語ではない。英雄を志す者は無用である」という名のキャッチフレーズが、この作品には本当に相応しい。
・スペックは必要。古いPCだと特に戦闘シーンと選択肢のところで重くなる
「システムは慣れればどうにでもなる」
というマイミクの言葉に感化されて、それ以降はこの信念で俺はエロゲーをやっているのでさほど気にならなかった。
マイPCが古いせいもあるし。
致命的なバグがあるわけでもないし。
・文章は縦書きで表示
エロゲーにおいてアドベンチャーゲームの殆どが横書きばかりであるのにもかかわらずなんでわざわざ縦書きにしたの? という問いは、劇中で解消された。
「シナリオライターの趣味」と雑誌では言っていたのだけれども、後付けではあるが一応理由はあった。
個人的には「あぁなるほどなあ、縦書きにしたのも分かるかも」という感じであった。
・コメディとシリアスの落差
ギャグパートは、どうしても書き手と受け手の感じ方の違いに依存されがちだと思っているのだけれども、少なくとも俺は受けることが出来た。
個人的な事を言えば、ニトロ作品の中で『続・殺戮のジャンゴ』に匹敵するぐらい笑った。
・メーカー10周年記念作品
ニトロプラス。
「萌え」よりも「燃え」を、
「イチャラブ」よりも「戦うヒロイン」を、
「性描写」よりも「血と硝煙の描写」を、
簡単に言うならこのようなメーカーである。
『装甲悪鬼村正』を、
魂の作品として、
ニトロプラス10周年記念作品として、
2009年を代表するエロゲー作品の一つとして、
賛辞を送りたい。
そして、どう足掻いても俺はここの信者だと改めて実感した。
誰に何と言われようと俺はこれからも追っかけて行く。
・参考になったレビュー。(以下のリンク先はネタバレしているなので注意!)
繊細な演出から、大胆かつ説得力のある流れまでもを持ち合わせた怪作(sweetsさん)
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=10469&uid=sweets
―周りを気にせず作りたい物を作っている、とはこういうことを言うのだなあ。
「人殺しは悪」「復讐は空しいこと」などをここまでキチンと書き切った作品が他にあっただろうか(kamitukiさん)
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=10469&uid=kamituki
―同じ感想であった。
真っ当にエロゲを作る気の無いニトロプラスの謹製(ryushiさん)
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=10469&uid=ryushi
―だが、そこに痺れる憧れる。
次の完全新作は、おそらくデモベコンビ―鋼屋ジンとNiθ―の『ドグラQ』だ。
発売する前に「ドグラ・マグラ」と帝都ものの小説を予習として幾つか読んでおかなければ。
最後に。
「お前の言葉なんてうんこにしか聞こえんわ。うんこうんこうんこうんこうんこうんこ」
「――食わせ者(ライアー)め」
エンバレですね分かります。