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isumiさんの-atled- 第三部の長文感想

ユーザー
isumi
ゲーム
-atled- 第三部
ブランド
-atled-制作委員会
得点
60
参照数
1156

一言コメント

「いい話」ではある。ラストも綺麗にまとまっており、感動できる要素もある。正直雑誌の付録というレベルではない。文句ない出来。…なのになんで終わった後こんなにモヤモヤするんだろう。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

注意
結構言いたい放題言っています。










高評価の中申し訳ないですが、私としては若干期待はずれでした。
2部からどう持ってくるんだろうと期待していましたが、序盤のとあるシーンで呆然。
うん、しょうがないとは思うよ。だって未来が決まっているんだから。
でも私には展開に困ったから、あの人をそんな扱いにしたとしか見えなかったです。
序盤から後味の悪さが残りました。

演出、歌、キャラは申し分ない出来。
これらがストーリーを助けているという部分もあります。
挿入歌は今回特に印象に残りませんでしたが、結構いいと思います。
演出面は…すごいですね。特に百日紅の花びらが舞うシーンは素直にすげーと思いました。
キャラもいい人が多いですね。特に希は私が今まであおばに感じていた違和感を、終盤で代弁してくれてすっきりしました。
それだけに…やっぱりあのキャラの使い方はまずかったなぁと。

さて、肝心のストーリーは…悪くは無いんですよ…。
ただ私の求めていたものとは違っただけです。
でも、ご都合主義過ぎるというか…感動できる要素はそれなりにありますが。
EDは3つあるのですが、どれも終盤の希とあおばの会話を台無しにするかのような終わり方で、あれー?でした。
特に希が言っていたセリフで印象に残ったものがあるんですが、EDを迎えるとあれー?
つーか○○の○○がなかったことになってるのはどうよ?
逢瑠の麻智いじめの原因もどうよ?そして解決法もどうよ?なんだよそれ…。
何と言うか、いろんなものを詰め込み過ぎた感が…。

終わった後のモヤモヤ感はありますが、一定の水準は超えているのでこの点数にしておきます。
やはり序盤のあれが最後まで引っ掛かってしまいました。
総合評価は音楽、グラフィックを考慮してギリギリ良作の70点で。
音楽やCGなど高レベルでまとまってはいるのですが、まとまりが良過ぎるというか…。
音楽も良作ぞろいなのにプレイ後何も残りませんね。
プレイ後数ヶ月経ったら、あーそんなゲームもあったっけ……となってしまうような作品でした。

散々持ち上げておいて最後に手のひらを返したような感想になってしまいましたが、それだけ期待していたということをご理解ください。
ホント2部からどうまとめてくるか期待してたんですけどね。
でも結局のところ、私がご都合主義や完全なハッピーEDがあまり好きではなかったせいなんだと思います。


以下、愚痴みたいなもの(ネタばれあり)




































てっきり逢瑠と麻智の仲違いは被害者が逆転していると思ってました。
あと麻智は表面上はあおばの友達としていると思っていました。
つまり「麻智はウチが守ってあげなきゃ」とか思っているあおばに、麻智は嫌気がさしている。で、その腹いせに逢瑠を陰でいじめていると。
…麻智ごめん。

でも逢瑠が麻智をいじめていた理由そんなことだったとは。
それって麻智関係なくね??と思ったんですが。
だって悪いのは麻智の祖父であって、麻智は悪くないですから。

最後に
私が期待したのは、あおばが母親とのささやかな思い出を胸に秘めて強く生きていく…そんなラストでした。
少なくともこんなものは望んでいませんでした。