絵とそれが作る世界観、声優さん、ピアノを基調としたBGMが素晴らしい。ただシナリオが...
BGMは『夜の終わりに』がお気に入り。ところどころ無音のシーンがあるが、個人的にはこの無音がグッとその場面に集中させてくれていたと思う。テーマ的にはジャラジャラと音を出さない演出で良かったんじゃないでしょうか。
そんななかシナリオだけが惜しい。一本道シナリオだったことは特に気にしない。
幼少期のストーリーからふわっとした設定は分かる。しかし本当にふわっとしていて、生死を伴う世界を描くには説明不足で、駆け足で物事が進んでいく。特に世界から肯定される云々がふわふわ(ここが他レビューで言うところのご都合主義と言われる要素?)なのが一番気になった。物語の頭でこんな世界早く終わらせてくれ的な描写があるのだから、最初から肯定というか合意形成できてるんじゃ。願いを叶えるには代償を求められていたのに代償無しで叶っちゃったのは何だったのか。最後に虹色の世界に変わったけれど、そもそもなんでこんな世界になっちゃってたのか。
テンポは確かに良いが、そのぶん掘り下げられてなくて、泣けるポテンシャルはあっただけに惜しいなと思う。フルプライスで読みたかった内容。
シナリオはあれだったけど、BGMは大好きな作品になった。