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isumiさんの夢想灯籠の長文感想

ユーザー
isumi
ゲーム
夢想灯籠
ブランド
日本一ソフトウェア
得点
20
参照数
1219

一言コメント

ゲーム全体を通しての最萌シーンが親父の割烹着姿ってのは…色々駄目すぎるだろ……。外面だけを取り繕った駄作。有名ゲームメーカー三社が関わっておきながら、このザマとは……笑うしかない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

注意
かなり酷評しています。

始めに
久遠の絆のようなゲームを期待している人は、絶対買ってはいけません。
私は久遠の絆をやったことはありませんが、評価を聞く限りでは本作はあれとは全くの別物です。
転生というテーマも本作は申し訳程度に入っているだけです。
久遠の絆のファンを釣るために入れただけのように感じました。

ではだらだら書くと愚痴ばっかになるので、項目別に書いていきます。
シナリオの明確な区別が付けづらいので、6月をプロローグ、7月13日までを共通、それ以降を個別らしきものとして書きます。
なぜ個別らしきものか?それはシナリオのところで述べます。

シナリオ
つまらない、ただその一言に尽きます。
そしてうっすい。うっすいにもほどがあるって言うくらい、うっすい。
例えるなら水が目一杯入ったコップに、コーヒー1滴たらしてコーヒーですって言っているくらいうっすい。
結局伝奇にしたかったのか、鬼とのバトル中心にしたかったのかよくわかりません。
展開が唐突すぎ。何で皆灯籠世界を普通に受け入れてるの?もっと疑おうよ……。
構成にも問題あり。プロローグ、共通、個別らしきものの比率が7:2:1くらい。
栄重村と鬼の関係は過去が関わってくるのですが、全てプロローグで語られそれ以降はほったらかし…ふざけんな。
共通パートも淡々としすぎ。ヒロインと絆を深めあうなんてことは一切ありません。
舞ルートなんて祭の準備をしていたらいつの間にか舞ルート、しかもその間主人公と舞が互いを意識するようなシーンは一切無し。
舞ハッピーEDルートなんて、一徹と訓練しているだけで入れます。(これを選ぶと舞なんて一切登場しない、にもかかわらずです)
で、問題の個別らしきもの。なぜ「らしき」をつけたかというと、これ個別というのもおこがましい出来なんです。
そもそも4ヒロイン全員が同じ展開。(まぁ、少しは違うんですが)しかも主人公との恋愛描写一切なし。
これで個別と言えますか?
どのヒロインも展開が一緒なので、一周すれば物語の全貌は見えます。
ちなみにラスボスを倒したら即ED→終了なのでポカーンとなります。主人公とヒロインがくっついたことがわかるのはEDでのCGのみ。
エピローグも何もありません。
他に気になったことは、ラスボスがあっけなさすぎること。
過去編ではあんなに苦戦していたのに、やけにあっさりです。とあるルートでは間抜けな最後を見せてくれます。
何でこんなやつに彼らは苦戦していたんだろう?そう思わずにはいられませんでした。
あと、選択肢次第で人が死ぬシーンがあるんですが、それも「間に合わなくてごめん」などの二言、三言でスルーされているのも気になりました。

テキスト
やたら説明的なのが気になります。
イベントの一つでも入れて、登場人物たちのやりとりで進ませればいいところを、いちいち地の文で説明するのでそう感じました。
たとえばですよ、各務が鷲志のことを呼び捨てにするようになるというエピソードも、CGの一枚でも入れて各務が照れながら「鷲志」と呼ぶ…なんてシーンを作ればいいのですよ。
それをせずにわざわざ説明するので、鬱陶しく感じました。

CG
褒めれるのはこれくらいかな。
パッケージの裏に総CG500枚以上と描いてあったように、豊富です。
立ち絵はなく、ほぼCGで進みます。
ただ…プロローグの時点でCG収集達成率が70%だったので、嫌な予感はしていたのですが、共通にはいると途端に少なくなります。
共通ルートの移動では毎回同じCGでやり取りされるだけで、変化はありません。
これなら立ち絵で進めた方が良かったです。逆に手抜きに感じられます
ほしいなーと思うところにCGがなく、黒い背景に文章だけってのも……。
まぁかゆいところに手が届かないってところでしょうか。
クオリティは…悪くはないと思うんですが、若干横向きの時の顎が気になりました。
ちなみに総CGは600枚ですが、これは背景と差分を含んだ枚数です。それでも多いことに変わりはありませんが。やっぱり何か手抜きに感じられるんですよねぇ…。

音楽
特に印象なし。音楽鑑賞でそれぞれについてコメントがあったのは少しうれしかったです。
歌は2曲。どちらも榊原ゆいさんが歌っていますが、あまり印象に残っていません。
歌目当てに買うってのも、よほどファンじゃない限りお勧めできません。


本作に声はありませんが、あったならシナリオのつまらなさが多少はカバーできたのではないかと思います。

カードバトル
ぶっちゃけ必要性あったの??と聞きたい。
最初は楽しかったですが、だんだん面倒になってきます。
スキップ機能があったのが救い。

キャラ
これが一番の問題点。ヒロインに魅力がありません。記号です。
どっちかというと脇役の一徹や大護郎の方が魅力があります。
別にいいんですよ。シナリオさえしっかりしていたら、ヒロインなんて。
料理にたとえるならシナリオが肉であったなら、ヒロインがパセリでも文句は言いません。
ただ本作に関してはシナリオが水、ヒロインがパセリなのでとうてい満足できません。
各キャラの横のつながりがほぼ皆無なのも気になるところです。
ネタばれしないように各キャラの感想を書きますと


幼なじみで巫女。男二人に女一人の幼なじみといえば展開は決まっています。そう、あれです。
主人公に好意を寄せていると説明にはありましたが、いまいち伝わらず。
まぁ最近主流の暴力系ツンデレ幼なじみではなかっただけいいです。
私あれ嫌いですから。親しき仲にも礼儀あり。

各務
ゲームやる前には本命でした。パケ絵の各務に惹かれて購入したので…。
黒髪、赤目、着物……最高ですね。
ただ彼女を選ぶということは、ある意味NTRなのでそこら辺はどうするのかと思いましたが、あっさりスルー……えー?
ちなみに私の属性にドンピシャでしたが、シナリオがあれのせいでいまいちでした。

巴・灯
とりあえず「お兄ちゃん」と呼ばせておけばいいと思うなよ。
個人的にはお兄ちゃんと呼ばれるまでの過程も大事だと思うのですよ。
どうでもいいことですが、私はおとなしい妹が「兄貴」というのに萌えます。少数派ですか?少数派でしょうね。
巴は人を見下していると説明にありましたがそんな描写一切なかったです。
個人的にツンツンしている子がべったり懐くのって、非常に萌なんですが。
ちなみに彼女たちにはある秘密が有りまして。
たとえるならロリッ子が脱いだらマッチョだった…みたいな衝撃を受けました。

真琴
とくになし

隼人
とあるルート以外空気。
割と重要なキャラなのに…。

一徹・大護郎
彼らがいなければ、多分点数もっと低くつけてました。

将一
かわいそうなキャラ。
正直彼が主人公ならもう少しまともになったのではないかと思う。

鷲志
主人公。鈍感もここまで来ると病気だと思う。
個別ルートに入ったのにもかかわらず、「俺はヒロインのことは大事だけど、まだそれがなんなのか…云々」は馬鹿だろ。

坂上田村麻呂
痛い、痛い、痛い……。
とあるシーンは「赤線街道」序盤の主人公を彷彿させる痛さでした。


まとめ
全体的に中途半端な作品。
どれも中途半端になるくらいなら、せめてヒロインとの恋愛はきちんと書いてほしかったです。
正直これ買わずに、もう一つ買おうか迷っていた方を買えばよかった。
よかったのは早めに売ったので割と高く買い取ってもらえたこと、それくらいしかありません。
売ったお金で買ったゲームが同じメーカーのものと後から気づいて、何だかな~と言う気にはなりましたがね…。
点数は全てCGの分。シナリオになんて1点もくれてやる価値なんてありません。
はっきり言います。ゴミゲーです。買う価値ありません。久々にプレイしていてあちゃーと思いました。

最後に
ストーリーにかかわってくるかと思っていた祭があっさりスルーされていてびっくり。


以下、各ルートのプレイメモ


































各務トゥルー
何故か舞を狙っていたはずが、こっちに。どうやら舞の練習では各務ルートに入る模様。
展開が意味不明。
きっと全員で各務を取り戻せ!!的な燃えを意図したのだろうが、いかんせん燃えない。
唯一の盛り上がりは、一徹と大護郎のシーンってのは…。
そしてようわからんうちに、将一の裏切り…ついていけない。
何?この茶番劇??
というか、この期に及んで主人公「各務と舞どっちも選べないって」…ばっかじゃねーの?
ラスボスしょぼい…何こいつ?
そしていきなり地蔵菩薩登場。……え?
転生ネタが思い出したかのように出てきて萎える。なーんかちゃっちい感動。

ED
何であんたもう転生してるの?
あれ、流のことはもういいの??
で?隼人はどうなった?

各務ハッピー
流とのシーンをトゥルーにも入れなよ。
こっちの方が大団円な気がする。


舞トゥルー
祭の準備をしていただけで、舞ルート。何じゃそれ。
展開が舞と各務のポジションが変わっただけでほぼ一緒なので、つまらない。
スキップができずイライライラ…。
灯が舞が居ないとさみしいというが、そもそも交流シーンがないのでえ??となる。
また奴の裏切り…もういいよ。飽きたよ。
だからさぁ…この期に及んで「舞が大事だけど…」は馬鹿だろ。
ラスボス戦…茶番劇。
ラストは泣くところなんだろうなー…泣けないけど。
大体「各務はいなくなっても、舞の中で生き続ける」って台詞は薄ら寒い。

ED
だからさぁ、隼人はどうなったのさ?
てっきり彼が鬼と手を組むと思ったのに。
はいはい、ラブラブっすね。

舞ハッピー
各務と一緒



や…やっと隼人が絡んだ。
ラスボスの最後…しょぼっ!!
真ボス戦もお粗末。結局隼人は何がしたかったん??

ED
巴はどこだ!?灯はいいから巴を出せ。


真琴
やっと入れたよ…まさかあの選択肢で引っかかっていたとは。
このルートも隼人が絡む。いっそのこと全ルート絡めれば良かったんじゃない?
そして取って付けたような恋愛描写……あんたらいつからできてたの??
真琴は空気。

ED
特になし


ゲームやりながら書いていたプレイメモをほぼ丸写ししました。
見にくくてすいません。