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jenさんのアインシュタインより愛を込めての長文感想

ユーザー
jen
ゲーム
アインシュタインより愛を込めて
ブランド
GLOVETY
得点
78
参照数
132

一言コメント

音楽◎

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

音楽に水月陵さんと竹下智博さん、シナリオに新島氏なのでどうしても『はつゆきさくら』を思い浮かべてしまう。最初にも書いたけれど、音楽はこの2名なので素晴らしいの一言です。作品には直接関係ないですが、本作OP『新世界のα』が収録されている竹下智博さんのアルバム『World Hitchhiker!2』は最高です。ついでに2に限らず1も最高です。

さて、問題はシナリオ。主人公ははつゆきと同様に痛いけれど、これはプレイしていれば慣れてくるので良し。
個別ルートは結構楽しめました。どれも純度100%のハッピーエンドとはいかないです。でも、これが1つの結末ですと言われればスッと飲み込めるお話のように感じました。ここについては他で指摘されているような描写不足とはさほど思わなかったです。例えば忍ルートはあんな状況から4年も姿を消して今更「おかえり」って言ってくれるなんてご都合主義と言われても仕方ないけど、でもそんな話があっても良いんじゃないかと私は思えました。短いのは同意します。
しかし、物語の締めくくりであるGrand Endがあまりに残念。終わりよければの真逆を行くような作品だったと思います。おざなりなロボットバトル、薄い言葉をいくつか重ねるだけで味方になる彗星機構の星やメシア、これまた言葉をいくつか重ねるだけで気が変わる主人公の片割れ、あまりに唐突なエッチシーン、最後にひょこっと現れるアインシュタイン(父)。この方向性では描写を増やせば面白くなるという気もあまりしません。Grand Endとして期待外れでした。
そういえば最後の手紙で愛を込めてという割に愛なんて作中で全然ねえじゃねーかという突っ込みを見ましたが、ロミに関してはあれがロミなりの愛の表現だと作品を通して感じられたので、これはこれで良いんじゃないかと私は思います。

(追記)アペンドプレイ推奨