Dies iraeのファンディスクとしては100点満点の出来。うっかり単体でやってしまうと8割くらいしか楽しめないと思われるので間をとって90点というところだろうか。
個別の断章を挟みつつひとつのお話が進んでいくスタイルなので、誰の話を読んでも最終的にはひとつの結果に行き着く。お話の成り立ちを思えばこれが最善ではあるのだろう。
個人的に好きなのは宗次郎&紫織ルート。
狭い意味でのセカイ系の極北に近づいたお話ではあったと思う。
武神とは童子の夢想を突き詰めたところにしか居ない、というお話でもあったかもしれない。
ここからはネタバレありのメモ。
神父はおそらく最初の土蜘蛛。花畑と10の手が対応していると思われる。
あと、旧神は全部ひねり潰されたことにはなっているのだけど、槍が残っていたような感じでエッセンスは残っていたのではないかなあ、とか龍水&夜行を見ていて思った。
具体的には夜行の変態ぶりと発言、そして夜都賀波岐からの評価によるが、ひょっとすると正田卿もシナリオ書く途中までは決めかねていたのかもしれない。
槍(覇道)+自滅因子なら獣様になるだろう、ということで竜胆さんは特に問題なくあのオチは飲み込めるのだけど、では蛇の世界から黄昏が生まれたのと逆に、黄昏が黄昏がこうあって欲しかった蛇を生んだ結果がチンチクリン&閻魔のコンビなのではないかしらん、とか。
閻魔ははじゅーんの走狗にして出来の良い代替物ということで、覇吐とは別の意味で練炭の裏側にいるキャラクターなので、それが求道の太極に抱きしめられるというのは前史の再演ではある。
ただ、それが彼らがそもそも新たな黄昏と蛇であったから再演することができたのか、再演することのできる太極を得たことでその属性をも得たのか、というのはゲーム内の語りからは特定までは出来ないのだが。