夢を諦めた、全ての人へ
「夢は諦めなければ必ず叶う」なんて言葉が嘘っぱちに思えてきたのは何時ですか?
その森の奥には魔王の住む屋敷があるらしい……
主人公はそこで「お手伝い」として働く事になったが……
魔王の横暴な態度に苦労する毎日。それでも頑張る主人公。
だがしかし、一人の男にある言葉を告げられる。
「このキナナキノ森から出て行け」と
(以上作者様HPの作品紹介ページから引用)
フリーゲーム プレイ時間6時間 ノベル 15推ですが対象年齢は結構高め(高校生でも十分楽しめますが、最後の方は……ね)
最初に
さくパンで若い男には萌えねーよ!!と書いた私ですが、何と言いますか…すいません撤回させて下さい。
魔王様に萌えました。
多分ね、普通の乙女ゲーに出てくるような普通の♂キャラだったら萌えませんでしたよ。
何と言うか、ほっけ大好きとか好みのタイプが三十路以降の女(人妻がいいらしい、未亡人でも可)だとか、
尽く乙女ゲーの常識(そんなのがあるか知りませんが)から外れた魔王様が最高です。
まぁこんなこと書いていますが、乙女ゲー的要素はほとんどないと思います。
魔王様にニヤニヤしたのも甘いセリフにニヤニヤではなく、どっちかというとエロゲーでヒロインにニヤニヤするのと同じ。
つまり、本作は魔王様に萌える萌えゲーなんですよ!!……多分。
個人的にはさくパンの方が乙女ゲー要素が強かったように思います。まぁその後は(以下自主規制)なんですけどねー。
あ、毎度のことですが鬱展開ありです。ただ、ヒロインがレイプされるといった展開はありませんでした。
鬱が若干抑え気味になった分、メッセージ性が強くなった印象です。
さてさて書きたいことが多すぎるので、項目別に上げていきたいと思います。
ネタばれは控えめにしたつもりですが、あくまで「つもり」なのでご了承ください。
(面倒なので、魔王様にこれ以降は様付けを止めます。それと無駄に長くなりすぎました。本当に申し訳ありません)
音楽
「おかっぱ、ゴムとび、吊りスカート」「レギーネ・オルセン」「蛍」「simple time」「fairy taler」あたりが特に好み。
他の曲も雰囲気をぶち壊しにするものはありませんでした。
ただOPムービーで使われていた「Soldiers」も好きな曲なのですが、ピアノverしかMusicで鑑賞できないのが残念。
まぁムービーもMusicで鑑賞できますし、OPムービーで聞いてちょうだいってことなんでしょうね。
まんまアレな曲は大丈夫なのかな…?と心配になりました。
EDに歌あり。このゲームのEDにふさわしい、力強いものです。
最初はもう少し低い声の方がいいんじゃないか?とも思いましたが、何回か聞いているうちにだんだんこれでいいと思い始めました。不思議。
途中で雰囲気が変わってから(強く大地を蹴って~のところ)の部分が好きです。
CG・立ち絵・OPムービー
さくパンの時よりもうまくなっているような…?特に顎とか。
枚数は差分抜きで37枚(内1枚未使用?タイトル画面のものを含めず)+SD絵など。
話に夢中になっていたというのもありますが、特に少ないとは思わなかったです。
ちなみに第1部と60Lで「あんた誰?」と聞きたくなるくらいひどいことになっているキャラがいます。
(余談ですが、ED後のスタート画面のCGで涙腺が緩みました。)
OPムービーは派手な動きこそ無いものの、これから何が起こるんだろうという気にさせてくれます。
プレイ後に見直すとあぁー!!と思える部分もちらほら。かなりネタばれしてますけど、多分所見では分からないと思います。
壁画風の絵と厳かな雰囲気の音楽が非常にマッチしていました。
立ち絵も特に崩れているキャラはいません。が、しいたけの目が怖い…死んでる…。
特筆すべきは、かぼの表情パターンの多さ。メッセージウインドウの左に表示される、かぼの表情がとにかく豊富。
誇張でも何でもなく、1クリックごとにくるくる変わって見ていて楽しい。中には1か所にしか使われていないものも。
個人的に水木しげる風のものがよかったです。あと洗剤を落とされた時に出てきた、叫び声上げてるヤツも。
本当に主人公か?と疑いたくなるものが多いですが、この表情パターンの豊富さも話を楽しむのに一役買っていたと思います。
シナリオ
第1部→第2部→60Lの3部構成。でこれに+αでひぐらしのTIPSのような「補足」があります。
文字通り補足はキナナキの世界をさらに深めるものです。
それと、追加される補足ストーリーに伏線を回収するためのものがあるので、パッチは必ず当てておきましょう。
(まぁ…知りたくなかった真実まで知ってしまいますがね。詳しくは後ほど)
では、各話の感想を…
第1部
かぼがキナナキノ森に来たところから始まります。
最初は昼ドラかっ!?と思いました。魔王のかぼに対する仕打ちはまんま昼ドラ的展開。
まぁその後はそんな展開も無くなり、ひたすら楽しい日常シーンへ。
この部分はもっと見ていたいと思えるほど楽しいです。でもそんな日常は長くは続かないんですよね…。
キナナキノ森という楽園の終焉は物悲しいものがあります。同時にこの森の役割も明らかに。
そして最後はやはりとんでもない展開になり、第2部へ。
ここで特筆すべきはやはり魔王の萌えっぷり。なんだこのツンデレみたいなの。
いや、かぼにちょっとひどい(性的なものではなく)仕打ちもするのですが、やばいニヤニヤが止まらない。
ペンダントのシーンは最高ですね。こっちにはバレバレなのに嘘をつく魔王に萌えた。
ホッケが絡むシーンもニヤニヤニヤニヤ……最高に気持ち悪いな、私。
他にはアレクのエピソードはこのゲームのテーマにふさわしいものではないでしょうか。
理想と現実のギャップ。自分と他者が求めるものの違い。前者はとある人物にも関わることですが、世の中ってそんなもの。
好きなことだけやって生きていければそれに越したことはないでしょうが、そんな人はおそらく一握り。
だけど、それでも妥協してやっていくしかないんですよね。
第2部
とある人物の過去。素直になれなかったある少女のお話。
これに限らず、他人も同然だった人たちがだんだん家族になっていく描写は好きです。
若干心境の変化が唐突(早すぎる)ように感じましたが、それでも中盤というよりとあるシーンまで本当に良かったです。
面白さは1部には劣りますが、お母さんと本当の家族になるシーンは家族ネタ大好きなんでグッときます。
あとここで第1部でなぜ彼女がアレクに激怒したのか自分なりに理解できました。きっと思い出があったからなんですよね。
で、その後は…うわぁぁぁぁぁぁ!!もう…止めて…ってくらいひどい。
事の発端となった事件のときに入る演出がうまいだけに、余計に胃が痛くなります。あの手書き風の文字はよく考えついたなと。
ひどいシーンが多く、クリックが自然と早くなりました。もうね…見たくないんですよ。
その後どうなるか、ここのゲームやってるとなんとなくわかるんですよ。
「あぁ…きっとこいつらは○○するんだろうなぁ」と。
そして最悪の結末へ…。なるほど~あのシーンはここで関係していたのか。
この展開は面白い…というわけではなく、爽快でもあり、悲しくもあり…複雑。
少し前に話題になったあるフリーゲームの第1章のような展開。あっちは爽快だったのに、なんでだろ気分がすごく重い。
この話で際立ったのは、無関係の人間達のひどさ。
これはさくパンの2部のマスコミのところでも思いました。
○○が○○した後のシーンで、悪役たちに抱いたのとはまた別の嫌悪感を抱きました。
まぁこんなときにこんな行動を起こす人間の屑みたいな奴らは、さすがにゲームの中だけですよね?そうですよね?
そうであって欲しいものです。
気になったのはこの第2部そのものが必要あったか?ということ。
単体で見れば面白いのですが、別に主人公と過去に関わっているわけでもないし。
あのキャラとあのキャラの関係や60Lのあの展開のためだけに入れたのだとしたら、ちょっと彼女がかわいそうですね。
どうでもいいことですが2部のとあるシーン、ここであるエロゲタイトルが頭にチラついて鬱になればいのかどうすればいいのかよくわからなくなりました。
60L
タイトルの由来はパッチ適用後の補足でわかります。すぐにでも知りたい人は手元を見てください。何がありますか?
それをじっくり見てみましょう。
最後の話。2部で彼女が願ったことが明らかになります。
何と言うか…悲しい。その前の彼女のセリフもただただ悲しい。
大好きな人と一緒にいたい、そんなごく普通でありきたりな夢ももう叶うことはない…それだけに謝罪シーンは不必要だった思うのですよ。
まぁ彼女がしたことは許されることではない、とはわかってはいるのですが。
本当にこの作者さんは心から憎いと思えるキャラ作りが上手い。
上手すぎて、腸が煮えくりかえりっぱなしでした。(作者さんではなくキャラにですよ)
で、ここでハッピーEDと思いきや…こらきっついわー。
いやーなんというか、身に覚えがあって痛いです。私の古傷が抉られました。
私の場合将来の夢ではありませんでしたが…私も一時期こんな風に考えていた時期がありましてね…。
テストの点だけで優越感に浸って友達見下して…本当にバカ。
幸いなことに、ここまではひどくなく今でもその子とは長期休業中に一緒に遊ぶような仲ですが。
今でもあの時態度に出てやしなかったかと罪悪感に陥ることがあります。
ま、私のことは置いておいて…彼女のような経験をしたことがある人は結構いるのではないでしょうか?
多分経験者にはここら辺のシーンは痛いです。私みたいに古傷が抉られるかもしれません。
ただ、最後は前向きになれる終わり方でよかったです。
魔王との会話もそうですが、何よりかぼのモノローグが個人的には一番好きな部分。
エピローグも完璧なハッピーEDではないけれど希望のある終わり方でした。
気になったことはちょっとあるキャラの設定が、意外というか新しすぎるだろそれとか…なんかそんなことを思いました。
全体的に見ると「夢をあきらめた人へ」というのがテーマなら、もう少しキナナキノ森を中心に書いてほしかったです。
これはこれで面白かったのですが、キナナキノ森の住人たちが部外者のかぼとの交流を通じて、前向きに生きていく…そんなストーリーも読んでみたかったなぁと。
それと伏線だと思っていたもの(序盤のイシマツの「キナナキノ森から出ていけ」というセリフ、魔王の金の出所、かぼがネットで見ていたものなど)
が割ととあっさりした説明で済まされてしまい、拍子抜けしました。もうちょっと捻って欲しかったな。
ただキャラの言動にさりげなく伏線を混ぜてくるのは上手い。
終わってからその意味に気付き、思わずやり直してしまいました。
そして再プレイしてしまうような魅力もあります。
まぁグダグダ言っておりますが、結局はとても面白かったので、一部もったいないところがあって残念だなぁと。
補足について
特に気に入ったエピソードについて。「知りたくなかった事実」はネタばれ無しには書けないので後ほど。
キナナキノ森
仕事一筋だった男に最後まで残ったものは金だけだった。
夢を無くした男の話。キナナキノ森の由来についての話。
ありきたりといえばありきたりな話ですが、彼女と対比させるという点では必要な話ですね。
それと彼女の最後のセリフは何かくるものがありました。たぶん周りを見る余裕をもってということが伝えたかったのだろうなぁ。
ただ、キナナキノ森の由来はもっと捻って欲しかったかもと。
というか彼がそんな風に考えているなら、あの行為はちょっとまずいと思うのですよ。
ぼく、プリン
動物好きは軽く鬱になります。
脈あり?
「わ!わ!人妻すげぇぇ!!!」
「わ!じーさんが義理の嫁をぉ!魔王様の趣味やべぇぇぇぇ!」
「おおおおお!未亡人すげぇぇお坊さんがんばって……ぎゃ!!魔王様!すみまうぎゃあああ」
「この戯け!ワシのファイル勝手に見おってえ!!!!!」
この会話が全て。ここで私はこれは乙女ゲームではないと確信しました。
カレハヤスミニイッタ
その後の話。前魔王と現魔王の緩い会話。
中学生みたいな会話です。お前ら本当に魔王なのかと。
本編での感動がぶち壊し、だけどそれでもいいやって思えました。
こんぺいとう食いてぇなぁおい
一言だけ。魔王様は良ヒロイン。
つながらない関係
ver1.05からの追加シナリオ。
こんぺいとうからの続きで、あづさと通行停止の話。
通行停止の本性が垣間見れます。あづさに振り回される通行停止が微笑ましいですねぇ。
個人的にあづさと通行停止はベストカップルと言うよりもベストコンビでいて欲しい。
キャラ
致命的なネタばれしない程度に各キャラの感想と心の残ったセリフを。
かぼ
主人公。ここの主人公は変な名前が多いですね。
ヒロインなのにヒロインっぽくないのがよかったです。おかげで甘々な展開になりませんでしたから。
たぶん彼女がゲーム中で最も成長したキャラなのではないかと。
あとここのゲームにしては○されたり悲惨な目に余り合わなかったですね。
どっちかというと彼女の方が貧乏くじを引いたという印象が…。
何はともあれほかのキャラが魅力的に見えたのはかぼのおかげ。
そして一番頑張ったのもかぼ。最後には主人公らしいところを見せてくれました。
「……………プロじゃないから…………わかんないや」
「ばーちゃんを大切にしない奴は、紅白歌合戦の小林幸子にでも食われちまえ」
「女は顔でも胸でもない……腹なんです!!」(なぜかこのシーンで保存してあった)
「………………私より才能あるくせに」
魔王
ホッケが大好き。「未亡人、肉欲淫乱葬式」も好き。
とあるシーンでいきなりかまいたちの夜チックなシーンになったのに笑いました。
音楽までそっくりだ…。いいのかな?
最初は鬼畜キャラかと思いましたが、後半に行くにつれて萌えキャラ化。
かぼと魔王のやり取りは孫とじーさんを見ているようで非常に面白かったです。
後半でもかぼを叩いたりしますが、それが不愉快にならなかったのはやはりかぼのおかげなんでしょうねぇ。
暴力系ツンデレも良主人公ならば良キャラに成りえるのか、とどうでもいいことを思いました。
個人的に結構好きなキャラですが、ちょっと補足で好感度が下がりました。
いや、あれは良くないよ。
「かぼ、金はえぇぞ?赤という不都合な色を隠すには大量の白をブチ撒けばえぇだけの事じゃからのぉ」
「おはぎは嫌いじゃ、他をあたれ」
イシマツ
サバイバル兄貴。ま、麻呂……人違いですよねー。
あ、ちなみに私上でさんざん魔王様ーと言っておいて、実はイシマツさんが一番好きなキャラだったりします。
登場回数は少ないのに、おいしいとこだけ掻っ攫っていったキャラ。
そして印象にも残っています。
ところで彼は不人気投票で最下位(0票)だったわけですが、それは印象が薄いから?それとも本当に嫌う人がいなかったから?
後者であって欲しいものです。
「キナナキノ森から、すぐに出ていけ」
「大丈夫、俺は死なないさ。それに滅多にない出来事だからな。人生何事も経験だ!」
あづさ
いいツンデレ。キツイこと言っている割に不快に感じなかったのは、かぼのおかげでもあるかも。
最初の方でかぼにツンツンしているときに、小姑のようになるシーンで一気に好きになりました。
いやーこういうツンデレはいいですね。やはりツンデレは良主人公がいてこそ光るものだと思います。
かぼとあづさとアレクのやり取りは欲を言えばもっと見ていたかった。
というか、あづさが一番幸せになるべき人間のはず…。
「あたし…絶対無理なことを成し遂げたの」
「あの時は、あぁするしかなかった。ダメ元での判断だったの」
「あんたとあたしとじゃ事情は違うけど……人の意見に左右されないで、逆らうのも人生じゃない?」
アレク
理想と現実のギャップというものを一番表しているキャラ。
最初は目が死んでると思いましたが、あれもそういう事情があったからなのかなと勝手に解釈。
辛いを思いをして、やっと何とかなりそうになった矢先にあの仕打ち。だけど、最後は前向きになれたのかな。
彼女のその後の話も読んでみたい。
「描きたかったものと、描きたくなかったものと描かなきゃいけないものが、なんなのか……未だにわからないの」
「私は絵を描く事しかないの。それ以外のことが全くできないから」
リコロ
まさかこれが本名だとは。
彼の過去も相当悲惨です。微妙にリアルなところがまた…。
彼にはあのシーンで嫌悪感を抱く人もいると思います。
でも似たような経験(後に通行停止に語ったリコロの本音のところ)があるので、私は嫌いになれませんでした。
「僕にはそれしかないんだ。長年友達のいなかった僕にとって、まおー君もつーこー君も大事な存在なんだ。
幼少のころからなかったものをこの年で、ようやく見つけたんだ」
「君の頭の中、おからでできてるんじゃないの?」
しいたけ
たぶんあのシーンを過去の回想から書かれていたら、号泣していたと思います。
じーちゃん・ばーちゃんネタはそれだけで高得点を付けてしまいたくなるほど、私には破壊力抜群なので。
ここのゲームは毎回これが入るので、涙腺がおかしくなります。
特に望遠鏡のくだりは後でその意味に気付いて…。
「仮に良作ゲーがあっても、大抵、続編で転ぶからな。それもくっだんねぇ要素入れ込んで」
「…あのばばぁ死んでくれて、別にいいけど俺の誕生日に望遠鏡くれたから。一応最低限の礼ってやつ?まだ、言ってねぇんだよ」
通行停止
忠犬ハチ公という印象しか残ってないです。
ただ、とあるシーンの後少しニヤニヤしました。
○○○に書いてあることが本当ならつまり通行停止は○○○に○していたってことですよね?
「彼女のそばにいるのは、俺じゃなくてもいいんだ」
ダイさん
最初イシマツさんかと思った…。頼れる兄貴2
最初は胡散臭いと思いましたが、実は結構いいキャラでした。何気にかっこいいセリフが多いです。
「あのな?事情がどうあれ、男が女に対してヒステリックになるってのはよ、見るのは勿論、見せられるのも嫌なんだよな。
どうせなら女を喜ばせる方が得策だぜ?おしゃれなパスタに着飾ったスイーツ!流行の映画のチケット。それから洒落たバーで酔わせちまえば」
「みっともねぇってんだよ。女にそんな態度じゃ嫌われる以前の問題だぜ。あんたはそれほど、やっちゃいけない事を、
この俺の目の前で、やっちまったんだからな」
生徒会のメンバー
皆個性的でいいですね。2部だけの登場が残念。
個人的に女キャラは結構テーマに沿ったものがあるのに対し、男キャラはいまいちだったなという印象。
特にリコロは掘り下げれば、テーマにふさわしい人物になったのではないでしょうか。
まとめ
キャラクター・ストーリー・音楽どれをとっても文句なし…なのに何故か物足りなさも。
いや、物足りないって言うよりはもっとこの雰囲気に浸っていたかったというのが正しいのかもしれませんね。
点数は90点付けようか迷いましたが、ちょっと納得のいかない部分があったのと物足りなさで88点ということで。
ボリューム倍にしたリメイク版がもし出るのなら、私はたとえシェアでも買います。というかぜひ作って欲しい。
最後に、ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございました。
内容が薄いくせに無駄に長くなってしまって申し訳ないです。
以下、納得がいかなかったこと(話の核心に触れるネタばれあり)
と、その前に…
裏キャラ感想を。上でこいつらの感想書くときに胃が痛みました。
松尾
騙されたぜコンチクショー!!
さすが不人気投票第1位。、その称号は伊達じゃねぇや。
あのセリフでカッコいい!!と思っていた私がバカじゃないか。
本当にどうしようもねぇやつ。でもこういう奴の方が世渡り上手なんですよね。
正直者がバカを見る世の中って本当に嫌ですよねー。
個人的にあそこであづさにスパッと殺されるよりも、ネチネチと痛めつけてほしかった。
茜
実を言うと、松尾よりも私はこいつの方が嫌い。
最初、なんで不人気投票第2位なのかなー?ブリっ子ぽいから??と思っていたらそんな生易しいものじゃ無かったよ。こら嫌われるわー。
中途半端にリアルでいそうなキャラ造詣が、また…。
というか、いたんですよね。実際こういう子が私の周りに…。思い出したくもないですが。
私情が少し入っていますが、客観的に見ても最悪な女だと思います。
でも、こういう人間の方が松尾と同じく世渡り上手なんですよね。はぁ…。
つーかさ、誰か止めろよな。
益原は常識人だと思ったのに、あそこで止めなかったということは益原も同じような種族だったということか。
ほとんどの人間があづさに殺されそうになっても自分たちのしたことに気づかないなんて、おめでてーな。
以上、毒吐き終了。
今、キャラ別感想でこいつらの感想が最後になっていたことに気付きました。
無意識の内に後回しにしていたのかもしれませんね。
納得のいかなかったこと
知りたくなかった事実を見るに、つまり魔王の契約違反はかぼの初めてを奪ったから…なのでしょうね。
しかもかぼが寝ているうちに…。
あの未使用?のCGから見てもそれは間違いないでしょう。
本当に知りたく無かったよ、こんなこと。
契約できるのは魔王が恋した人だけ。魔王はまだキナのことを心のどこかで愛しているから、契約違反になった…とかさぁ。
どうせならそんな嘘臭くても綺麗な方がよかったよ。亡くなった人をずっと愛し続けるなんてこと、難しいことはわかっているけど。
かぼと魔王は個人的にはプラトニックな関係でいてほしかった。
途中からじーさんと孫を見るような目で見ていたので、複雑な気持ちになりました。
それにしてもヒロインが34歳は新しすぎるだろ、おい!!と。
服装から、てっきり女子高生かと思っていたよ…。
34にしては若く見えるのですが。
うーん…かぼの年齢を考えるとじーさんと孫では無理があるかなぁ?
物足りなさの原因
再プレイしてみて、私の感じた物足りなさの原因が何となくわかりました。
それはさくパンと比べすぎていたということ。
当然ですよね、あっちは4部構成ですもん。そら物足りなさも感じるわ。
キャラの掘り下げが足りないと感じたのも、あっちが第4部で登場するキャラほとんどの視点での話を入れてきたからなんですよね。
(つまりキャラの掘り下げを向こうはし過ぎていた。)
今回は複数視点での話を入れる代わりに「補足」という手段を使いましたが、先にさくパンをやっていた私には物足りなく感じたのでしょう。
じゃあキナナキも複数視点にすればよかったんじゃない?と問われると、そうでもないんですよねぇ。
あれは登場人物のほとんどに過去に強い繋がりがあったからこそ生きてきたわけで、
今回のような間接的な繋がりしかない場合はただ長いだけになると思います。
無い知恵絞ってどうすれば物足りなさが解消されたのかを考えましたが、結論はグダグダになってしまいました。
中途半端で申し訳ありませんが、ここら辺でやめておきます。
(2009/06/07 追記)
かぼの年齢について
最初の方で新し過ぎるだろ!!とツッコミましたが、かぼの年齢はただ奇を衒ったわけではないと思います。
例えば、かぼが女子高生だった場合。
「挫折した」と言われても、私はまだ先があるじゃんとしか思いません。
高校生にはまだ未来があります。挫折してもやり直せるだけの時間は十分にあります。
では、34歳だったら…?
やり直すのって難しいですよね。
私が高校時代に通っていた塾には、娘と同じ塾に通い、息子のような先生(大学生)に勉強を教えてもらい医学部を目指していたお母様がいましたが、それは普通の人には難しいでしょう。
(余談ですが、そのお母様は医学部に合格されたようです。すごい!)
ここまで来たからには、もうやり直せない…だけど。
だからこそアレクに対しての「夢をあきらめちゃ駄目」にはかぼの切実な思いが詰まっていたし、「夢」という言葉の重みも感じました。
なので、かぼの34歳という設定もストーリー上必要だったのかな?と考えましたが…実際どうなんでしょう?