まおーさまかわいい! 八重歯かわいい! おちんちんかわいい! ツンデレデレかわいい! 素直クール勇者に空回りかわいい! すぐえぐえぐ泣いちゃうかわいい! まおーさまかわいい!
と、かわいい連呼が終わったところで冷静にレビューしよう。
フリルボーイの前作『女装少年、家出中。』は、他の方も概ね好評だったようで、私がエロアンテナが錆びていない事に安心した。
しかし、今作はまたも主要スタッフが変わっており、一発屋になってしまうのではという不安もあった。
だが、俺も男だ。
一度好感を抱いた相手を信頼するのも変態の努めだ。
という訳で、体験版もやらずに即おちんちん挿入もといプレイ開始という訳さ。
結論から言うと、フリルボーイは無事にエロ大気圏を突破して安定軌道に乗った模様。
女⇒男の娘への性転換というニッチシチュを逆手にとり、「男の娘に素直に萌えていいんだ!」という雰囲気を作り出している。
勇者と魔王のイチャラブという今や王道な変化球も、もう一捻り加える事で心地良い新鮮さを生み出している。
何よりまおーさまがかわいい!
キャラ紹介を見れば分かるが、かつて強大な魔法で異世界を支配した大魔王、その素顔はツンデレな寂しがりやだった。
力を求めたのは自分に相応しいより強いオスのつがいを探す為で、それが自分を打ち破った勇者だった。
しかし、その本心を知らぬ勇者は、魔王の力を弱める為に成長しない男の娘へと変えてしまった。
求婚をさせてもらえず、同性になってしまい、肝心の勇者は死んでしまった。
でも、それでも諦められない、恋に恋する魔王ルーは、転生した元勇者、今は平凡な学生の悠をついに見つけたのでした。
いや、この男はただ者ではない。
突然押しかけてきた自称魔王、目の前で魔法を使われても終始冷静。
まずは性別を確認しようと、上からゆっくり視姦して、股間のふくらみを見て、おもむろにふにふにと触る。
「ふむ、おとこか」「ぎゃー!!いきなりなにすんだ!!!」
「(前略)だから、せ…責任をとれ!」「わかった(即答)」「即答か!!」
「お、オレは男なんだぞ…?」「構わない(即答)」「また即答か!!」
「だが順番は大事だ。まずは恋人らしい事から始めよう」「こ、恋人…(テレテレ)」
かくして魔王さまと元勇者?の奇妙な同棲が始まるのでしたとさ。
このまおーさま、愛情バレバレなのに表面上は強がって、でも勇者にちょっと言われると即デレデレしちゃう。
勇者の一挙一動にいちいち過剰に反応して、喜んで落ち込んで泣いて怒って、その反応がいちいちかわいい。
勇者も勇者で直情すぎるから、会話は終始漫才ムード。
「ルーはかわいいな」「ば、バカ!いきなり変なこと言うな!!……か、かわいいだって(テレテレ)」
「勢いでセックスしたけど、やっぱ男相手じゃ気持ち悪いよな…」「順番が…デートを先にすべきだった」「そっちかよ!!」
「お寝坊勇者に仕返しで逆レイプしてやる!」「オハヨウ」「お、オハヨウ…」「逆レイプ?ウェルカムだ」
「正直あまり感じてない」「うぅ…今度はオレが勇者を気持ち良くしてやろうと…えぐっ…えぐっ」「こうすれば一緒にイケるだろう?」
ああもうお前らさっさと結婚しちゃえよ!
このちょっとズレた純愛は、当人たちが真面目なだけに喜劇であり、喜劇でも真面目に純愛してるのだ。
話は短いけど、ラブコメの肝をきっちり押さえているから、性別を越えた普遍性を獲得している。
実際は男の娘フィルターがベタさを昇華してる部分もあるが、それはそれだ。
色々回り道したふたりが、最後に気持ちを確かめ合って、ようやくキスをして、結ばれる。
この爽やかなハッピーエンドの前には、おちんちんの有無などささいな事だ。
いややっぱりおちんちんは大事だ!
元まおーさまかわいい!