ポテンシャルはあった
会長と奏の順番を除いてルートロックされていて、そのことを活かしたシナリオだった。前半は各ルートでヒロインの特徴に合った終わりの迎え方だったと思う。さくら編、桜編が種明かしで、そのあと解放される会長と奏ルートはおまけって印象。最後のすみれルートは補足に近いか。
本作から受け取れる2つの主題、前半の「どう終わるか」と後半の「永遠をどう生きるか」ってのは他レビューにあるように確かにあると思う。そしてこれも他レビューに書かれていたが、前半のこれを一番人間っぽく描いたのが美羽ルートかな。ここまでは面白かった。一方で後半はピンボケ気味。種明かしの後では、部長のくどいほどの「今日が一番にぎやかになる」というセリフと共に生活部で楽しく過ごすシーンがあっても伝わってくるものが特にない。もう少し違った伝え方があるんじゃないかなあと。さくらに関するストーリーをもう少し見たかったかもしれない。
プレイ中あまり気づけなかったけれどBGMの数が凄かった。その数41曲。そこらへんのフルプラ作品の1.5倍くらいあるんじゃ。この41曲詰まった2枚組サントラが別売りじゃなく同梱というのも凄いね。
あと、このレビューを書いた現在、10年経ってもおまけシナリオをダウンロードできることも凄い。