ちょも山氏の絵がエロい。完成度は高いが惜しい点も多々。
まず最初に、本作が同人サークル第1作である事を考えれば完成度はかなりの物です。
原画やシナリオ、声優とプロの人を揃え、実際にプレイすると背景･システムも市販の廉価版ソフトと遜色ありません。
しかし整っている箇所があるだけに、気になる箇所も目に付きます。
①本作は｢寝取られ｣ではなく、｢寝取らせ｣である。
まぁ体験版やらストーリーを読めばすぐにわかる事ですが。
一例を挙げるなら、妻しぼりで八百屋などに「寝取られ」るか、妻みぐい2でショタに「寝取らせ」るか。
DLサイトや此方のようにジャンル分けをされている場合、ほとんどは｢寝取られ(寝取り)｣で一括りにされます。
しかし実際やってみると｢寝取らせ｣。事前にここを押さえておくかで本作の評価は結構変わると思います。
②システム
本作では｢愛情｣｢寝取られ｣｢浮気｣3つのパラメータがあり、HシーンやEDの判断に用いられている様です。
しかしこの｢愛情｣値が高くても、嫁さんは拒絶しません。
旦那に男をセッティングしてもらってる様なものなので断るのが不自然と感じる人もいるでしょうが、私は気になりました。
極端な例でいけば、ひたすら週末を嫁さんと過ごし、｢寝取られ｣｢浮気｣を一切上げずに進んでもクリスマスに家を空ければいきなりヤりまくります。いくらなんでも急展開すぎ。
細かい事では、選択肢時にバックログが出ない。仕様でしょうが、2周目以降だと結構面倒でした。行き先選択時にもセーブできるとなお良し。
③シナリオ
純愛ルートとでも申しましょうか。主人公とヒロインが愛情のみを上げまくることは本作でももちろん可能です。
可能ですが･･･この進め方をすると終盤でイベントが尽きたのか、ほとんど何も起きないまま月日が過ぎます。トータルで見るとシナリオ内容もNTRルートとほとんど変わりません。
寝取られ作品の一つの魅力が、ギャップです。本作なら清楚な嫁さんが、他の男とSEXする。その変化が魅力なんですが、純愛ルートがほぼ皆無のせいであまり落差がありません。
シナリオをもっと掘り下げ｢イチャイチャしているとこんな可愛い顔も出来る｣など、ヒロインの良さを持ち上げる工程が欠けていると思います。
じゃないと設定上は清楚ですが、墜ちるのが早いせいで余計ビッチに感じてしまいます。Hシーンのパターン分しかシナリオが無いので、墜ちていく過程も階段飛びです。
上記の嫁さんの拒絶なんかもそうですが、もうちょい分岐をした方が良いのでは。せっかく50ターンもあるんですし。上司ルートとか。
50ターンかけるなら分岐などで幅を持たせる。逆に一本道ならもう少し短くまとめる必要があるかと思います。
④その他
声優さんが･･･地の文は良いんですがHシーンはちょっと･･･って箇所があります。
同人で声付き。ありがたいんですがもったいない箇所。
ダラダラと気になった箇所を述べましたが、かつてアリスソフトで妻みぐい1･2･妻しぼりなどを手がけた黒田晶見(ちょも山)氏の原画と塗りはかなり良いです。
塗りに関しては｢Sweetest Maman!｣なんかより良い。当然、エロいです。実用的です。
そしてサークル処女作でありながら特典などもあり、このクオリティの作品を仕上げる企画･運営力はかなりのものがあると感じます。
正直言いますと、やる前より作品としての評価は下がりました。しかしサークルに対する評価はむしろ上がっています。
クオリティの高さを継続し、次回作以降も頑張って欲しいと思える作品でした。
値段分の価値はあると思うので70点。