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isumiさんの神風剣士ロゼッタIII ~屍都の舞姫~の長文感想

ユーザー
isumi
ゲーム
神風剣士ロゼッタIII ~屍都の舞姫~
ブランド
雨傘日傘事務所
得点
60
参照数
648

一言コメント

終盤がなー。タイトルからしてそうであることは分かっていたのですが、それでも終盤がなー。まぁ…ファンガスだから仕方ないっか。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

初めに
ネタばれになってしまいますが、キザクラさんの終盤の展開が好きではない方にはあまりお勧めしません。
また下の感想にはキザクラさんのネタばれも多少含みます。


「あまり強くないこと」を理由に剣術指南役に抜擢された主人公ファンガス。
彼は世話焼きお姫様や侍女との楽しい生活を送ることになりますが、とあることをきっかけに捨ててきた過去と向き合うことになります。
いきなりお姫様が鼻血を垂れ流しているシーンから始まるところが、雨傘日傘作品だなぁ…と思いました。
相変わらず中盤までの日常シーンが最高に楽しいですね~。
じゃじゃ馬お姫様のロゼッタは主人公と一緒になっておっぱいばんざいしたり、お姫様のくせしておせっかいだったりとお姫様という枠に囚われないキャラで笑わせてくれます。
アンリエッタさんも後日談での中学生のような恋愛観がああもう!ってなるくらい可愛らしい。
その他のキャラもいい味を出していて、特にリヒテンさんはおっぱいばんざいでした。欲を言うならもう少しアフロの出番が欲しかったところ。
そしてそんな楽しい日常シーンの所々挿入されるファンガスの夢が不気味さを醸し出しており、ここからどうなるのだろうとわくわくしました。

ただ終盤、ファンガスが過去と向き合うことになってからはがくんと評価が下がりました。
序盤のとあるシーンでそうなるだろうなぁという予感はしていたのですが、そしてタイトルからして「神風剣士ロゼッタ」であることからある程度は予想していましたが……。
ねぇ何で主人公自ら決着をつけないの?
ロゼッタはものすごい魅力的ですよ。凄い才能の持ち主ってのも分かりました。
でも彼女との決着はやはり主人公が付けるべきだったと思います。
それに序盤のあのシーン、好みの問題でしょうがあまりああいう展開は好きじゃないです。
ロゼッタに天才的な踊りの才能があったとしても。
これもキザクラさんと同じく見せ場を横取りされた気分です。
それでもキザクラさんよりはマシですけどね。あっちはドレイクが強くてカッコいい良主人公だったのでものすごく不満に思ったのですが、こっちはファンガスがあまり強くないというのが多少免罪符になっています。
というかファンガスだから仕方ないと無理やり納得させないとやっていられません。
後個人的にはロゼッタよりもアンリエッタさんの方が好みだったので、もう少しファンガスとアンリエッタさんの会話シーンが欲しかったですね。

ただ私の不満は、キザクラさんも本作も「主人公が主人公であって主人公ではない」という矛盾によるのかもしれません。
どちらもタイトルになっているキャラが主人公ではない(むしろヒロインのポジション)、だけど最終的には主人公のポジションが与えられています。
それがこんな不満につながったのかなと思います。
だから彼女たちが主人公と思って見てみると納得できる展開なんですよね。
カッコいいバトル、カッコいい主人公、燃えゲーとしての条件は十分満たしています。
……書いていて訳分からなくなりましたが、つまりは最初からどっちもヒロインを主人公にしておけばよかったのではないかと。
どうもこの2作品、サブキャラから見たお話という印象が強いです。

前半だけなら70点レベルだったんですけどねぇ。せめてロゼッタとファンガスが協力して……くらいだったらここまで評価は下げなかったのですが。
ただ全体的には魅力的なキャラクター、先の気になるストーリーと十分良作の部類ですので上記のことが気にならなければプレイしてみてもいいかもしれません。
エロはいつものようにハード(異種姦、苦痛系あり)なのでそこはご注意を。

以下、黒曜鏡のネタばれ含みます






















ファンガスってどこかで見たことあるなーと思ったら、もしかして黒曜鏡でエルと戦った彼ですか。
ロゼッタから黒曜鏡の間に一体何があったのでしょうか。