敗戦国の姉妹姫に科されたのは終わりなき恥辱の日々。これをプレイする前には最低でも『エリュズニールの騎士』かこれより後に発売された『黒曜鏡の魔獣』のどちらかはプレイ済みであることが望ましいです。しかし黒曜鏡のその後の話なのに、黒曜鏡プレイ済みだと大幅に評価が下がるという厄介な代物。とある人物のあまりにもしょぼい最後には涙せずにはいられない…。
これ単体で評価しているつもりですが、どうしても黒曜鏡と比較してしまっています。その点をご了承ください。
DLサイトでタイミング良く値下げ販売していたので購入。
どうやらここの作品は一部を除き世界観が同じのようでして、それでも黒曜鏡やヴィザルは単体でも楽しめますが本作はこれから始めると多分戸惑います。
(一応作中でフォローはなされているのですが、黒曜鏡プレイ済みの私でも最初は戸惑いました。髪の色が違っていましたし)
もしこれから始めようという場合には『霊刀キザクラ』と『黒曜鏡の魔獣』の人物紹介を読んでおくといいかもしれません。
黒曜鏡では悲劇のキャラクターだったディールが主人公…と見せかけて、実はディールの母エミリアと姉のリザリアが中心だったりします。
序盤は喫茶エリュズニールでのディールたちのまったりとした日常が中心。
いつもながら会話も面白くテンポよく読めますが、ディールたちの状況がイマイチつかめず今回はいまいちのめり込めませんでした。
そしてとある事件が起きて過去パート、イースティンの崩壊と姉妹姫の恥辱の日々が始まります。
イースティン崩壊前の姉妹同士のほのぼのとしたやり取りとその後のギャップが大きすぎて、軽くへこみました。
過去パートは凌辱凌辱凌辱凌辱……それしかありません。
過去パート終盤ではディールも出てきますが、中心はエミリアの凌辱なのでエロメインで買った訳ではない私はだれました。
そして、過去から再び現在へと舞台が移りますが……もう本当にがっかりだよ……。
黒曜鏡プレイ済みだとディールの宿敵のあまりのしょぼさに泣けてきます。
私はあっちで彼は「悪役なのに妙に憎めない奴」と認識していました。実際ラストでは好感さえ抱いていました。
なのに本作での彼は「ただの小悪党」なんです。バトルシーンといっても最初からディールに有利な立場で一方的にやられるだけ。
最後は無様に命乞いすらします。こんなのがディールの宿敵なのですか?あまりにしょぼくありませんか?
おそらく発売時期を考えると黒曜鏡の彼の方が後付け設定なのかもしれません。
多分エリュニーズ(私は未プレイなのでどんな話かは分かりません)→本作→黒曜鏡でプレイすれば、あいつにそんな一面もあったんだ~と彼の評価が上がったのかもしれません。
ただ、逆の順番でプレイした私には彼のあまりにも杜撰な扱いにはショックを受けずにはいられませんでした。
ここの作品は敵味方含めて魅力的なキャラが多い=だからバトルシーンが燃えるというのが特徴であると思っているので、今回はバトルもいまいち燃えず何となく消化不良気味でゲームを終えました。
また本作は最後の選択肢によってガルムEDとティタEDの二つに分岐し、ED後にアフターストーリーが1本ずつ、最終的には3本解放されるという構成をとっています。(最後の1本は両方のアフターストーリーを見終えた後解放)
そしてアフターストーリーを全て見終えた後本編を開始すると、とある場所での選択肢が追加され3つ目のEDが見れるようになります。
おそらくはこれがトゥルーEDであると思うんですが……いやいや、これはやっちゃだめでしょ。
私はバトルに関しての何でも有りは(これはやりすぎと思わない限りは)大好きです。
しかし、生き死にに関しての何でも有りはちょっとどうかと思う派なのでこの展開には首を捻りたくなります。
確かに今までのことを考えるとディールには幸せになって欲しいとは思っていますが、それでも何だかなーという感じが拭えませんでした。
最後のギャグっぽいドタバタな終わり方もちょっと浮いているように感じました。
エロシーンは今までプレイした個々の作品の中で一番えげつない気がします。
見せしめのためにほぼ全裸で引きずり廻される、口枷をはめられて喉を犯された後精飲→その後尿を無理やり飲まされる、何人もの男に肛門や膣果ては膀胱まで冒された後栓をされ衆人環境の中で精液が逆流、触手に侵される…などなど。
(以上全てエミリア)
大体嘔吐したりえずいたりしていて痛々しいです。
乳首に開けられたピアスの穴をこじ開けて愛撫とか一体どの層に需要があるのか分かりません。
口枷をはめられて喉を犯されるシーンではこっちまでオエッとなりましたよ。
逆にリザリアは環境が環境のせいかそこまでえげつないものは少なかったです。飲尿や新婚初夜にガラント皇以外の人間に侵されるとか十分えげつないんですが、エミリアに比べたら全然ましです。
リザリア、エミリア以外にはガルムとティタに1シーンずつ(相手はどちらもディール)ありますがこちらはどっちもラブラブ和姦でした。
またエミリアはすでに堕ちた状態から始まるため、気の強い女騎士を徐々に落としていくといったシーンもありません。
せっかく彼女には想い人がいたんだから、堕ちていく過程もあった方が良かったんじゃないかな~と思いました。
エロシーンは痛々しいものが多いためエロ度は低め。実用性には乏しいと思います。
上記のようなシチュにときめいた方もCGに癖があるので確認してからの購入をお勧めします。
ムチムチと言うか肉が蠢いているような感じなので。(立ち絵はいいのですがエロCGになるとえらいムチムチになるんですよね)
キャラクターは相変わらず個性豊かな面々ばかり。
個人的にはリザリアがいい味を出していたと思います。ティタ様も可愛いですね。ああいう気の強い娘がたまに蕩けるのは微笑ましい。
悪役は黒曜鏡プレイ済みだとカラスやガラント皇、ディアボロスなど懐かしいキャラクターがたくさん出てきます。
それと終盤ではまさかあの人の正体がっ!!というちょっと嬉しい驚きも…。
それでは今回のお気に入りはと言うと……特にいませんね。
ティタ様は可愛いのですが前作未プレイのせいかそこまで愛着は湧きませんでした。
ほぼ過去パートがメインと言うのもネックになっている気がします。
悪役もガラント皇は過去パート終盤で意外な一面を見せたりしたんですが、やはりイマイチ。
一番残念なのは彼なんですが上で散々述べてきたので割愛します。
ただ一言だけ言わせてもらうと、悪は必ず罰せられるとしても最後には敵ながらカッコよかったという印象で終わって欲しかったなぁと。
前作やここの作品をプレイしたことがなければあえて手を出す必要はないと思います。
ここの作品をプレイ済み、もしくはよりこの世界を知りたい、エロシーンにぐっときた、などであればプレイしてみてもいいかもしれません。
ただしストーリーを楽しむ場合にはは黒曜鏡よりも先に本作をプレイするのがベストです。
それでは最後に
最後には黒髪和風美人までも侍らせて、彼の負け組人生は最終的には勝ち組の部類に入るような気がします。
傍から見れば羨ましいことこの上ないのですが(本人にとっては大変なのでしょうが)、彼女のことを思うとまた複雑でもあります。
以下、ネタばれ感想(黒曜鏡のネタばれあり)
ちなみに彼女=クリステルのことです。せめて本作で一言でいいから彼女について触れて欲しかった…エルはあったのに。
黒曜鏡より先に発売された作品ですが、エルに触れられているところを見るとこのころから構想はあったのでしょうか。
エミリアにしても息子のために死を選んだ母親の強さがよかったのに、そこで生き返ってしまったらじゃあれはなんだったのと言う気分になります。
上で何回も述べてきたけどディアボロスには失望したよ…。
黒曜鏡ではクリステルの扱いなどで最初はむかついたけど、あの一件でちょっと見直してエピローグのオチは彼らしいなぁ何と思っていたのに。
今回はRPGで言うところの中ボスくらいですよ。
がっかりだよ…本当に。