もうちょっと丁寧に作り込めば名作になれるポテンシャルはあるんだが…
・システム
UIはまあ普通。BGMかっこいい。バトル演出はワンパだがそれなりに頑張ってる。けど21世紀にもなってディスクレス起動不可はねーよw
・エロ
各ヒロイン+おまけ程度に一部サブキャラのシーンがある。
シナリオ重視のゲームにしては尺は長めで結構エロい。
サブキャラのシーンはとりあえず入れました的なアレなので抜けなかった。主人公相手じゃないのもあるしね。
・ストーリー
一時期ラノベ界隈で大流行した中二系異能バトル。
攻略制限が掛かってて結愛ルートをクリアすることでヴィヴィとイリーナのルートが解放され、ヴィヴィを攻略すると真ルートが解放される。
もっとバトルするのかと思いきやほとんどのルートはヒロインとの交流がメインでルート後半に長めの戦闘を1回こなして終わりというパターンが多かった。つーかこの主人公ほとんど戦わねーな…たまに戦闘参加してもヒロインのフォロー役だし…
戦闘描写(特にヴィヴィ、イリーナルート)はいかにも中二っぽい表現を多用するものの文章力は結構高く、読んでいて惹き込まれるものがあった。
ヒロインも第一印象はとっつきにくいが長く付き合っていくとこいつめっちゃ可愛い!となるタイプが多く、キャラ萌え度も高かった。俺のオススメはイリーナです。
ただ、メインヒロインのヴィヴィと結愛ルートの結末が…これはないわー…
途中でいかにもなキャラが登場するが特にストーリーに絡むわけでもなくフェードアウトするのも×。
あと真ルート。最後の最後でこういうのほんとやめてほしいんだけどなぁ
バトルものに飢えててサブヒロイン目当てなら良いけどメイン2人目当てとか真エンドに期待する人にはちょっとオススメし辛い、そんなゲームです。
以下、若干ネタバレ込みのキャラ、ルート別感想
・瑠依(主人公)
中二ゲーらしく斜に構えた奴です。腹を決めると前向きになるんですが。
ヘタレとか言われてるけどそこまでは…いややっぱヘタレかも…
嘘が嫌いと言いつつ何度か嘘をついてるのはどうなんだ。
・夏奈
無表情だがデレデレなやつ。たぶん一番まともな子。かわいい。
基本イチャイチャしてるパートが大半を占める。レグナットがどのように誕生するのか?というのが描かれており、サブルートとしては割とまとまってたんではないかと。
時々挿入されるミスリードさせようとする変な描写はいらねーんじゃねえかな…
ところで組織の人間雑魚過ぎない?強さ的にチンピラ並な印象を受ける。
・歩
元気っ子な妹系?日常の象徴かと思ったら強キャラだった。
あんまりこういうタイプの女は好きじゃないんだけど、こいつのルートでは色んなキャラが活躍するのでまあトントンかな。
政略結婚とかそういう話必要?終始こればっかりで主人公がウダウダしてるのでキャラ萌えも困難なんだよなぁ…
ラスボスはまぁ分かってたんだけどこの町裏社会の人間潜伏しすぎちゃうの?密度が凄いよ…
後半になってバトル展開に入るとこのゲームでは珍しく主人公が活躍しまくるのは評価できる。
歩も主人公以上に無双するんだけどこいつの能力が世界観に合ってないっていうかレグナットでもテスタメントでもない超能力は出さないでほしかった。
・結愛
byニーチェさん。たとえ強がりだったとしても余裕ぶって相手の精神的優位に立とうとするキャラは苦手だ。
主人公が結愛と共に戦う道を選ぶのはいいんだがそれにしてはバトルが少なすぎるし主人公活躍しなさすぎだよ!
過去に結愛に振られて未練たらたらの主人公と何考えてるのか分からん結愛のせいで萌えも燃えも微妙…
ようやく主人公とのわだかまりも解けてこっから本番か?と思いきやなんか不穏な展開に…。そして急転直下、衝撃の結末。
真ルートの前座だからなんだろうけど個別エンドでこのオチは納得いかんわ…
・イリーナ
情緒不安定で悪戯好きなゴスロリちゃん。キチ枠なんだが存外優しい子じゃね?ってなった。かわいい。
ひたすらイチャつきつつなんでイリーナがアレなことになったのかが語られるルート。
イリーナがまともすぎてたまに思い出したかのように挿入されるキチ描写が逆に浮いてた。レグナットの影響で不安定になってるんだろうけど、一見普通だが内に秘めた狂気が…という感じでもないので、狂人設定いらなかったんじゃねえかなとは思った。
後半はイリーナが因縁の敵と決闘する展開に。主人公も一応バトルに参加するんだが基本傍観者。
あれやこれやと策を弄して強敵と互角に渡り合うのは燃える。しかし決着はやや強引。
お話的にはこのルートが最も希望の持てるエンドだった。こっちを真エンドにするべきだろ…常識的に考えて…
・ヴィヴィ
問答無用で殺しにくるヤバいセメント女がデレると可愛くなるのは王道です。
バトル多め。主人公は…まぁ…ある程度は活躍したんじゃないかな…
とにかく信頼関係を築いてからのヴィヴィがめちゃ可愛いしバトルも面白いんだが、やはりこのルートも真ルートの前座となるべくラストに悲惨な結末が待ってます。結愛エンドに比べりゃマシだがそれでもねえ…
・真ルート
2つの悲劇を乗り越えて、すべてに決着を…!
と思ったらなんじゃこりゃな結末を見せられましたorz
相変わらず主人公は活躍しないし組織は雑に処理されるし敵もぽっと出だしバトルもそんなに良くない。結愛の一騎打ちは変則的で面白かったがラストバトルはバトルとも言えないワンパンオチ。
そして何より結末が…
はっきり言ってしまうと、悪いもの全部なかったことにして世界リセットするエンディングです。
それだけならまだ良い。問題はリセットによって結愛以外のほとんどのヒロインと縁が切れてしまうこと。特にヴィヴィなんて主人公との再会は完全に不可能なレベル。
その上主人公も含めて全員の記憶もリセットされてどうすりゃいいんだという感じ。
黒幕だけはリセット前の記憶保持してるのが更に不愉快。つーか結局黒幕にパンチ一発入れることすらできなかったわけで。黒幕はリセット後の世界で何やら満足したような面してるわけで。
ここまで読み進めてきたのはヴィヴィや結愛や他ヒロインとの幸せな結末を見るためだったのに最後の最後で微妙なことされるのは読後感悪すぎるわ。
真ルートさえまともなら75点は付けていただけに残念だった。名作を作れる素地はあるので次作に期待したい。