ある意味で前作の良さを再確認させてくれる作品
全ては最後のましろルートを楽しむためと割り切ったほうが良い出来だと思う。ましろルートは前作とそのFDの補完になっている物語でもありプレイして良かったなと思える話だった。とは言え、それ以外の今回登場した3人のヒロインのルートを見なかったことにして点数をつけるわけにはいかないのでまあこんな点で。
シナリオが前作と比べるとワンランク落ちる。太転依を通して人と考えが衝突したりそこに家族の心温まる話があったり、前作はそういう奥行きのある内容に感じたが、今作はそういう丁寧なストーリーの積み上げがまるで無い。
あと主人公が格好良くない。前作のましろと同様に今回はヒロインこはくと家に一緒に住み、好感度も最初から高い。でもましろをそこからもう一回惚れさせるような、そんな芯のある男だった前作と比べると、今作はなんと意思の感じられない優しいだけの主人公か。前作で良い味を出していた親父や主人公の友人である三九郎に値する男性人物がいないのも大きい。
頼むから前作が作り上げた泉戸ましろという至高のヒロインの像を壊さないでくれと思いながら最後のましろルートをプレイしていた。これが杞憂に終わったことは良かった。
Kiccoさんの歌は安定して良いですねぇ。フルで聴くとさらに良かった。前作のように歌詞を読むとこの作品とマッチしているのも良い。ランプの作品をプレイする理由の1つはここにある。この良さは前作から引き継がれている。