このバカップルめっ!!
紅湖の方を先に進めようと思っていたのですが、序盤も序盤のとあるシーンでどうにも進めることができなくなったので中断、こっちを先にクリアーしました。
2004年発売と結構前の作品ですが、本作も日常の楽しさは健在でしたよ~。
(※本作には若干流血描写があります)
・シナリオ
ひょんなことから吸血鬼の僕となってしまった主人公とぽっちゃり(ところによりぼっちゃり)系ご主人様のまったり・ラブラブ・いちゃいちゃな日々を描いた作品。
所々不安を煽るような描写はありますが基本的にはご主人様の小夜子さんとガンプラ談議に花を咲かせたり(用語辞典がゲームのフォルダに同梱されています)、主人公が前田部長の適当っぷりに突っ込みを入れたりなどの日常描写がメイン。
相変わらず不快なキャラがおらず所々クスッとさせてくれます。
ここの作品の主人公を取り巻く雰囲気は大好きですね~。温かくて楽しくて……好きなところを挙げたらキリがありません。
そして特筆すべきは小夜子さんとの甘々な日常でしょう。
出だしがで出だしなのでくっ付く過程はなく、僕と主の関係のままずるずると~という流れなのでバカップルと言えるのかどうかは微妙ですが、日常シーンでの何気ないやり取りにニヤニヤしてしまいます。
僕にデレデレな主という設定は新鮮でした。途中からどっちがご主人様なんだかわからなくなります。
だけど、いちゃいちゃバカップルだけで終わらなかったのはやはりというか。
終盤から怒涛の展開が始まります。割ときつめの流血描写もあり、結構えぐいです。
が、怒涛過ぎてプレイヤーが置いてけぼりにされてしまうのが残念。
バラバラだったピースが1枚の絵になるというものではなく、実は○○は××でしたぁぁぁ~~~!!(何だってーー!!)的なものなので、そういうことだったのか!という驚きよりもえ?え?え?という驚きの方が近いです。
またバトルシーン来たーーー!!と思ったら、すっ飛ばされていたので肩透かしでした。
明かされていない謎(私が勝手にそう思っていただけなのかも。結局地下街は一体何だったのでしょう)もあり、一番見たかったところもスキップされ不完全燃焼のまま終わってしまいました。
ただ何度も言うように日常シーンは本当に素晴らしい。
燃えゲー、シナリオゲーとしてではなく個性的なキャラとの日常を楽しむゲームとして考えれば及第点です。
・キャラクター
主な登場キャラは3人と少なめですが、今回もみんな個性豊かで生き生きとしています。お気に入りは前田部長。お茶目なおじさんっぷりが面白かったです。
小夜子さんは主のくせに主人公に甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる、理想の奥さんのようなヒロインです。
が、そこはやはり雨傘日傘作品。どMでガンプラオタクで酷い妄想癖ありと一筋縄ではいきません。
まさかエロシーンで笑うとは…。「わたしはシンタさまのハムですぅぅっ!たべてぇ!」は名言ですね。
だけどそんなギャップもとても魅力的。
主人公も上記2人が濃すぎるので若干影が薄くなりがちですが、突っ込み役として無くてはならない存在でした。
主人公がまともだからこそ話がちゃんと成り立っているような気がします。
小夜子さんと部長だけだったらストーリーがとんでもないことになりそう。……それはそれで見てみたい気もしますが。
・エロシーン
和姦のみでえぐさは控えめ。
軽いSMはありますが、ヒロインが率先してやっているので悲壮感はありません。むしろSMシーンは笑いどころでしょうか。
エロシーンは割と豊富ですが絵に癖がある……というよりは小夜子さんがぽっちゃり、ところによりぼっちゃりなので実用性はどうかな?といったところ。
初回のキスシーンは(失礼ですが)主人公が肉に呑まれているような感じでした。
エロシーンはストーリーのオマケ程度と考えた方がいいでしょう。
ぽっちゃりさんが好きなら気に入るかもしれませんが。
・グラフィック
CG枚数は差分抜きで35枚、うちHCGは26枚。何と今回は通常のCGも回想に収録されています!
結構前の作品ですが、小夜子さんの首をかしげてニッコリの立ち絵と階段の下から見上げているCGはかなり好み。
通常のCGのみならいいものが多いです。
HCGもいいものはありますが一部妙に短足になっていたり、ぽっちゃりというよりも肉って感じのものがあったのが気になりました。
(キスシーンは特に。小夜子さんと主人公の顔の大きさに違いが無いのは違和感が)
ただHCGに関しては最近の作品よりもこっちの方が好みですね。
最近の作品はエロよりもえぐさが強いので、本作のようなヒロインの可愛らしさが出ているCGが少ないんですよね。
立ち絵については目パチありで、枚数は豊富。表情がころころと良く変わります。
・声
これが最大のウイークポイントかも。
声が合っている・合ってない以前に音質が悪く、聞いていられません。
声優さんには申し訳ありませんが、早々にoffにしました。
燃えゲーではなくキャラゲーとしてみれば良作。
バトルシーンに期待していた人間としてはいささか物足りなさも残りますが、それでもこの日常の面白さは評価したいです。
というわけで70点。楽しい日常シーンが大好きな方やとにかくニヨニヨしたい方は是非!
小夜子さんや主人公の過去の話も読んでみたかったな~。
以下、『エリュズの小粒』の感想
『エリュズの小粒』とは緊縛革衣装CGとノベルで構成された雨傘日傘作品のFDのようなものです。
ノベルはエリュズニール5本、黒曜鏡1本、讃美歌1本、雪神1本が収録されています。
ほとんどCG集なのでここには登録できませんが讃美歌の後日談が抜きん出て面白かったので、ここにちょこっと感想を載せておきます~。
もちろんその他のお話も十分面白かったですよ。
エリュズニールには思い入れが無いので微妙でしたが、アーベルのちっぱいっぷりとか、リィ・ルゥの相変わらずっぷりとか、雪神のラブラブいちゃいちゃっぷりとか、ここの作品のファンにはたまらないものがあります。
特にアーベルの泣き顔は、エルと同じく可愛いなぁ~とニマニマしました。
上の4つの作品が好きなら手を出してみてもいいかもです。ただし、ノベルはものっそい短いのでそこはご注意を。
読むのが早い人は1話5程度で読めてしまいます。
〈讃美歌感想〉
……うん!いつもの小夜子さんだね!!
「シンタさんがっ!ハードカニバリズムぅううううう!!!」で笑い転げました。
主人公の冷静な突っ込みもいい味を出しています。
この2人は本当に最高のコンビですねぇ。(あえてカップルとは言いません)
タイトルに反してバカバカしく、そして楽しいお話でした。
いつか讃美歌の続編も作って欲しいです。
バトルなしで延々と小夜子さんが妄想を垂れ流したり、主人公とガンプラ談議に花を咲かせているだけのやつ。