芸術系の学園っていう舞台設定のおかげか、キスシリーズのなかでは面白かった。
これまでのキスシリーズ前2作とは打って変わって芸術系の学園が舞台の今作。
共通でも個別でもしっかり芸術路線に振り切ってくれた部分は面白かった。平凡なイチャイチャストーリーとかよりはこちらのほうが良い。
以下、特に気になった梓ルートをつらつらと。
梓ルートは才能への嫉妬というか、頑張っても凡人には届かない世界があってその葛藤と、その中でどう芸術と携わっていくかがテーマなのかなと。この感情とうまく付き合ってどこかに落としどころを見つけるのがオトナってやつだろうか。こういう人間味のあるテーマにワクワクしてたんだけど、個別ルートが進むにつれてイチャイチャしてて気づいたら作品できあがってましたで拍子抜けした。小人が寝てる間に作業したのかよと。心が折れそうになるくらい悩んで、でも完成したらやっぱ楽しくて、今後も芸術に携わりたいって結論は構わないが、そこに至るまでの過程と合点がいくものでないと消化不良になる。梓と主人公がこの感情とどう向き合って折り合いをつけていくのかをもっと見たかった。
とは言え、梓というキャラクター自体は今回のヒロインの中では一番お気に入り。