兄ゲー改め、鈴ゲー
まずプレイして感じたのは「思ったのとは違う」ということ。
花魁になって親の仇を打つ機会を狙う……なんてシナリオだと思っていたら、結構ほのぼの。
その印象の原因は親の仇持ちであるにもかかわらずあまり蝶子がガツガツしていないんですよね。
みんなで楽しくワイワイしていて突然思い出したように、両親の仇を討たなきゃ!では何しにここにいるんだよと思います。
蝶子の性格も歳相応の普通の女の子といった印象で、もう少し利用出来るものは何でも利用するような強かさが欲しかったところ。
そんなヒロインが鈴や小春など気を許した相手には笑顔を見せる、なんてギャップ萌えが欲しかったです。
全体的にほのぼのしているので緊張感があまりなく、親の仇を取らなきゃーとだらだらしていたらいつの間にか目的達成してましたというのでは正直都合が良すぎます。
自由の身ではないとはいえ、蝶子から何らかのアクションを起こす描写が欲しかったですね。
シナリオ展開も雑で特に蝶子が源三に惹かれる過程は失笑もの。2回目にはもう惚れかけているという……。
さて、リメイクで追加された二人の蝶ルートですがこれにも不満が。
まず全く「二人の蝶」ではない。
たしかに琥珀と蝶子は背格好は似ていますが、サブタイトルにするほどの共通点はありません。
一応蝶子同様仇持ちであることはほのめかされていますが、展開が急でしっかり書いていないのでこのサブタイトルには違和感がありました。
またコミカルな展開が多く本ルートの雰囲気をぶち壊していました。蝶子と一二三の微妙な距離感をコミカルな展開で台無しにするのは許せません。
本ルートでこれを評価していたのに……。
ちなみに追加のエロシーンに関してですが、女の子のあそこは鋳型でも生け簀でもねーよ!とだけ言っておきます。
エグさは本ルートよりも格段にアップしていますが、ここまでやると何も感じません。
でもグラフィックは本ルートよりも綺麗でした。
ただここまで酷評してきましたが、蝶子と一二三の距離感はいいと言えます。
兄を憎んでいるのに憎みきれない……そんな複雑な心情はヒロイン視点ならではと言えるでしょう。
プレイ当初はエロゲー唯一の兄ゲーとなり得るのでは!と期待していました。
この兄妹の歪んだ関係はこれ1本でルートを作って欲しいですね~。
蝶子に執着している割にEDにほとんど関わってこなかったり、都合のいいお助けキャラとかしているのが残念です。
そしてそれをさらに上回るのが鈴の存在。
間違ったありんす言葉とか、口の周りをあんこまみれにしながら団子を頬張る姿とかいちいち可愛すぎる。
蝶子に抱きついたり、トテトテ寄ってきたり思わず頬がゆるみますねぇ。
声、容姿、全てにおいて完璧ですよ。
プレイ当初はこれは兄ゲーだと思っていたのですが、本作は鈴ゲーですね。そう断言できるほど鈴の可愛さは飛び抜けていました。
ロリコンでもそうでなくても一見の価値ありです!
鈴と一二三しか評価していないような感想ですが、こういう舞台設定はなかなか無いので新鮮でなんだかんだ言いつつ楽しめました。
ただいい設定を用いておきながら、蝶子が源三に惚れる過程が適当だったり、仇討ちがあっさりだったり、シナリオがあくまでエロシーンのオマケのようになっているのは勿体ないなと思いした。
そのエロシーンも特殊だったり女性視点なのであまりいいとは思えなかったです。
リメイクはもういいので、ぜひこの設定を使ってもう一本作品を作って欲しいですね。……出来ればエログロは控えめで。