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isumiさんのさくっとパンダ ~鬼蛇~の長文感想

ユーザー
isumi
ゲーム
さくっとパンダ ~鬼蛇~
ブランド
禁飼育
得点
90
参照数
2554

一言コメント

本っ当に最低最悪なゲーム!!(点数は1~4部までの総合得点です)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

だけど最高のゲーム。











フリーゲーム プレイ時間8時間 15推?(個人的には18禁)
GW中に英気を養い、間にクッションとして他のゲームも挟んだ!よっし、いざプレイ!!
…あのー……タイトル画面の時点で、もうすでにへこむんですけど………。

一体誰がいじめっ子に復讐する話からこんな展開になることを予想できたでしょうか?
もう……最高!!
燃えと萌えと泣きと、とにかく色々詰め込んだごった煮ゲーム。
キャラの魅力も半端ない。特に男キャラが最高過ぎる。ヤンルとかヤンルとかヤンルとか…。
色々詰め込んで粗はあるものの、プレイ中には全く気になりませんでした。
個人的には初期のひぐらし並の力があると思います。…言いすぎでしょうか?

ストーリーは1~3がこたつ視点の話だったのに対し、4部はそれぞれの登場人物の視点で話を追って行きます。
バラバラだったピースが徐々に繋がっていく快感はたまりません。意外なキャラ同士の関係とか…。
詳しくは下の感想で述べますが、最後まで本当に飽きずに楽しめました。

点数は1~4部の総合点。95点付けてもいいかなとも思いましたが、やはりテストプレイの人数に対して誤字脱字率が多すぎたのが…。
誤字脱字以外にも粗を探せばいくらでもあります。(ケンちゃん空気とか、タイトルが最後の方まで関わってこないとか、サブタイの鬼蛇がえ??それだけ??ってくらいにしか関わってこないとか、おまけの蛇足が本当に蛇足とか…)
しかしいかにも素人が作った同人臭いゲームではありますが(失礼なこと言ってすいません…)、そこには商業にはない「勢い」が存在しています。
それだけでも私は高得点を送りたい。

最後に
最後の最後には彼女は救われたと、そう勝手に思うくらいいいですよね?

以下、各視点での話についての感想を。
(一応致命的なネタバレはぼかしたつもりです。が、ネタバレ+読み返したら痛い・気持ち悪い表現が入っていました。生温かい目で見てやって下さい)


















































マリア編
お母さん…。本当にこたつは愛されていたんだなぁと。
こたつと彼女が偶然出会うシーン、あそこでマリアが誤解しなければ、もしかしたら皆で笑い合うような幸せな未来もあったのかな…?
それよりも、彼女が事件を起こす前に誤解が生じていなければ…。
そんな風に余計なことを考えたら、自滅しました。…鬱だ。
それにしてもヤンルが最高過ぎる。
「だからさ…その父親の代わり…俺が立候補していいか?」
かっこよすぎるだろ。どうしてこの作者さんは、私のツボにはまる男キャラばっか描くのか?もう最高。
他にも「お団子の国のおひめさまー」「おひげのくにのおうさまー」には爆笑させていただきました。

麻呂部編
麻呂部のかっこよさに鼻血が出そうになった。
麻呂部が彼に最後に話しかけるシーンはグッときましたね。いいコンビだったのに…。
麻呂部の一人称が変わるシーンも好きですね~。
私は彼女がそんなに好きではありませんが、麻呂部の回想シーンを見ていると憎み切れない…すっげー複雑。
「そうやって悪あがきをしておれ。だがな忘れるな。貴様にはいずれ天罰が下るぞ」
「天罰は存在する。貴様のしてきた事……そっくりそのまま返ってくることを忘れるな。俺もそうだったんだからな」
このシーンは、BGMの効果も相まってゾクッとしました。
ラストが先生登場シーンで終わるのも麻呂部編が好きな理由の一つ。
そして、ここでとあるキャラと麻呂部の関係が明らかになりますが、正直これは驚いたというよりちょっと…と思ってしまいました。
でも、お気に入りベスト3に入る出来。

白龍編
ここでとあるキャラが一気に嫌いに…。
何と言うか、こいつもあいつも結局は贖罪という名の自己満足のためだよな~と。
それにこいつは○○○を間接的にですが殺したようなもんなんで。
んで、あいつも出てきて私の不快感はMaxに。
正直見るべき点は、白龍と飯島の関係くらいでした。

シャオ編
薬のできた経緯が明らかに。
あの絵は彼が書いたものだったんですね…。非常に鬱な気分にさせていただきました。
ここで私の抱いていた疑問が確信に変わりました。
つまり○○が元××なら、○○もそうなんではないかと。
第3部でもしや…?と思っていたので、当たっていてうれしかったです。
まぁもしかして全員元××??と思っていましたが、そうではなかったようですね。

真穂編
色々あったものの真穂が幸せになってよかったなぁ…。
真穂と虎が仲良くしているシーンは本当に微笑ましいですね。
でも、二人の終わりのことを考えると思わす涙ぐんでしまいました。

三毛猫編
だーかーらー!!ばーちゃん、じーちゃんネタは私には反則なんだって!!もうそれだけで高得点をつけたくなってしまうでしょうが。
と冗談はさておき(まぁ半分本当です)、この話がこたつ編を差し置いて個人的№1!!
ばーちゃんの話はもちろんとして、ここでもヤンルが最高過ぎる。
ギャグはもちろんのこと、グッとくるセりフ・シーンが多かったです。
「今度こそ大事にしたいんだよ」
この短いセリフに詰まったたくさん思いを想像してちょっとウルッときたかと思えば、
「な…!なんだとぉ!!俺はな。自慢だが、料理苦手ドジっ子属性のヤンルなんだよ」
このシーンで爆笑し、もしかして私って情緒不安定なんじゃ…と思いました。
で、それ以降はあいつにムカつきながらも普通に進めていたんですが…ついに来てしまいましたね、この日が。
いやーまさか麻呂部と三毛の関係がここでつながるとは…。
鬱展開になることは分かっているんですが、それでもその後も話は面白いです。
マイセロのポーズをするヤンル…CGで欲しかったと思うのは私だけ?
やっぱ面白いんです。…それでも、その後ヤンルがどうなるか想像ついていたので、面白ければ面白いほど胸がグッと締め付けられ、アパートの住人達とのやり取りは笑いながら号泣するという、傍から見ても気持ち悪い状態になりました。
ちなみに、ここで鼻のかみ過ぎで本当に鼻血が出ました。
実は今でもここら辺のシーンを思い出すとボロボロ泣けてきます。もう病気だ…。
えっと、三毛編ラストは思い出したくないので、割愛します。思い出すと、胸が締め付けられるんです…。
「俺の自慢の…倅だ!!」→ドアのノック→「ん?誰だ?」
は死亡フラグっぽかったので、開けちゃダメー!!と思いましたが…案の定…。
とりあえずあいつは死ね。死んでしまえ。天罰が下ってしまえ。
ゲームキャラに本気で殺意を抱いたのはこれが初めてです。

コゼ編
正直、三毛編がものすごい印象に残ったのでその次のコゼ編は微妙かも、と思っていましたがそんな事ありませんでした。
まさかコゼがねぇ…。
何と言うか、ラストは絶対に救われないんだろうなぁ…と想像がついてしまいましたね…。
彼女関連のシーンにはウルッときました。
あいつは死んでほしいほど憎いけど、やっぱり彼女はそこまで嫌いになれません。
コゼ編最後の方の
「どこいくの……?」
「…………」
「…知るかよ……そんなの」
「じゃあ…いたら……?」
このシーンも印象に残っています。
…ところで花暴虎先生はいったい何者なんでしょう?

九龍編
ストーリー云々は置いといて…。まず保健所に連れて行かれた犬が、こんなことを思っているのかもと思うと非常にへこみますね…。
動物の命を助ける人がいる一方で、動物の命を奪う人がいる。(仕事なのでしょうがないのでしょうが…)そう思うとやってられないです。
実際の保健所の人にはこのゲームに出てくるような糞がいないと信じたいです…。
ストーリーは…まぁ…何と言いますか、不覚にも少し同情してしまいました。
うん…死んで欲しいほど憎いのは変わりないんですが…あー…すっげ複雑。
飯島はマリア編ではどうでもいいキャラでしたが、最後はちょっぴり好きになりました。
あんな形ではあったけれど、それでもマリアのことを考えていたのかなぁ…?
もし、彼女があそこで誤解しなければ…マリアとまともな結末が…(そして余計なことを考えて、また鬱に…)

こたつ編
今までの集大成。
こたつと仲間の共同生活は、いずれ終わるとわかっていながらももっと見ていたいと思えました。
どのキャラにも見せ場があり、どのキャラにも愛着がわいてきます。(悪役以外)
粗はあると思いますが、ぐいぐい引き込まれ最後まで一気に読み進めました。
もうね、最後の方に名シーンが多すぎ。
「じゃあお前のいるその場所がスタート地点だ」
「ここに俺はいない。俺は皆と一緒に逃げて外でお前の帰りを待っている。それでいいだろ?」
から
ただ欲を言えるなら、もう少しだけ……生きたかった。
のコンボは反則。
ただ、こたつをかばってあいつが死ぬシーンはちょいチープでしたね。容易に想像できましたもん。
EDは、もしかしてラヴィッツED??電車のシーンものすごく綺麗ですね。
仲間はバラバラになってしまいましたが、それでもEDは少し救われた気がしました。
ハッピーEDではないですがね。見ようによっては鬱EDにも取れます。それでも救われたと、勝手に信じるくらいかまいませんよね?
それにしてもこのゲーム、最後の最後はご都合主義で終わらないのがいいですね。
○○が特効薬で助かることもなく、お母さんもケンちゃんもヤンルも帰ってこない…。個人的にはここ、結構評価してます。
奇跡なんて要りませんもの。
○○が助かるなら、お母さん達が帰ってくるなら、未だにこのゲームのとあるシーンを思い出して胃が痛くなったり、涙ぐんだりしてません。
それにここまで印象に残ることもなかったと思います。

おまけの蛇足について
最後まで花暴虎先生の正体が良く分かりませんでした。
それと作者さん自ら続編制作を否定しているのに、続編を匂わすかのような終わり方の話があるってのは…。
あの話から判断すると黒幕はシャオの知り合いの彼…ですよね?
でも彼はあの時死んだはず…。
まぁ若干の不満は残りましたが、餅に再び会えたし何より言い聞かせの

だって私は恋をしたのだ。
素晴らしい恋をした。
…でも悲しかった。
それでもいい。
私は幸せだったから……
だから私は貴方を忘れます。
     
のセリフ→タイトル画面の流れは結構気に入ってます。



ここまで読んで下さった方へ
プレイしてあまり経っていないので、書きたいことが多すぎて整理できず、ごちゃごちゃしたわけのわからない感想になってしまいました。
本当に読みにくくてすいません。
正直まだまだ書き足りませんが、うまく伝えることができません。自分の文章の拙さに腹が立ちます。
でも、ここまでのめり込んだということが少しでも伝われば嬉しいです。

最後に…
ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました!!