エロゲーなのにどうして抱いちゃいけないのっ!?~萌えゲーだって最近エロ頑張っているのに!~何が悪いかというと、「設定」と思わず根本を否定してしまいそうにある作品。マンガとかライトノベルならアリだったか知れないけど、この作品が争った土俵はエロゲーでした。
個人的な話をすれば結構楽しんだ作品だったりもします
ヒロインのデレの描き方が個人的に当たりだったのですよ
ヒロインが可愛かったという意味で個人的にはありな作品でした
しかし、それ以外はあらゆる意味で仕込んだ設定が裏目裏目に出ています
まず、舞台から見れば、一風変わった学園を設定したのに活かされていない
特に、本編の時期は、プログラミングコンテストや、学園祭と言った
おいしいイベントが目白押しで、魅せる機会は存分にあったはずなのですが
プレイを始めて、以後ここが人工島で、IT技術を専門に学ぶ学園に通っている
と感じられるのはどれぐらいあるでしょうか?蛍シナリオ終盤ぐらい?
確かに、最近はヒロインとの関係やイチャラブが重視されて
通り一遍の学園行事(学園祭、体育祭、修学旅行など)は
適当にスルーされてしまうゲームというのは少なくないのですけど
この作品のこの設定をもってそれをするのはいかがなモノかなと思います
キャラ設定も同様ですね、三島姉妹にプログラム技術って必要だったんでしょうか?
結局、個別のシナリオ中ではそれらが活かされる展開は皆無なのですよね
かろうじて瑠花が、直前になって頑張りました、まるぐらいでしょうか
璃乃も料理の練習を取る事は美味しいイベントなんでしょうけど
それ以前に、璃乃がプログラムに対して入れ込んでいる描写がないので効果薄いです
輿の宮さんは、学園長の従妹ですけど、これも特に関わりありませんしね
何より、主人公デバッグ能力が高い設定って何の為にあったんでしょうか?
そんな感じでIT技術云々の設定の存在意義を疑うようなシナリオばかりなのですよね
唯一まともに書いた部類に入る蛍がファンタジー入ってしまっているあたりからも
誰も設定を扱いきれなかったというのが実際なのでしょうけども
この作品にはIT技術の発達した人工島の他に、もう一つ柱となる設定があります
それはメインヒロイン高天原美鈴が持ってくる「魅了」の魔法です
主人公が興奮すると周囲の女性を魅了してしまう素晴らしい筈の魔法は
ヒロインとの恋愛を貫き通そうとする主人公の空気の読めない行動により
完全にエロゲー的には足かせとなる設定となってしまったのです
本来なら素晴らしい魔法を与えてくれたけど目的が不明な少女……ぐらいの
立ち位置になるはずだった美鈴はこの設定より主人公にとって
何よりプレイヤーにとって疫病神のような存在になってしまったのです
設定を見て100歩譲って、終盤まで本番を行えないのは由としましょう
ですが、それ以前に魅了の魔法によるモテモテ描写とメインヒロイン群の嫉妬
ついでにメインヒロインやモブキャラによるラッキースケベなど
魅了の魔法によってエロゲ的に魅せるシーンはいくつでもあったはずです
しかし、悉くスルーします、嫉妬設定は蛍シナリオのみで使われるだけ
とにかく主人公がヒロインに顔向けしにくくするだけのお邪魔設定になっています
1シナリオぐらいそんなの合っても良いですけど、軽くあっても良いですけど
全てのシナリオで概ね、それがシナリオのメインとなるのはどうかと
そもそも、輿の宮先輩のように延長戦を取れるなら他のシナリオでも頑張ってください
そうでなくてもエピローグで普通にHするタイミングぐらい一度はあると思うのですが
この辺りを考慮すれば、好意的に見て設定上やるにやれなかったというのは無理があって
Hシーンの少なさを設定を言い訳に避けているようにしか見えないのですがね
前作が悪くないボリュームだっただけにこのギャップは驚きを隠せません
と、IT技術云々の設定は全く活かされず
魅了の魔法は活かされないどころか、マイナスに作用するという結果に
正直、この2つを上手くいかしたシナリオなんて始めから期待して折らず
前者はおまけ程度で後者を上手く書かれればいいかなと思ったんですが
見込みが甘すぎたようです、このゲームで何がしたかったのか良く分かりません
個人的な好みで、ヒロインは5人ともお気に入りです
しかし、昨今の萌えゲーなどと比べるとイチャラブ描写は負けますし
エロに至っては惨敗と言っても良いレベルになっていますから
コレといって、この作品をお薦めする部分がないのですよね
あ、そういえば、男の娘とか普通に攻略できますけど
それやるぐらいなら5人のヒロインのエロなりをしっかりと描いて欲しかったですね
と言うぐらいの存在です、ナチュラルに入れるのってどうなんでしょうかね?