あれだけ選択肢がたくさんありながら、シナリオが一本道というのは…。
それぞれの登場人物の心の揺れを描いた作品であり、メインヒロインの金沢鞠子ありきの作品でもあります。したがって鞠子があまり気に入らなければ面白味が半減するといっていいでしょうね。
シナリオは中学からの腐れ縁である都築綾音とお互いそれなりに意識しているのに、友人以上の関係になるのを踏み出せないままにいた主人公が、突然メインヒロインである金沢鞠子から告白され、言われるままになんとなく付き合うことになって、これまでの綾音との関係がどうなる？というのが話の軸になります。よってもう一人のヒロインである後輩の怜奈は物語にちょっとしたアクセントを加える程度であまり深くかかわりません。はっきりいってこの作品、たいして大きな展開もなくイベントもないのでさほど面白かったとはいえませんが、各登場人物が意外にちょっと心に残るセリフを言うので、それは結構印象に残りました。あと印象に残るといえば音楽で、たぶん一度は聞いたことがあるクラシックをBGMに使っています。オリジナリティがないといえばそうですが、個人的には逆に意外性があっていいと思いました。
残念だった所としては無駄な選択肢が多くてテンポがあまりよくないことと、選択肢があれだけありながら、物語が一本道で綾音、怜奈のENDがないということですね。特にメインの鞠子より、綾音の方が個人的には魅力的に思えたので余計にそう感じたのかもしれません。
ヒロインは先にもふれましたがメインヒロインでおとなしい鞠子、腐れ縁で優等生の綾音、後輩で自由奔放、快楽主義的な怜奈とそれなりに各ヒロイン個性はあると思います。
作品自体は地味で、バックログないなどシステムもいまいちでしたが、絵（CG)は悪くないし安く購入したこともあって個人的にはセリフ関係で部分部分は見所がある作品という印象が残りました。