アマリ→ジゼル→リノワール→ニーナ→エレガノ→フレアルージュの順でクリア。
PULLTOPしいたけ組の転生体であるSEVEN WONDERの処女作。
原画にはたけやまさみに加え「CARNIVAL」「SWAN SONG」「Trample on "Schatten!!"~かげふみのうた~」の川原誠、SD絵には「てとてトライオン!」にも参加していたいくたたかのんを迎え、音楽にはElements Gardenを起用、という豪華な陣容で制作された本作は事前の期待を遥かに上回る素晴らしい作品でした。
以下、ルートごとの短い感想。
アマリ&ジゼル、リノワール&ニーナ、エレガノ&フレアはそれぞれ対のお話になっているので二人ずつまとめて俯瞰してみようと思います。
>アマリ&ジゼル
複数ライターで制作されている本作ですが、アマリとジゼルに関しては丸谷氏の手が多めに入っているかの印象。どちらも反復の中に生じる変奏が話を少しずつ推進していく氏得意のスタイルと感じました。
記憶の周辺を巡る、知ること、忘れること、忘れないことについてのお話――かな。
ヒロインとしてはどちらも安心のかわいさ。
アマリは箱入りお姉さん、ジゼルにはクレオール社会におけるメイド、的な魅力がそれぞれあった、ような……
>リノワール&ニーナ
導入ルートであった前二人よりさらに世界の秘密に踏み込んだルート。カシェとあそぶし!(妄言
さておき、リノワールのえちぃはヘルプの某さいろー師ではないかとおもいましたまる。
ロリ○バアのリノも裏表のある性格が魅力的ですが、個人的にはニーナルートがお気に入り。ニーナの明るい性格やコダマとの夫婦っぷりがとてもこのブランドらしい爽快さをもたらしてくれました。最後の戦いではプリワルのオマージュ的なアレもあってもう涙腺がるるる。
>エレガノ&フレアルージュ
そして最終的な決着がもたらされる二ルート。他の人も言っているようにフレアは最後のほうがいいかな。
普通にやっていれば最初はアマリ&ジゼルのはずなので、この二人を最初にやることはまずないとは思いますが。フレアの二回目えちぃもさいろー師の影がちらつきますが実際のところどうなのかは知りません。
エレガノとのデートシーンは非常に好き。フレアに関しては王道だなあという感はあるものの、ヒロインとしてはやや貧乏くじを引いている気がしないでもなく――いやいいキャラだとは思うんだけど、プロミア様に拗ねられておろおろしてるほうが可愛いというかなんというか。
ともあれ、この二ルートに関しては主人公はコダマでもヒロインでもなくあの人と言ってもいいでしょう。
祈り。
>プロミアとコダマ
プロミアの存在によって、プレイヤーは常に父親的な視線をもってこのお話を読み進めることになります。
それはヒロインとの関係においてもわりとそのままで、記憶がない、とは言えコダマには少年少女ぽい衝動はどちらかというと希薄。そのおかげ――というわけでもないでしょうがお話全体が全体的にとげとげしておらず、優しい視線でまとめられているような気がしました。とは言え「少年の気持ちに還る」シーンもまたきちんと描写されていて、その辺りの理由付け、緩急も良かったですね。
>食べ物とか
出てくる食べ物がおいしそうなゲームは名作、と昔誰かが言っていたような気がします。
おひさま焼きが食べたくてホットケーキやおやきを探す病。
>おわりに
旧PULLTOPからしいたけ組を追っている人にとっては、この作品が「Princess Waltz」のリベンジであることは敢えて言葉にする必要もないほど明白な事項ではありますが、個人的にはリベンジを超えて素敵に更新された物語を提供して頂いた――そんな感想を抱きました。
あと、なんとなくFSSを思い出したのは――プロミア様のせいかしら、やっぱり。