本編ではサブだった三人の個別ルート+グランドエンドを収録したお得なファンディスク。
本編ヒロインとのいちゃいちゃや日常話も実装されているとはいえ、そちらはまあおまけと言って良い出来であり、やはり上記の四シナリオが今回の骨格と言えるだろう。
メインに昇格した三人についてはほぼ本編と同様のボリュームであり、その意味でも彼女らは対等な存在として扱われていることが伺える。
三人の攻略順が固定されているのも本編と同様――というわけで、二つ合わせればかなりの大作ノベルゲーができあがるわけだが、重たさはあまりない。
この物語では主人公が女装のかわいい男の娘であることと呪いの設定が物語のリアリティレベルを最初から引き下げている。
その善し悪しはともかく、多少展開が強引だったり格好いい言葉が上滑りしてもなんとなく許せてしまうような空気がこのお話には常にあって、恐らくそれが重たさを感じさせない原因なのだろう。
第三章ではその空気もやや変わるものの、それもありだろう、と思える話ではあった。
とは言え、個人的には第一章が一番好きかもしれない。
それは、正解のない物語において、かなりのピースが最適解に近いものであったろう、と後で思えたから――
まあ一番好きなのは変わらず茜子なんだけど。
>その他
新規曲やBGMはどれもなかなかいい。
しかしやっぱり繰り返し出てくるメインテーマが耳に残る。
このメロディは好き。
作品とは特に関係ないが、なんとなく思い出した歌詞を貼って締めの代わりとしたい。
良いFDだった。
忘れられた僕の夢
僕以外の誰が見れる
降り注いだ強い光
僕の影は僕の形してた
何度も何度も胸をこがして
生まれたばかりのような
夢を又見る
――the pillows "GOOD DREAMS"