魔法少女ヒグチかわいい
昔、無印のノベライズ版を読んで、大層気に入ってました。
本作特有の「チャンスシステム」というのは練りこまれた設定なのですが、
それをギャルゲーに収めようとすると、オリジナルにあったのぞみと由梨子、
この二つだけでほぼパターンを網羅してるんですね。
だからナビの少女と主人公の恋、透明人間化、ラストは二人で記憶喪失
大体この3つのパターンばかりになる。
また3章や7章で、願いがだいぶ説明されてしまったことは
チャンスシステムのダイナミックさが大分狭められた感があり。
とはいえ、各個の物語自体はどれも良かったと思います。
先に微妙に下げましたが、難病ものの3章は涙腺突かれまくりですし、7章はイチャイチャと儚さが同居していて、石を磨くとこがなんか響きました。
特に一言感想でも挙げた、5章のヒグチが好きなんです。
嘘ついてる女の子ってのがなんかすきで、動物の世話するってのもいいじゃないですか。
あと、パペットマペット、殆ど完全番外編ですけど、とても楽しかった(ウィルソンの男の子とはまた会えると思いたい)。
喫茶HAYAKAWAで彼女たちまで合流してほしかったですね。
もっと全体として一本に纏まるような流れが作れればRの意味合いもあったんですが、短編を並べた以上足り得なかったのがどうにも勿体ないですね。
カップル成立後の後日談にしても、見たいといえばそうだけど、仄めかすくらいのほうが読後感は良かったりするし。
本作はサナララ完全版だと思ってたんですが、むしろオリジナルも楽しめるファンディスク、という認識がちょうどいいのかもしれません。
批評的には手厳しくなってしまいましたが、それでもどのキャラクターも、日常のなかで「頑張れ…がんばれ…!」と応援したくなる、そんなチャンスを与えてくれたこの世界観に、そっと泣きたくなる、サナララが好きです(ヒグチはもっと好きです)。