貴方に花を贈りましょう。最愛の世界がずっと続いていくことを願いながら、かつてあった愛の物語を語りながら、色とりどりの花を贈りましょう。 ――世界の果てから親愛なる貴方へ。
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『滅び朽ちる世界に追憶の花束を』の後日談。
本編はサークルHPでデータ版のみ購入できます。そっちの感想でも吐き出していますが一つ一つのエピソードが印象に残るいい作品です。
さて、本編プレイ済みの方ならあの終わりからどうやって後日談を作るんだ!?と思われるかもしれませんね。
意外や意外、全キャラ入り乱れ、本編ではありえなかった異色のコラボが成立しています。
そして本来有り得なかったはずの自分たちの運命を知ってしまった状態だからこそグッと来るものがあります。
それは緋依の強さだったり、紅の嘘だったり……。
本来有り得なかったはずの白昼夢の中で彼らの迎える結末は、私たちプレイヤーの望んだ形ではなかったかもしれません。
何でもありの世界観なら、私が本編の感想で書いたような結末にもなったかもしれません。
しかし、そうはなりませんでした。
ところで、私は滅花という作品は「人の強さ」というのが一つのテーマであると思っています。
自分の醜さも他人の醜さも受け入れる緋依、最期は笑顔で受け入れた紅、世界の果てから花を送り続ける未黄。
そして最愛の人において枯れてしまった陽子。なぜ彼女が「そうしなかった」のかは本作をプレイすればなんとなく想像はついてしまいます。
彼女たち/彼らはすべてを受け入れて生きていく強さを持っていたから。
たとえ絶望しても自分で立ち上がることができるから、そんなご都合主義的な救いは不要だったと思うのです。
それでも唯一救済措置があるとすれば、その輪から外れてしまったとある愚かな男に対してでしょうか。
彼がその後どうなったのか想像するのもまた一興でしょう。
本作を持って「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」という物語はひとまず終わりを迎えたのだと思います。
しかし、現実に戻った彼らはそれぞれの時代で精一杯生き続けていくのでしょう。
次にバトンを渡すために、永遠に続くことを信じて。
以下、本編のネタバレも交えて
滅花本編のパッケージに印刷されたヒロインは陽子だと思っていましたが、花子だったのですね。
しかし、本編で出てきたかなと考えると記憶にありません。
私は一通りエピソード選択→クイズ正解→エピローグ→foreverにサブエピソード追加で本編は終わりだと思っていたのですが、もしかしてエピローグ後に花子が絡むようなエピソードが追加されていたりするんでしょうか?