るみちゃんと工藤先生の二人だけ性格変わったのが謎。まぁ可愛かったし良いか(萌え豚的思考)
本作は超優秀な兄貴を持つ、少年院卒で癖のある奴(永治)が主人公かーと読み進め、まんまと騙される私。
あー懐かしいこの感じ、「G線上の魔王」から実に7年ぶりの新作だもの。
他のエロゲじゃ味わえない、るーすぼーいならではのテキストに、感慨深さと高まる期待が抑えられなかった。
序盤、即刻退場した弟君から一転。
片足の無い蓮司へと視点は変わり、突如として始まる”会”。
ゲームパートがあるわけじゃないけれど、叙述トリック。か~ら~の、タワーディフェンス!に困惑。
敵の姿が全く視認出来ないのは、“会”という実態の不透明さを表す演出として見れば良かったのかもしれないが、やはりテキストのみで戦いを表現される点は物足りなさを感じた。
工藤先生の声優、風音様は本当に嵌り役でした。
叫ぶ系オラオラヒロインは彼女が適任。(確信)
中盤から”会”を乗り越える毎に明かされるルールや仕組み。
終わりの見えない糞ゲーに突如としてぶち込まれ、多くの理不尽に振り回されても抗い、失われる関係性に心を蝕まれながらも戦い続ける。
その中でも一際胸に響いたのが、結花の成長物語。
彼女を初めて”会”に招聘した際、肉壁にすらならず足を抱えて怖がる様は、元カノ使えねー!
やっぱり私には、るみちゃんしかいないと思った。
それがどうだろう、しのぶの死をきっかけに、受け取ったエクスカリバー(秘密ノート)をふるって、開校記念行事を成功させるべく奔走。
今までの役立たずっぷりを払拭するが如く、“会”で戦う勇猛果敢な姿。
関係性が失われた直後の屋上では、罵詈雑言や暴力が振るわれると思い、目を瞑った直後のキス。
るみちゃんゴメン。
今カノよりも元カノを好きになってしまった、別れよう。
私は結花との関係を取り戻すために、最後まで戦い続けようと心に誓った。
終盤、長門大地が化けの皮を表し、失意のどん底へと落としにかかるが予定調和。
攫われたるみちゃんを助けるべく、絶望的な状況から奮い立ち上がる主人公。
失われた関係性が簡単に復活した点は、あっさりしすぎて物足りないが、仲間と共に挑む最終決戦は胸熱で大好き。
「協力してくれ。沙代ちゃんの親友が、クソ野郎に馬鹿にされてる」
「許せないね」
「優秀な里見くんが、天才しのぶちゃんを迎えに来たぞ」
「オーケー、思いだした。そう、わたしのほうが優秀」
「姉ちゃん、ぼくらは心底ナメられたぞ」
「あのじじい。ね?」
軽い会話の応酬と、一人一人の関係が修復する場面に思わず顔がニヤける。
結果として長門大地は偽名で招聘出来ず、敗戦。
力技の関係修復の代償で心身を苛まれるが、更生した弟(永治)によって再び立ち上がる。
長門大地が王として”会”を開き、第一の兵として招聘される主人公が反逆する作りは、上手いなと感じた。
ボロボロの身体で仲間に肩を支えられながら、必死になってるみちゃんを助ける蓮司の姿にBGMも相まって、ちょっとだけウルっときそうになった。
エピローグ
蓮司の前では決して泣く姿を見せなかった、るみちゃん。
そんな彼女の泣き顔で、この一年がどれだけ辛い日々だったのかは想像に難くない。
総括
最後は駆け足気味に話が展開され、要所々々で不明瞭な点は残ったが、テキストの端々にライターらしさが描かれ、私としては充分に楽しめた内容でした。
余談
「ぼくの一人戦争Plus」で”上会”をクリアしても、撃破率が反映されない点、改善して欲しいです。
トータルスコアはしっかり変わるんだけどなぁ。