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imotaさんの魔法少女カナタTSの長文感想

ユーザー
imota
ゲーム
魔法少女カナタTS
ブランド
Black Lilith
得点
60
参照数
5342

一言コメント

趣きが変わったシリーズ新作は、残念ながら属性キャラ詰め込みすぎて触手が口尻貫通してしまった感じにょろ…。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「魔法少女」「触手」「アヘ」「性転換」
これらは変態ジャンルではそれぞれ一大勢力である。
魔法少女と触手は、「化物と戦う少女」という定番の相性の良さはあるが、ここに性転換は「混ぜるな危険」なのではないか。

そして、男主人公、幼馴染少女、眼鏡委員長、サッカー親友、根暗教師、インテリ研究者、謎の姉御と
この登場人物の多さは、価格帯から考えて消化不良を起こすのではないか。
プレイ前に感じた期待と不安は、残念ながら不安が的中する結果となってしまった。

躓きの最初は、TS=性転換に関するものだ。

プロローグで、無口な幼馴染少女の可愛さを見せておいて、実質的に作中ほとんど出番がない。
そして、幼馴染の身体に乗り移った主人公は、前向きで無防備すぎて「正体を隠す」お題目を自ら破りまくる俺口調全開。
ライバルっぽい眼鏡委員長は、初っ端からヤンデレな雰囲気バリバリで、異形化に関わりまくる危険人物。

この状況で「「オレは男なのに悔しいでも感じちゃう…!」エロスに浸るのは、中々難しい。
主人公、もっと慎重に行動しろよ! 段々と女性の快楽に染まってくぐらいに抵抗しろよ! ああもう俺にその身体貸せ!
とヤキモキが先立ってしまう。欲望に忠実なモブ男たちの反応はいい感じなんだけどね。

そして、主人公が物語の謎を全く知らない状態なのも、ヤキモキの原因になっている。

TSだけでなく怪異の襲来も同時進行で、それらの事象を飲み込もうと頑張る裏で、あやしい人物達がうろちょろ。
夢の中では自称魔王さまなBBAに、色々訳分からん事言われつつ、顔面をむぎゅむぎゅ踏まれるし、
ようやく魔法少女らしい使命感に目覚めてきたところで、すぐ後で黒幕が出てくるタイミングなのが、あれれ?
オマエら、どういう意図で主人公を追い詰めたかったのか、よく分からんぜよ。

とにかく終始、この詰め込みすぎ感を覚える事が多くて、どうにもエロや物語に入りづらい。
エロ単体で見れば、マニアックでご褒美ではあるのだけれども。

シチュ別に評価していくと、人間相手のTSエロは総じていい感じ。

触手相手だと、喘ぎながらも「カナタの身体を傷つけやがって!」と怒ってて、ニュルニュル感が減っている感。
丸呑みとかあってもBAD直行じゃないので、イった後に撃破や丸呑み途中で脱出とかで、絶望や妊娠も減っている感。
ふたなり化や悪堕ちは今回あっさりで、やはりTS推しの割を食った感じ。
マニアックな方面では、巨乳化や小人化や脊髄ファックは今作でも有り。あとはフィストファック出産あたりか。

TS的には、オナニー、電車で痴漢、男子更衣室でクンカクンカ、同級生におっぱいサービス、と定番を揃えている。
痴漢のテクに骨抜きにされて最後は駅男子便所で合意セックスとか、汚パンツ舐めて興奮してオナニーとかは良かったネ!

エロのほとんどはカナタinオレで、眼鏡っ娘の方はおまけ程度。親友との絡みも1シーン有り。
サブおっさんズは、暗躍するばかりで実際には手を出さず、ヘタレ童貞野郎疑惑がひしひしと。
モブの痴漢おじさんや学園長や盗撮キモ男の方が、エロ的には活躍してるんじゃね?


久しぶりに毒吐き感想となってしまったが、シリーズファンだから色々言いたくなるのです。
「魔族が魔法少女を追い詰め、絶望させて魔石を取り出す」という、シンプルな異種凌辱の良さをまた取り戻してほしい。
そして、その世界でイスカと、白目むいた彼女と再会したいなぁと思いますグヘヘ。