四人の複数原画でありながら、一つの作品として違和感なくまとめ上げた点はホント凄い。
いつも通りの要約メイン、合間に雑感。
ラブリーマイエンジェル彩音ちゃんの部分だけ感想多め。
◆第一章「私が戻ってきたのはね。もう一度、星の音を聞くためだよ」
星奏が覚えている、小学生のことが都合よく改竄されてて笑った。
「よくぼーっと歩いていた國見君がこけてたの、覚えてるよ」
「それ姫野さんだよ」
「え”」
喫茶店Monetto(モネット)のマスター愛美とのやりとりも良い。
「特製ハーブティーを作ってみたんだ。こーちゃん、飲んでみてくれる?」
どこ産のハーブ?→うちの庭産
なんて言う草?→さぁ→さぁ!?
「いや、そんなこと言われても、いやです。飲みません」
「ちぇぇ」
ちぇぇじゃねーよ!何飲まそうとしてるんだコイツ。
新堂にスリーサイズを聞くときの掛け合いが大好き。
「へ……? へ……はぁ!?」
驚きながキレる反応や胸元が凄いと気付いた際の攻撃。
それでいて去り際に言い残す
「88・54・85」
「誰にも言っちゃダメだから」
遠まわしな好意の表現にニヤニヤが止まらない。
ふつうは好きでもない男子に教えない情報だから気付いてもいいだろうに、星奏の方への関心が強いんだろうなと思うと歯がゆい気持ちで一杯。
文芸部の新入部員勧誘の成果。
結果は残念ながら一人だけと凛香先輩へ伝える最中、背中を思いっきり叩かれて
「ばーか」
と言い残し駆けていく彩音。
そして周囲(涼介、志乃、凛香、星奏)からのバカコール
「二人じゃない、國見君」
背中に貼られた『ばか』と書かれた紙。
裏っ返すと彩音の入部届け。
彩音の好意をそのまま表現したかのような行動が、もう最高に可愛くて胸が鷲掴みにされる。
主人公が恋愛小説を書けない理由。
昔、星奏に送ったラブレターの返事をもらえなかったから。
文芸部を残したい理由。
幼い頃訪れた御影ヶ丘学園の文化祭で、星奏と忍び込んだ部屋で交わした約束(本読んだり、ずっとおしゃべりする)が心に残っているから。
主人公が専門コースに進まなかった理由。
星奏に告白してから返事を貰えず、それから小説を完成させることが出来なくなり、この状態で専門コースへ進むのが怖いと思ったから。
彩音が普通科に戻ってきた理由。(建前)
人間関係が上手くいかず服飾科で孤立し、普通科へ逃げてきた。
主人公へのあたりが強かったのは八つ当たり。
◆第二章「君に届くものを書くよ。君を感動させるもの」
ペンネーム、月後修司
タイトル、さよならアルファコロン
県のコンクールに出展→文部大臣賞→映画化→書籍化
彩音の初恋のきっかけ。
合唱コンクールの練習、真面目にやらない空気を正す委員長に避難の声が上がり脱兎。
公園で一人物憂げな彼女を見つけた主人公は謝罪。
翌日、彩音は億劫な気分で教室に入ると……黒板にでかでかと書かれた文字
「がんばるのは恥ずかしいけど、がんばらないのはもっと恥ずかしい」
「青春は恥ずかしい」
合唱の最中、突如大きな声で歌い出し、そのままぶっ倒れる主人公。
主人公らしいやり方と、らしくないやり方、その両方をやる姿が凄くカッコイイと感じた。
新入生歓迎祭で上映する、映画の撮影。
主演女優が来れなくなり、代役として星奏に白羽の矢が。
しかしとんでもない棒読みに、性格の変更を要求される。
「私、そんなに急にはかわれませんし。なんだかんだで、今の自分がそんなに嫌いじゃないから」
「嫌いじゃないから!」
テンパる姿と棒読み演技に笑った。
そして星奏に泣き付かれた彩音が、立候補に名乗り出る、その内心の妄想がこれまた最高。
(ここで國見君が一言。『たしかに新堂なら画面ばえは悪く無いな』とかね……いやいや、私は何を考えている)
しかし現実は、無理と言われて自ら画面ばえは悪くないと切り返す始末。
当然、自分で何を言っていると突っ込まれ、その慌てる姿が可愛いのなんの。
◆第三章「あのね。手紙、気づかないのは。たいへんなことだよ」
(彩音&星奏)
御影浜の卒業アルバムに挟まれた二年前のラブレター。
彩音から送られたそのラブレターが、再開してからぎこちなさの理由を裏付ける。
星奏からの五年前の告白の返事を聞きたくて、彩音へ二年前の返事を返すべく、手紙をそれぞれ書き綴ると、逆の下駄箱に入れてしまい、気まずい三角関係を作り出す。
◆第三章「で、国見君はどっちが大事なの?」
(凛香&ゆい)
NTR(乗っ取られた部室を 取り戻せ 連合)による会長交代選挙。
凛香先輩の対抗馬として出馬するのは、文芸部部長で、桜台の生徒会長だった如月奈津子だった。
◆姫野星奏
恋が叶うおまじない(ラブレター代筆案件1)
『誰かがあなたを思っている』
そんな噂を生み出す、きっかけの一端を担った主人公。
背中に貼り付けられた紙は、噂を耳にした彼女からの…
星奏の急な転校を聞き、彼女がいそうな所を手当たり次第に回る。
思い出の海(二人で見ようとした夜の海は、明け方の海になってしまった)に行き、偶然彼女を見つけ追いかける。
タクシーから空港行きのバスへ乗って遠ざかる星奏に、五年前の手紙じゃ届かなかった想いを直接伝える。
身体は拒絶反応を起こしても、全力で追いかけ力の限り愛を叫ぶ主人公は、そのまま倒れ伏してしまう。
バスから降りた彼女に、再度伝えて気絶。
翌日、星奏からの返事は一日待つことになり、子供が遊んでいる中一人で浸っている所、彩音に声を掛けられる。
二人の進展を聞かれ事の次第を伝えると、手紙の返事を待たされる苦しみについての共有話となるやりとりが良い。
「いい返事がもらえるといいね」
「まぁ、もしいい返事がもらえなかったときはさ……」
「失恋コンビとして、話そうじゃない?」
「だけど、もし成就したら」
「泣くかもね」
「なんつって」
嘘の中に本当の気持ちを零す彩音ちゃん、やっぱり最高だよなぁ。
失恋した二人が恋仲としてくっつく展開でも良い。
だから彩音と…と考えてしまうのは完全な贔屓目か…。
翌日、下駄箱に星奏からの返事の手紙が入っており、晴れて二人は付き合うことになる。
言葉を交わすことなく手を繋ぎ、教室を出るやりとりは、過去の二人と重ね合わせた良い演出だった。
第四章「うん……多分。さっき聞こえた」
妹にするなら誰?→星奏
「じゃぁ、『おにーちゃん』……。なんて……」
びびっと身体に電流のようなものが走る。
それは主人公以上に、読み手の方が衝撃を受けた。
流石本職(←?)
多くの妹キャラを演じてきた、妹の代名詞とも言うべき彼女は、本物よりも本物だった。
やっぱり彼女のお兄ちゃん呼びは、一番似合うというか、しっくりくるなぁ。
休日の初デートは、話題のケーキバイキングのお店。
記念すべき一万人目のお客として海賊の寸劇に参加。
帰り際、昔懐かしの秘密基地を探すが、桜が咲いていたのを思い出す。
翌日の学校を二人でサボり、星奏が見せたかった景色(季節はずれの桜)を二人で堪能。
部室で寝ている星奏に愛を囁くと、起きているのに寝たふりをかます彼女。
「やめ……涼介、キスは、だめだ」
「今は、星奏がいるだろ、やめ……、お前、いつも強引すぎる……」
「お、おい、ちゅぅ……ふまぁ」
「ちょっとそこのおにーさんたち、お待ちなさい!!」
彼女をからかう一人演技に笑った。(ふまぁって何だよ、ふまぁって)
サマーフェスティバルで映研からの共同制作の誘いがかかる。
原作の小説(さよならアルファコロン)を元に映画の短編を作る。
脚本のリライトは断り、作詞をやることになる主人公。
翌日、星奏に誘われ彼女の作業部屋に赴くと、そこは室内プラネタリウムだった。
両親不在で真っ暗闇の室内、服がこすれる音が聞こえて、誘われ文句が
「すごいもの見せてあげるよ」
だから完全にエロいこと想像しちまったよ。(まぁエロあったけどな)
宣伝用ポスターのモデル(浮遊少女)として星奏を撮影。
帰り道、彼女が昔に愛用していたmyPodが盗られてしまったと聞いた主人公は、翌日奪い返すことになる。(クラスメイトの桑畑弟が持っていた)
サマーフェスティバル当日、グロリアスデイズのボーカルが急遽出れなくなり、幻のシックスマン(4人目だけど)にして、裏方で作詞作曲を担っていた星奏が出演。
それから彼女は学校を休み、昔のように転校して居なくなってしまう。
主人公は小説を書く決意をし、さよならアルファコロンを出版した会社(光雲社の藤原さん)へ連絡。
続編となる『それからアルファコロン』が刊行された。
発売記念イベントのサイン会で、二人はすれ違っていく。
◆新堂彩音
彼女への誕生日プレゼント(ラブレター代筆案件2)
主人公監修、星奏執筆のラブレター。
「よく書けてたね」
「私、ラブレターを読んだことがあるから」
「とってもすてきなやつ」
おいっ、それ、おいっと思わず画面に向けてツッコミを入れたくなった。
二年前の手紙を、思春期に訪れる、理解しがたい、一過性の気の迷いと誤魔化す彩音。
それでも誤魔化し続けることの出来ないこの気持ちは、彼を見続けるたびに募っていき、
一杯になって溢れ出した感情が、彼女を突き動かす。
帰宅途中の主人公を追いかけて、今度はしっかり想いが届くよう勇気を出して、言葉で伝えた彩音の告白には胸を射抜かれた。
授業中も、夕暮れの教室で一人残っているときも、ひっそり主人公を見続ける彩音。
御影浜時代もこうしてずっと、ずーっと見続けている姿が想像に駆られ、一途な彼女が愛おしく感じる。
彼女の告白に返事が返せないまま数日が経ち、日直で一緒になったその放課後。
告白の返事を待たされ続ける彩音がつらいのは至極当然のことで、主人公は強制的に帰らされる。
帰り道、星奏に送ったラブレターを突き返され、そのまま学校へと翻り、彩音を探し教室へ。
誰もいない教室を眺め、そのまま黒板に彼女への気持ちを書き出す主人公。
そして開かれる教室のドア。
偶然にも合唱コンクールのときと同じシチュエーションに、白い文字で、でかでかと黒板に描かれた『君が好きだ』
「それ……どういう意味?」
「見ての通り……かな」
「誰に書いたの?」
「あの時と……おなじ」
「君に」
彩音の告白に主人公の返事、そのどちらも凄いの一言。
ここまで印象深く、胸が一杯になる瞬間はそうそうない。
ふと他の作品の告白シーンを思い返してみても、忘れっぽい性格も相まってか、全く頭に思い浮かばないし、このシーン考えた奴は天才か……感動をありがとう。
帰り道は、心のもやもやを晴らした心情と雨上がりの天気を重ね、恋人になって初めのキスという完璧な締め。
第四章「誰よりも、國見君の考えてることしりたいし……答えたいから」
付き合い始めた翌日。
自宅を出るとそこには顔を赤らめた彩音が。
「新堂先輩、顔赤かったけど……なんか、怒らせたな」
あれ?菜子ちゃん鈍い?
休日のデート(携帯ショップ編)
百戦錬磨な携帯ショップの店員さんの巧みな?話術に乗せられて、初めは断固として自分の携帯は買わない姿勢を貫いていた彩音が…
「時代って移り変わるしね。若いんだから、そういうのに投資しておかなければならないのかも。未来に残す、思い出への投資」
「それに、お揃いで持ってるって……やっぱりうれしいし」
「國見君は、うれしい……?」
「はい」
4万円をつぎ込み0円生活を送ることになった彼女。
Monetto(喫茶店)でアルバイトをすることになり、愛美さんの制服を着用するが、残念ながらその姿は見ること叶わず。
いかがわしいお店と言わしめてしまう姿を是非とも見たかった。
主にパツパツになった部分を中心に。
新堂さんが好きだった連合に、主人公は彩音の水着コンテストの参加を頼まれる。
彼女を誘った時の妄想が、現実とほぼ合致する瞬間が何とも喜ばしい。
『國見君にだけ見せるつもりで出るよ』と時間差で送られるメールが良い。
彩音と一緒にお風呂へ。
一線を越えるのはまだ早いと頑なに貞操を守ろうとする彼女。
しかし主人公の巧みな?話術によって……携帯ショップとデジャブるな。
彼女宅へ泊まったのを妹に伏せるべく涼介へ根回し。
にゃんにゃんした会話を聞かれ、菜子に変な誤解を与えたのには笑った。
志乃が海浜公園にある会館のコスプレイベントに参加。
その衣装(まどかのフェロリーナ嬢)を彩音が作る。
浦河、栗山、家元の専攻科の3人からネットの酷評を指摘されるも、志乃本人は周囲の評判はまったく気にしていない。
グロリアスデイズの衣装コンペに応募した彩音は見事採用され、不仲な3人と共同制作にあたるが孤立。
主人公の突き刺さる言葉の刃で、どうにか3人と協力関係を結び、無事に衣装は完成した。
彩音が普通科へ来たのは、主人公と昔の距離感で友達になりたかったから。(本音)
一途に想って起こした行動が気持ち悪いわけがなく、とっても嬉しくて素敵なことだと思う。
修学旅行で妹が自宅におらず、水着コンテストの衣装でにゃんにゃん。
台風で修学旅行が中止となり帰宅した菜子に、水着エプロン姿を見られてのお説教にはほっこりした。
にゃんにゃんが見られてたら、菜子ちゃん完全にグレてたな。
サマーフェスティバルでは、目の保養にうってつけの水着コンテストだけでなく、マジで誰得な男の水着コンテストが開催。
食中毒によってダウンしたグロリアスデイズの代役として、彩音と3人がバンドをすることになる。
観客の不満の声が上がる中、主人公が歌い出し、それに引っ張られるかのように彩音も歌い出す。
それは合唱コンクールの練習と同じ状況で、彼女が彼を好きになった瞬間でもあった。
◆小鞠ゆい
凛香先輩が選挙で破れ、会長は交代。
旧校舎の建て替えと部室棟の新設に伴い、ゆいの大事にしてきた花壇(ゆいの母親が一年生の時に、栽培クラブを設立して作った)は取り壊されることになる。
ゆいの母は三年ほど前に他界。
花壇は墓石のようでもあり、形見でもある。
花壇を守るために署名活動を開始し、休日に署名用紙の作成に取り掛かる。
絵本作家だった母に習って、ゆいらしい花々や小動物で彩られた署名用紙。
花壇の肥料代などを稼ぐ為に、実家のアルバイトも行う。
初日の活動は芳しくない成果で、やり方を見直す必要が出てきて、モネットで作戦会議。
猫の着ぐるみ作戦で女性の心を掴み、モネットの制服で男を魅了し、無事全校生徒の三分の二の署名を集めて提出。
署名活動のお礼で、休日はゆいとデート。
UFOキャッチャーでゆいが奮闘する姿は可愛かった。
(→)「むむむむぅーーー……………!」
(↑)「むむむむむむむむむむむむむむむむむむぅぅぅぅぅぅーーーーーー………………!」
デート翌日、ゆいが風邪引きお見舞いに行く。
ゆいが花壇の手入れ中に膝を怪我した際、主人公が治療し手伝ってくれたのが初めての出会い。
第四章「……先輩。……ありがとうって言ってるみんなの声が聞こえる気がします」
主人公宅でゆいのオナニーを目撃するも、菜子の帰宅と重なり見なかったことに。
休日のデートでキスするカップルを目撃し、感化されて初キス→H。
学校でクラスメイトごっこの会話から、小説を書くきっかけを貰う。
喫茶店の掃除後、ケーキを食べさせ合い→H。
ゆいの母にまつわる場所を巡る。
絵本コーナーで『心の中に咲く花』を購入→ゆいの母のアルバムを見て→思い出の高台(絵本作業の気分転換と風景が好き)に行く。
花壇の取り壊しが決まり、皆に別れを告げる瞬間は、物哀しい気持ちが湧いてくる。
署名してくれた人への報告とお礼の紙を掲示板へ貼り付け、取り壊し前日に花たちの移送作業。
カトリーヌやモナンザなど花に名前をつけているのは、ゆいの母が寂しくないようにとの理由。
花壇は取り壊され、ゆい母の写真の裏にタイムカプセルを植えられた事実を知り、急いで掘り返すと、数枚の写真と手紙が見つかる。
『心の中に咲く花』の絵本と同じ内容がそこには記されており、悲しみから救われるきっかけを与えてくれた。
花壇のアルバム作成後、主人公が書いた『とある少女と花の物語』をゆいへプレゼント。
1年後ゆいは、御影ヶ丘に入学し栽培クラブを設立する。
◆四條凛香
心を開かず抱え込んでいる凛香先輩のこぼした泣き言、超可愛い。
「……泣き言なら、さっきちゃんと言った……」
「ふ……『ふえぇ』って」
愛美さんにアドバイスを賜り、菜子と一緒に凛香先輩のプレゼントを買いに行く。
偶然にも先輩と遭遇し、黒い一面を目の当たりに。
「ちょっとね。如月さんの本を買いに来たの。今度何かされたら本人の前で焼こうかと思って」
先輩が帰宅後、プレゼントした髪留めを嬉しそうに抱える姿が良い。
そしてNTRの攻勢に対し、友人に協力を求め迎撃する覚悟を決める。(モネットの制服で媚びる)
如月先輩の唐突な提案により、急遽文系野球(三角ベース)をやることになる。
試合中ゆいが拉致られ、犯人を追い詰めるとシャカリキボーイの中身が判明。(ご当地キャラ研究会の会員)
試合は後輩たちの声援を力に打った凛香の打撃で見事勝利するが、選挙では残念ながら負けてしまう。
自身のことをからっぽだと主張する凛香に、かける言葉が見つからない主人公。
先輩の世界に飛び込む勇気、告白の言葉を伝えることで、二人は付き合うことになる。
一人で頑張る姿ばかりを見せていた彼女が、主人公に甘える仕草がギャップ可愛い。
「今やさしくされると、ふにゅうって、なる……」
凛香が弱さを見せない理由。
小学生の時、仲の良い子と一緒の学校に受験しようとしたが、爺の反対にされる。
友達に失望され、無視されたときの思いを二度としたくないから。
第四章「風が気持ちいいわね。それに、素晴らしいと思わない?自分のしたいことができるというのは」
友人たちに報告を済ませると、凛香と放課後デート。
喫茶店でケーキをあーんして食べさせてもらうハズが、口ではなく鼻先へ直撃。
「くく、ごめんね……でも、洸太朗君いじめるの、楽しい……」
「生粋のSだ……」
このパターンは初めてで新鮮。
凛香一人ではどうしてもできなかったことを、初デートで回る。
受験一色の学園生活に突入したくない凛香は、新たな同好会を発足。
S市をおもしろくする四條凛香の同好会、略してSOえ……は規制が入ってしまった為、主人公の名前を借りてSOKとなった。
最初で最後の依頼となった、迷子の犬さがし。
会長は探偵としてはポンコツなので、主人公がリードして探すことになる。
目的の犬は、家主が引っ越す前の家で発見し、奈津子先輩へ一時的に保護。
旧校舎の解体を一時的に待ってもらう条件として、面白い小説を読ませることに。
みんなが楽しいと思えるイベントを開いて、お別れしたいと考えた凛香は、写真展を企画する。
周囲の協力のもと、たくさんのOGやOBも参加する大きなイベントとなり企画は大成功。
月日は巡り一年後、旧校舎が新校舎になっても文芸部の部室は前と変わらずそのまんま。
大学生となった先輩が覗きに来て、終わり。
◆Last Episode
菜子ちゃんが大学生で一人暮らし!?
でも律儀に毎朝モーニングコールしてくれるとは、素晴らしい妹だ。
月日は巡り、主人公は御影ヶ丘学園の教師になる。
文芸部には森野精華という少女だけが在籍し、一方通行な好意を寄せている。
町をふらついていた所、退屈そうな彼女を文芸部に誘ったのがきっかけ。
「おにーちゃん、ぼちぼち結婚しないの」
「いきなりすっとんだな。まだ俺、20代前半だぞ」
「そんなこと言ってるうちに、あっという間に年をとって、行き遅れちゃうんだからね」
菜子ちゃんの言葉が耳に痛い。
映研の部長のそっくりさんが、それからアルファロコンの主演を森野に頼み込む。
その森野は、さよならアルファコロンの主演をやっていた。
終章「けれど、それでも俺は、まだ、もう少し、全力で言います」
姫野星奏と町で偶然再会し、主人公宅に泊めることになり、何事もなく彼女は去って行く。
翌日、森野に鞄を持っていかれ、しぶしぶ一限目をサボることになるが、二人で秘密基地の景色(季節はずれの桜)を見ることに。
そこで森野が東京へ転校する事実を聞かされ、彼女と姿を重ねてしまう。
映研の撮影日、またもや星奏と再会し、一緒に食事をすることになる。
小説を書いて、彼女を待ち続けた主人公。
聞きたかった星の音を聞いて、町から去った星奏。
スランプだった彼女は、思い出の街で、大好きな人と日々を過ごし、結局音楽を選んでしまった。
主人公が転校する森野に、小説を送るやりとりが良い。
「俺は大勢の人の心に響かせるものは書けなかったけど、生徒一人をじんとさせられるものは書けると思って……書いてみた」
小説家を諦めた主人公は、昔と思いは異なって、頻度も減ったけれども、小説を書いている。
紙に向かって書き綴る姿は、彼の根幹を担っているものだし、らしさが溢れてるんだよな。
涼介からの電話で、グロリアスデイズが解散した知らせを聞き、彼女を探し病院、そして空港行きのバスへと向かう。
星奏に思いの丈をぶつけ、音楽はもうやりきったと聞き、裏切った彼女を受け入れ、二人は同棲を開始する。
今までの身の上話を語り合い、二人は深夜の海を見に行くことになる。
お互いの誕生日を迎え、祝い合い、主人公は星奏に婚約を申し出る。
返事は保留にされた翌日、彼女は二度とあなたに会いませんという手紙を残し、居なくなってしまう。
学校を辞職し、荒れに荒れた生活を送り、それでも彼女に会いたい想いから、ルポライターを目指すことに。
涼介から如月先輩が雑誌社に勤めていると聞き、下積みの三年を経て、ようやく記事を書かせてもらえることになる。
学生時代に培った交友関係の全てを使い、周囲の協力を後押しに上層の許可を取り付け、メンバーの吉村さんから話を聞く。(グロリアスデイズの結成~凋落するまでの全て)
星奏が手紙に返事を出せなかった理由。
めまぐるしく変わる環境。
応募のときに手伝ってもらった手紙を送った結果の転校が申し訳ない。
そしてそれらを説明するのが難しい。
星奏がライブを最後に、御影ヶ丘学園を去った理由。
吉村から「私たちと、この町とどっちをとるの?」と迫られた結果。
そして三年前の婚約された翌日、姿を消した理由。
グロリアルデイズの三人は、事務所の負債の保証人になっていて、多額の借金があった。
メンバーの一人が身体をこわして入院し自殺未遂。
「全部、私がなんとかするって」
「いつもは自分が裏に隠れて、批判も全部、皆が引き受けてくれたから」
「今度は自分の番だって」
そうして星奏は、一人で抱え込み居なくなった。
主人公の書いた記事は御影出版が制作する『雑誌男女自身』に特集で掲載された。
華やかな才能を発揮しながら、大人達の世界に翻弄された少女達の物語。
一時的な反響は呼び起こしたけど、一過性のブームとして終わってしまうが、それが原因で会社をクビになる。
無職になり、また小説を書き始め「お前はアルファコロン」を刊行される。
どうして小説を書く気になったのか?
一人は、つらいと言っていた彼女に、主人公の言葉が届いたらいいなって。
全力で駆け抜けて、消えていった彼女と、そんな彼女に突き放されながらも、言葉を送り続けた主人公。
最後のCGは、主人公の言葉は彼女へ届き、今度こそ二人は幸せになれるんだろうと信じている。
こんな結末も一つの終わり方としてはありかもしれない。
それでもやっぱり、一人で抱え込まずに、大好きな主人公へ相談し、二人で乗り越えていく、そんな結末の方が良かったなぁ…と思わずにはいられなかった。
星奏の欠点は、大事なところで助けを求めず忽然と姿を消してしまうところ。
周囲が救いの手を差し出す暇も与えてくれないから性格が悪い。