キャラクターが魅力的なメモオフの4作目
8作あるメモオフ本編の中でも、1, 2を争うくらい好きなナンバリングになった。
本作は主人公が彼女から突然フラれるところから物語が始まり、周囲の勧めもあってそのフッた彼女に真意を問い詰めては距離を離され、いざ別の拠り所を見つけたと思ったら苦難に遭う……全体的に暗めの話。
彼女と付き合っていたころの回想がたびたび挟まるが、お互い愛し合っていたことが伝わってくるから、その日々がもう手に届かないものになってしまった事実が胸を苦しめる。
だからこそ、その苦しみを乗り越えて辿り着いた各ヒロインのHappyEndには多幸感がある。
そんな中で主人公は、辛いときには感情を隠さなかったり、惨めでもいいから居場所にすがったり、悪いことをしたら後悔するし、人間らしさがあって好感が持てる。特にカフェ編の主人公は青臭くてしょうがない。心理描写が丁寧だったから、ウジウジしてるところがあっても納得できる。
ヒロインにも魅力がある。個人的にいのり・雅が主。
いのりは、True√で暴かれる真相にインパクトが無かったり、展開が予測できるような描写があったものの、彼女の主人公へ対する想いの強さ・結末への持っていき方が良かったので好きなヒロイン。正史でも納得のいく出来だった。また、プロローグを読むと√の価値も高まると思う。
雅は、そりゃ好きになっちゃうよって感じの話だった。この√は修羅場もあって心労が重なるが、最後の盛り上がりのピークが非常に感動的で読後感が心地いい。また、彼女のNormalEndはめっちょ切ない。めっちょ。再度HappyEndを読もうって思うくらいに。
そういうわけで、個人的にはメモオフの中だと7, 8と同等以上の評価になった。
陰鬱→ハッピーのカタルシスを感じたい人は是非。