アニメの日向×ユイのカップリングは唐突だったけれど、本作ではしっかりと納得のいく背景が描かれており感無量。 分割でオススメはし辛いけど、アニメ好きならやって損は無いと思う。
本作は、Girls Dead Monster初代ボーカルの岩沢雅美。
二代目ボーカルのユイに、巨漢の男松下五段(護騨)の三人が攻略キャラ。
しかし私は、SSS(S音様を一途に追いかけるぞ戦線)の一員。
ゆりっぺルートがあると信じて彼女を追い掛け続けた。
膨大な選択肢の数とそれに連なる展開の幅広さは、ゆりっぺルートも(分割だけど)夢じゃない!
そんな希望を抱かせるには十分な量だった。
戦線メンバーが罠に嵌って落ちそうなとき、ゆりを伝って這い上がる状況に陥った。
両手が塞がれた彼女を下から見上げるこの構図、最高にそそるシチュエーション。
これはもう上着を脱がす、胸を揉むのは当たり前。
キスまで一気に迫っちゃうぜひゃっほう!と意気揚々と選択したら、問答無用で蹴り落とされた。(後悔はない)
ゆりの写真集的なものを求めて、写真部へ侵入したこともあった。
部室の鍵が掛かっていようが関係ない。(拳銃でぶっ壊すから)
この溢れるリビドーは、ゆり以外には止められない。
彼女を好きな一途な想いから、本部にも足繁く通った。
ゆりから犬のように這いつくばって靴を舐めろと言われれば舐め、犬の格好で一日過ごせと言われれば過ごす。
人間としてのプライドなんぞ、それこそ犬に食わせて捨て去った。
過去の記憶を取り戻してからも、ゆりへの気持ちは揺るがない。
音無が戦線で戦い続ける理由の全ては、ゆりの強い彼氏になる為となっていた。
十分なフラグを積み重ね、これはもうルート突入間違いなしと確信したが、現実は甘くなかった。
タイトル画面に戻された瞬間、世界の理を覆すことは不可能だったと気付かされ、嘆き悲しんだ。
2周目
記憶が戻らない音無に、常に親しく接してくれる日向。
ゆりっぺを追いかけ続け、何だかんだ言いつつも応援してくれて、彼女の脱ぎたてパンティーをくれた最高の親友。
日向とキャッキャウフフする日々を謳歌しようと心に誓った。
ルームメイト同士、おはよう~おやすみまで常日頃から一緒に行動を共にする。
それはつまり日向のあられもない姿を目撃したりすることもある訳で、気付けば日向のイケヒップにイケチンを目で追いかけていた。(ホモ)
まぁ冗談は置いといて、素直に日向と過ごす毎日は楽しかったし、最高の友達だなと心から思えた。
アニメで個人的に一番の神回だった学力試験。
天使を陥れる悪魔のようなユリの策謀。
推進ロケットで吹き飛ぶ日向や高松は、アニメの方がインパクトが大きく面白かったけれど、みゆきちを交えたり大山の告白が成功したりと、選択肢によって違った展開をみせるのが非常に面白かった。
◆個別ルート要約、雑感
松下五段√
柔道五段という根強い印象をアニメで抱いていたが、実際は五段ではなく本名の護騨と掛け合わせた愛称によるものという事実に驚いた。
松下五段は小学三年生の頃に光を失い、盲目の人生を突如として歩む。
同じく盲目の従姉妹のお姉さん(陽菜子)から、目が見えなくても出来るスポーツ、柔道を教わる。
決勝の舞台、彼女から励ましの声援を受け取り見事優勝を飾るが、結果を告げることは叶わず、陽菜姉は事故で他界してしまう。
松下護騨が死後の世界に居続ける心残りは「最後に、愛した人の顔を思い出してから…俺は行きたい」
奏の園芸区域を潰し一面の向日葵畑から彼女の記憶を呼び起こそうとするが、音無の意図とは外れつつも、愛した人の笑顔を思い出し、松下五段は戦線を離脱した。
ダイエットVerは見た目以外に喋り口調も変わる為、周回プレイ必須なのが面倒。
ただ、戦線メンバーも知らない美男子っぷりを披露し、全員が揃えて驚愕する様は見ていて楽しかった。
岩沢雅美√
同じガルデモメンバーからも音楽キチと呼ばれるボーカリスト。
Girls Dead Monsterの由来は、そんな岩沢とひさ子が化け物かってぐらい人間味を感じない音楽キチからきている。
彼女は生前、仲の悪い両親の喧嘩の仲裁に飛び込み、頭部を殴打し声を失った。(脳梗塞による失語症)
自身の生き甲斐で、大好きだった音楽を失った岩沢は、本来ならば自分の力で戦線を離脱するハズだったが、音無の起こした行動によって展開が変わる
二人が付き合い始め、恋人として永遠の幸せを享受する。
世界はそんな永遠を否定し、突如として現れた影が仲間を襲い出す。(高松→NPCに)
打開策として二人は酷い別れ方をするものの、事情を理解した岩沢と再開し、再び添い遂げることに。
音無と一夜を共にし子供を授かり、結婚式を挙げることで彼女は心から満たされて旅立った。
結婚指輪(紙で作られた)には、幸せ一杯の気持ちと音無を縛り続けたくない彼女の想いが記される。
雅美の想いを胸に刻みつけ、身を裂く思いで彼女の最後の想いを汲み取った。
付き合い始めた二人にガルデモメンバーが祝福する集合CGが最高。
その反動故に、嘘をついて彼女との関係を破綻させる瞬間は本当に辛かった。
カッコイイ印象が強い彼女だが、蝶を追いかけるあどけなさや、乱れた服から覗く柔らかな肢体と、女性らしさがしっかり描かれていた点も良かった。
ひさ子√
アニメで語られなかった彼女の過去。
「斬崎の自殺シーンが脳裏に焼き付いて、あたしを苛む」
音楽に身を費やし続けて、不本意な形で音楽から離れた彼女は、重い精神疾患を患う。
本作では過去の話しか語られなかった為、彼女のことも是非、音無に救って欲しいと思えた。
ユイ√
話の結末としてはアニメと大きな違いはなく、日向の結婚してやんよという言葉が彼女を救った。
本作では、そこに至るまでの過程がしっかりと描かれており、凄く納得出来る形になっていた点を評価したい。
ユイがホームランを打つべく、球技大会の翌日から日向と特訓を積み重ねる。
途中ハーモニクスで増殖した天使に(野球をしているユイが)目をつけられるが、彼女を気にかけている日向が窮地を救ったりと良い主人公していた。
アニメで達成出来なかったホームランは、二人の特訓の下地があったからこそ叶えられた。
なんとも心に響く消滅シーンだった。
こうして奏と音無が望む戦線メンバーの消滅は、一歩目が踏み出される。