ErogameScape -エロゲー批評空間-

imotaさんの妻堕 ~清楚な人妻の隠された露出性癖~の長文感想

ユーザー
imota
ゲーム
妻堕 ~清楚な人妻の隠された露出性癖~
ブランド
STUDIO TRIUMPH
得点
70
参照数
2380

一言コメント

これがプロの仕事ってやつよ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

商業と同人の境がますます曖昧になる昨今、何をもってプロとするかは意外と複雑かもしれない。
何せ売れっ子になれば、同人で飯を食べていく以上に稼ぐ事も可能で、一般商業とエロ同人の兼業すら珍しくなくなってしまった。
2chのエロゲ板での「同人エロゲは板違い」という言葉は、もはや形骸化しつつあるのが現状だと思う。

しかし、職業としての意味での「プロ」、職人への尊敬という意味での「プロフェッショナル」というようなニュアンスの違いはある。
需要と供給のバランスを見極めつつ、自分の軸はなくさず、安定した生産を続けつつ、変化を厭わない。
言うは易し、行うは難し。特に流行の変遷や消耗の激しい二次エロ産業で生きていくのは、並大抵ではないだろう。


むとうけいじ&おくとぱすコンビも、これで五作目となる。
正直、マイナーメジャーとなったNTRゲーに参入したけどライターの畑も違うし、日比野先生の寝取られ冒険と共にコンビ解消かと思っていた。
しかし、催眠もの露出ものと続くに及び、一過性の二次元殺法コンビという認識を改めるに至った。

むとう氏の描く大人キャラは立ち絵からエロく、おくとぱす氏も導入シーンでCG使わずに色々とエロエロする事が多く、
アヘ顔の具合もテキストと程良くマッチしている。単にオファーが続いているだけでなく、相性が良かったという事なのだろう。


今作は露出ものでおくとぱす氏の本領とは異なるが、催眠シチュの一つとしてor堕ちる過程としての露出シーンは以前から結構あった。
その辺の比重を露出寄りにし、実際にギャラリーに見せるよりもギミックとして言葉巧みに想像させる、思考誘導をスパイスに用いている。

この思考誘導は脅迫する武器としても使われており、話し方すらころころと変える「別離屋」の手管は堕とす過程に説得力を与えている。
多分これがおくとぱす氏の武器、クライマックスの思考崩壊と獣じみた喘ぎと共に、催眠もの以外でも安定したエロを供給する大本だろう。


ヒロインについては、紹介通りに典型的な育ちの良い子で、単体で萌えるよりも堕ちるギャップを生かすキャラになっている。
それよりはむしろ、ゲスなりにプロの美学を持っている主人公の方が今作では魅力的に見える。

「夫を愛したまま貞淑な妻を淫らに変える」という謎の依頼達成に、会話や調教の押し引きで逃げ道を塞いで与えて、徐々に価値観を変える。
仕事に情は挟まないが、情熱的すぎるヒロインの不意打ちキスに「ちょっとだけ浮ついてしまったぜ」とのたまう微ツンデレ臭が良い。


露出方面はスタンダードな作りで、管理人室でエンドレス衣服着脱・店で強制オナニー・マンション下着見回りしてフェラ・
電車で痴漢プレイ・無下着で夜公園へセックス・エロ衣装&ローターで朝清掃して管理室ファック・トイレ全裸拘束放置プレイ・
自発的なスカートめくり&エロ衣装 ・カップル喫茶で乱交未満セックス・浴室の夫の側で&寝ている夫の前でセックス・
自らパイズリフェラ⇒夫と電話しつつ騎上位・真昼のベランダの窓前セックス(シーンによってはヒロイン視点も)

などで、家庭は壊さない=見知らぬ他人に性癖バレしない条件の元、ぎりぎりのスリルと言葉責めの合わせ技で追い込んでいく。
堕ち的には、露出で感じても自覚せず、自覚しても素直には認めず、ようやく認めても自分から求めず、一旦求めたら生命力を搾り取る勢い
と奥さんは最後まで楽しませてくれるぜ。あ、あと今回もキスCGは合間合間にちゃんとあってエロかったです。


最後までいっても依頼人は明らかにならないが、仄めかすような描写は一応ある。
どうせヒロインの旦那が寝取らせてハァハァしてんだろと思いきや、どうもそうではない感じ。
マンションの住人には病院の跡取り息子と妻がおり、最後のベランダセックスの先には日比野病院が…!

これは日比野先生がライフゼロになっても歪んで逞しく生きているのでは、と想像してちょっと感動してしまいました。
単に悪趣味な日比野病院関係者の差し金なら、俺が歪むから勘弁して下さい。