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isoisoさんのここから夏のイノセンス!の長文感想

ユーザー
isoiso
ゲーム
ここから夏のイノセンス!
ブランド
Clochette
得点
75

一言コメント

せせなやうさんの絵をここまでエロくさせるとは、クロシェットの塗りは偉大。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

新作が発表されて、原画が判明したときは大いに落胆したけれど、サンプルCGと店舗特典の絵を見てから、それは間違いだったことに気付かされた。
個人的にドストライクな声優(遥そらさん)の寿ちゃんのエロさは、むっつりを飛び越えてドスケベの領域で大変満足。
合理主義の塊だったアリカは、晶生村や主人公に感化されて、意識が変化していく過程が一番楽しめた。
いろはは三歳年下で、おにーさんって慕ってくれる姿は可愛いかったけれど、それはあくまで愛玩動物的な可愛さ。
一人称が自分の名前の所為か子供っぽさが抜け切らず、見た目以上に精神年齢が幼く感じたのが残念。
ユノは、小悪魔的な言動で主人公を翻弄するところが凄く魅力的だった。

以下、いつもの要約、合間に感想。

◆共通
過去の日本(100年前)晶生村(蛍の里)へタイムスリップした主人公、千種由嗣。
事故でゲートを潜ってしまい未来に戻ることが出来ず、山を遭難していたら蛍の光に誘われて、水辺(星ヶ淵)でいろはと出会う。
一晩初姫邸でお世話になり、村に駐留する未来人の連絡員(クラレッタ)に事故の顛末を説明し、プロムナードの調査補佐という名目で、16日間の現地滞在が認められる。
プロムナード(未来の学校の卒業試験。大学の卒論と研究に近い)
この特殊な環境下にある村についての調査レポート作成がテーマ。

翌日、正式な客人とした来訪した二人(蛍塚姉妹)のプロムナードの為の調査研究の手伝いをするべく村を散策。
分刻みのスケジュールは、舗装されていない道と村人たちの大らかな性格による歓待によって、崩れ去り、篁(村長の息子)といろはに案内役をお願いする。
誉問神社と星ヶ淵を見て回った夜、蛍塚姉妹と共に夜の星ヶ淵を見に行く。
(二人がプロムナードにこの地を選んだのは、自分たちの名前の蛍を見たかったから)
帰り道、デバイスが突如使用不可となり、山を彷徨うことになったが、主人公の柔軟な対応で無事に解決。
クラスの落ちこぼれだった主人公の印象を一変させ、高嶺の花だったアリカからの好意を勝ち取る展開は好ましく、読んでて気分が良かった。
エンゲージ(人口出産)ではなく、自然出産(昔ながらの性交)で産まれた主人公は、異性に興味があり性欲も勿論ある。
性欲の無い未来人の話を聞かされたときは、エロゲとして糞みたいな設定だなと思ってたけど、主人公は例外で安心した。
ユノちゃんとお互いの秘密を明かし合い、打ち解けあった瞬間が良かったな。
小悪魔的な立ち振る舞いで主人公を翻弄する姿が心を擽る。

初登校日、制服姿をいろはに見せようと扉を開けたら、いろはちゃんの用を足す姿。
寿ちゃんにそのことがバレてしまい、二人揃って怒られてしまう。
久万里邸で篁のコレクションを見せてもらい、帰りに離れの蔵を覗くと、今朝のエロイベントを自分にすり替え、口に出しながらエロ小説を書く寿ちゃん。
貞操観念の強い年下の黒髪巨乳のエロい秘密を握れるとは、最高の展開ですな。
他の人は知らない、彼女の一面も見れたのがまた良い。

翌日、ヒロインたちと共にするお弁当は、未来じゃ絶対にあり得なかった青春の一時で感動。
ヒロインそれぞれの手作りだったら、もっと嬉しかったけど、おかずの交換会も定番ながら良い。
アリカのエンゲージの説明(母体に因らない人口出産システムであり、その為の契約制度)で、主人公に性欲が存在しないと公言されてしまった時の周囲の反応が面白い。
寿ちゃんはエロイ目で見られないことに安心感?を見出し、篁は仲間を失ったような哀しい眼差し。(いろははお子様だから分かってないけど)
ユノだけは本当の事を知っている為、ニマニマした顔で主人公を見る視線がいじらしくも可愛くて堪らなかった。
星ヶ淵へ行く道中、村の守り神で、いろはのご先祖様のほまとい様の伝承を聞き、主人公が村民にすんなり受け入れられた理由が判明。

ほまとい様の伝承―
女子供一族郎党引き連れた、落ち武者の一団(後の晶生の人間)は、無事に落ち延びる為夜通しで歩き山で遭難。
一団のリーダーの若武者(久万里家のご先祖)が皆を励まし歩かせ、蛍を追いかけると、そこには星に囲まれた少女(ほまとい様)がいた。
一人晶生の地に暮らしていたほまとい様と一団は、互いを受け入れられず、不干渉の時が流れるが、若武者とだけは逢瀬を重ね、一人の女児をもうけた。
それが初めてのおんなのこ『初姫』

晶生に来て一週間が経ち、ヒロインたちの心の変化が見て取れる。
自分の主人公に対する好意が、恋心だと気付かないアリカ。
胸のコンプレックスを教えてくれるほど、心を開いてくれる寿。
アイスの食べさせ合いを擬似フェラに見立て、主人公を誘惑する小悪魔ユノ。
そしてどうでもいいが、かずゑ婆からも家族の一員として扱われたり(お茶碗とお箸のお使い)と万事順調。

晶生川での水遊びで、ヒロインたちの水着のお披露目は眼福。
寿ちゃんのサイズの合わない水着で只でさえ興奮してたのに、蛍塚姉妹の紐で限界突破。
水遊びは延期になり、アリカの部屋で女子会開催。
ユノの暴露話(主人公の性欲が実はある)で、一様に慌てふためく姿が面白い。
寿ちゃんの性欲講座も恥じらいが前面に表れていてグッド!

翌日改めての水遊びは、前日の反応とは違い、大きな恥じらいが見て取れて思わず顔が綻ぶ。
恥じらいの無い紐水着よりは、恥じらいのある水着だよなぁと改めて思った。
寿ちゃんが転んで主人公に覆い被さり、おっぱいこぼれ落ちてテンパる姿のエロ可愛さときたら最高。

一年に一度の夏祭りは、ほまとい様の伝承を語り継ぐ為のもの。
若武者が刀を捨てて初姫に捧げる場面は、いろはが例年の習わしを無視し、感極まって抱きついてしまうことで、村人は大盛り上がりだったが、ヒロインたちの心境は複雑。
いろはが、主人公に若武者役をお願いしたのは、伝承通りに主人公が村に留まってくれるのを願った為。

ユノがエンゲージに反対する理由―
アリカの親の遺伝子情報を無契約、無許可で使用し、非正規児として産まれたのがユノ。
法的に親が居ないかつ、ペナルティを背負った環境でありながら優秀な成績を収めてきた。
親になれなかったユノの親が亡くなり、アリカと姉妹の関係になる。

滞在期間の16日が経ち、未来へ帰る当日。
村を騒がしていた妖怪の正体(宮園小萩)がゲートを使用したことによって、充電期間の延長、つまり滞在期間が延びる事になった。
選別として寿ちゃんから渡された小説が、即座に奪い返されたのは口惜しかった。


◆久万里寿
未来の話をする交換条件に、寿ちゃんの小説を読ませてもらうことになったが、見せる踏ん切りがつかず、逃げる彼女を追い詰める主人公。
隙を突いた拍子に小説を取ろうとするが、バランスを崩して倒れこみ、お互いが混乱状態で慌てる姿に顔が綻ぶ。
図書室の逢瀬は、夏休みに入ったことで良い理由付けが失われてしまうが、恋のキューピッドであるいろはちゃんによってお泊り会が開かれる。
お互いの気持ちを伝え合い、別れる未来が分かっていても、恋人になる二人。
主人公とえっちした日でも関係なく、毎晩のように自分を慰める寿ちゃんのエロさときたらホント堪らない。
彼女の溜息癖を止めるべく、キザな台詞を吐いたときの反応も最高に可愛いかった。
「どうしても溜息ついちゃうなら、俺がキスで塞いであげないとさ、って」
「ふぅ。ふうぅ」
自らキスを所望するその仕草ときたら、何度でも口を塞ぎたくなっちゃう。
別れの日が決まることで、二人で未来へ行く決意も固まり、宮園さんに未来でもバカップルを貫くことを誓い、村長には篁からの後押しもあってか、無事に了承を得られた。
妹の幸せを願って起こす兄の行動は、胸にグッとくる。
寿ちゃんが席を外している間に、エロ小説を盗み見ると、そこにはえっちの願望が書き綴られており、彼女を満足させるべくエロゲ主人公の本領発揮。
『おちんちん→おちんこ→おちんぽ』という呼称の変化がエロさを更に引き立て、ちんぽミルクまで言っちゃう寿ちゃんは、むっつりの枠に収まらない、最高のドスケベヒロイン。
ゲートでの別れ際、篁と交わす男の約束も、妹が未来へ渡航する許しを貰ったときと同じく良い場面だった。


◆初姫いろは
いろはの飛び跳ねる姿を可愛い可愛い褒めてたら、からかい混じりの対抗心で、ユノも飛び跳ね感想を求めてくるとは、流石小悪魔。
ユノを褒めようとすると、ヤキモチを焼いたいろはの拗ねた態度が新鮮。
いろはの両親は、小さい頃に二人共事故で亡くなったが、かずゑ婆や村の皆が家族のように世話を焼いてくれた。
兄妹のような関係で納得しようとしていた二人は、お風呂で鉢合わせてお互いの裸を見たことで、目を背けていた事実と向き合うことになる。
一番の親友で幼馴染の寿ちゃんといろはが喧嘩してしまい、仲直りの話し合いで、いろはが抱いていた主人公への気持ちが、親愛ではなく恋愛だったと気付く。
かずゑ婆が病院へ運ばれ、二人だけの生活が始まる。
いろはが村の外へ出たくない理由は、トンネル開通を働きかけた両親が、街で事故死したからではなく、村人たちの気遣いや愛情を裏切りたくない為。
子供から大人になったいろはは、村人からの反発はあったものの、かずゑ婆のお見舞いに行くことで、もう子供じゃないことを証明し納得してもらう。
いろはと一生を晶生村で過ごそうと決意するも、その願いは打ち砕かれる。
主人公が復古運動を推進する組織に選ばれたのは、エンゲージのみに依存し続ける未来を変える存在『可能性の卵』として認められたから。
蛍塚姉妹に知恵を借り、二人の恋によって出生率が下がる未来を変えてみせると宮園に誓うが、いろはを孕ませるだけでは未来に変化は望めず、二人の子供をプロムナードへ送る提案によって状況を打破する。


◆蛍塚ユノ
非正規のエンゲージで生まれたユノは、逆境(不利な立場)に負けず勉強し、今の地位を築き上げた。
人との関係が深くなる分、掌返しされたときの傷も大きくなる為、自ら踏み込まず、人との距離を保つ性格になった。
ちょっといい感じになってきた二人が、噂になって一悶着。
主人公をからかうユノの小悪魔的な言動は、その節々に本音が混じり始めて、照れる姿に思わずニヤニヤしちゃう。
ユノとアリカのエンゲージが解消されても、姉妹の絆は健在で、むしろ本音をぶつけ合ったことで、より強固なものとなる。
恋人同士になった二人の、子作りまでの軌跡をレポートにまとめて発表する、アリカの計画には笑ってしまった。
ユノの水着そっちのけで、揺れるおっぱいをガン見した主人公の認識を改めるべく、自らおっぱい晒す彼女の可愛さときたら堪らない。
アリカの考えた大胆な計画(主人公のプロムナードを口実に晶生の滞在期間を更に延長し、みらいちゃんと遊ぶ)をユノがツッコミ、オロオロして泣き出す姉さん。
この作品で一番印象が変わったのはアリカだなぁと、しみじみ思った。
『ほまとい様未来人説』をテーマにした、ドキュメンタリー制作の上映会は、ユノの手違いでイチャラブVerが放映。
嬉し恥ずかしシーン盛り沢山による公開処刑の展開にニヤニヤし、得意気にアリカが解説するのが余計に面白かった。


◆蛍塚アリカ
男性の性知識を聞くべく、寿ちゃんに白羽の矢が立って、「どうしてそれをわざわざ私に聞きに来るんですか!?」のツッコミ。
そりゃエロいことが苦手と言いつつもその実、一番詳しいヒロインだもの、まさに適任。
連日に渡って性識者である彼女を訪問し、今度は愛液について知恵を授かる展開は笑った。
アリカとの婚約を誓い、ユノとのエンゲージは解消され、妻が夫を呼ぶ『あなた』へ呼称が変化する。
恋人関係すっ飛ばして、いきなり夫婦のやりとりは新鮮だが、学生らしさも一足飛びな点は勿体無いな。
愛する夫の為に料理を覚え、愛情一杯の手料理を振舞った夜、共同浴場で子作り。
皆との水遊びで、寿ちゃんのハミ肉に見蕩れ、ちっぱいヒロインに挟まれる彼に嫉妬する
彼女の可愛さが堪らない。
将来を晶生村で過ごすべく、村の存続案として『縁結びの蛍』の里のアピールを提示。
無事にプロムナードを終え、過去駐在員の資格を得た二人は、娘のほたると共に晶生村で過ごす。