鉄道が趣味の「まいてつ」にまで廃れた時代の、鉄道復興を目指す物語。
グラフィック(20/20)
まいてつのグラフィックはイベント絵も立ち絵も動くから見ていて生き生きとした感じがする。CG鑑賞モードでもキャラクターを動かすことができるが、本編中のような動きを再現するのは難しい。
シナリオ(35/40)
ストーリーはよく作られていると感じたが、ハチロクとポーレットルートと比較すると日々姫など他のルートがやや劣って見えてしまう。サブヒロインのルートがあっさりするのは仕方ないが…。グランドルートも取ってつけたような気もして、必要なのかと疑問に思う。
ハチロクルート
双鉄の過去とそれを乗り越えて成長が見られる、この作品では最も読み応えのあるルートである。双鉄が8620の台枠異常による運転中止を決めてハチロクが取り乱す場面、昔双鉄が事故に遭った汽車が8620であったことを知る場面、そしてクライマックスの「橋を越えて」はこの作品でも屈指の名場面と言えるだろう。
ポーレットルート
ハチロクルートの次に読み応えのあるルート。ポーレットの双鉄への恋心というか、仕草が微笑ましい。一方で、過労によってポーレットが憔悴していくのを見るのはやはり心苦しいものがあった。このルートで一番の見せ場は、真闇がアドバイスと手助けをしてくれるシーン(15話)だと感じた。
日々姫ルート
日々姫ルートは上記2つのルートと比較するとどうも見劣りしてしまう。OPから軽快な感じがして何か違うなとは感じさせる。学園生でありながら選挙に立候補でき、被選挙権は何歳からあるのかとか、本番はむしろ選挙に当選してからが大変なんじゃないのかとか多少ツッコミ所がある。15話の終着駅で路子との別れのシーンは、あぁ終わったんだなと感じさせて良かったとは思う。
その他サブルート
メインヒロインのルートと比較すると圧倒的に短い(これは当たり前かな)。基本的に順風満帆に物事は進んで、最後にちょっと山場があるといった印象。とはいえ、それで話が迷走しているわけでもなく、ショートショートとして見ると十分すぎる内容と言える。ただ、グランドルートはなぁ、無いほうが良かったんじゃないかと。
音楽(15/20)
作風からかシックな落ち着いた感じの曲が多い。逆に、テンションを上げていくような曲は少なめ。ボーカル曲ではレイル・ロマネスク、どこまでも続くこの路を、未来へのレールが気に入った。特に「どこまでも続くこの路を」は何度聴いても良い曲だと感じる。
キャラクター(10/10)
皆魅力的なキャラクターになっている。メインヒロインの各ルートでは、サブヒロインは手助け(あるいは敵対関係)してくれ、頼りになるなと感じたが、サブヒロインのルートに入ると魅力がぐんと際立つようになった。サブヒロインの中では真闇が最も魅力であった。稀咲のデレっぷりは中々のものだったし、れいなも可愛いかった(性的な意味じゃなく)。
システム(5/5)
システム面は快適に動作した。テキスト下のスクロールバーが地味に便利、またこのシーン見たいなとか思った時にすぐに読める。基本的にスペックの高めのPCでプレイしたため分からないが、キャラがよく動く分、重くなったりしないのだろうか。
エロシーン(5/5)
ヌルヌル動いて実用性は高い。それならBGVもあった方が、とかは思う。
以下、蛇足
個人的に趣味で鉄道やっていることもあり、鉄道用語とかはでてきても理解できたが、ゲーム内に用語集があるので、分からない単語がでてきても問題はないだろう。SLの運転手順が更に気になるなら、鉄道ジャーナルの2018年2月号に詳しく解説されている。