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jamy101さんのお嬢様はご機嫌ナナメの長文感想

ユーザー
jamy101
ゲーム
お嬢様はご機嫌ナナメ
ブランド
ensemble
得点
81
参照数
909

一言コメント

アフターが気になる,なかなか良くまとまった作品。お嬢様が合えば失敗はしないはず。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

体験版部分→共通(第1部)→財閥ルート(第2部前半)→各個別(七波/花/詩綾)
                 L→アイドルルート(第2部前半)→各個別(音羽/透夏)
という構成。

財閥ルートはなかなか満足度が高い構成になっていると思います。
あれだけ体験版部分・共通ルートで鬱陶しかった鶴美の話も,財閥の話もきちんと説明されます。
説明がいちばんしっかりしているのは,花ルート。
逆に言えば,七波ルートは購入者DL特典(後日配布)のアフターストーリーで語るべき余地を残していると言えます。
詩綾ルートは,両2ルートの派生といって良いと思います。「貴腐人」の称号は伊達ではなく,他のルートでも順調に花を汚染しています。そのショッキングさは元と共感できるのではないでしょうか。詩綾ルートを済ませておくと,他のヒロインを攻略するときの罪悪感はなくなります。

逆に少し残念だったのがアイドルルート。
音羽は共通部分(+七波個別)で,かなりアタマが弱い(むしろ涌いている)ので,「なんなんコイツ……」と少し不快に思えました。ただ,音羽個別に入ると,うってかわって可愛げが出てくるので,そこまでの辛抱かと思えます。攻略意欲が少し低くなるのが……
透夏もその割を食っているところがあると思います。
アイドルルートは,共通の伏線をことごとく無視するので,話の整合性という面でも残念さがあります。
天井に隠した10億円がなくなるのはいいとして,それは一体どうなったのか明らかにならないのはとても不自然。元がそれを気にしなくなるというのも明らかに不自然。もう少し掘り下げが必要だったのではないでしょうか。

ともあれ,お嬢様の独特のキャラクターが,個人的にはとてもツボだったので,また,花もいい味を出していたので,全体としては満足しています。
仮にFDが出たら買うでしょうね。