その世界観には魅せられました。
ドイツ第三帝国の収容所兼研究所をヒントにしたであろう世界観と大戦前の重苦しい空気、冬の隔離された研究所の薄暗い感じのする雰囲気には個人的には魅せられました。また音楽も雰囲気に合っていて、物語を盛り上げるのに効果的に使われている感じで良かったですね。
一方で個人的に名作と呼ぶにはあと一歩届かない部分があり、気になった点を下記に記すと、
①絵（CG)が独特であと一歩という印象（大人組はいいがロリ組３人がいまいちで攻略するテンションが下がり気味になる）
②攻略ヒロインが多すぎる（全員を攻略しないと最後のアフラニルートには入れないようなので後でクリアするヒロインほど作業ゲーとなる。※ただし既読スキップがあり、さほど各ルートはさほど長くないのでそれほど苦にはならない）
③攻略ヒロインが多いせいか各ルートは短い。個人的には攻略ヒロインは5人くらいに絞ってもう少しシナリオを深くしてほしかった気がします。※やや説明不足な所があるのもマイナスかな。
④エロが正直イマイチ。数は多いけど各シーンが短い。せっかくの淫靡な雰囲気を活かしきれていない印象。
⑤最後の〆にはもう少し力を入れてほしかった。あっけなさすぎる印象。
⑥事実上攻略するヒロインの順が決まっている感じでそうしないとちょっと物語がわかりずらいかもしれない（推奨順としてはサラサ→オノマ→ソコラタ→ゾフィー→光子→アンナ→エクリシア→ヴィヴリオ→アフラニ）
以上感じたままに記してみましたが、いい作品だと思えるから惜しいと感じる点も多いんだと思います。実際、各ヒロインルートをクリアするたびに謎が少しずつ明らかになるので、次の展開が気になり、一気にやりたいと思える魅力はありました。
各ヒロインもそれなりに魅力があり、特に大人組のアンナ、ゾフィー、エクリシアなどはラストも含め、個人的にはよかったと思います。
気楽な学園モノや純愛ゲーとは対極にあるといってもいい作品なので、ちょっと人を選ぶ作品だとは思いますが、これぞ18禁ならではの作品と思えたので評価は高めにしています。こういう個性的な作品は大歓迎で、もっと増えていってほしいと思いますね。