人間と魔物との共存という学園理念、それを今の世に問う冒険の結果、シリーズ集大成は新たなスタンダードになったのだ。
魔物娘特化など皆無だった商業エロゲに突如現れた本シリーズもついに5作目。
初のフルプライスに発売延期と、ファンとしても微妙に不安も抱えての新作だった事を先に告白しよう。
全作を楽しんでいる私でも、前作でエロが薄くなって見えたのは事実だったからだ。
いやエロ薄というのは正確ではない。
選ばれた種族的にマニアックなプレイをしづらかったのだと今にして思う。
その意味では今作のメインヒロインも、人形娘以外はノーマルプレイ寄りになるだろう事を予想していた。
だがしかーし!
セーラー服を着た魔物娘たちの集合風景を見た時のワクワク感、シリーズヒロインの娘も出ると聞いた時のワクワク感、
そういう舞台や話が上手く化学反応を起こせば、もしかしてすんごいのになるんじゃね?という期待は、不安よりもずっと大きかった。
そしてフタを開けてみれば、魔物娘の特殊性を生かしつつ学園ものの普遍を押さえた、良質な萌え抜きゲーとなっていた。
萌え抜きゲーとさらっと書いたが、今作の肝はおそらくこれだ。
シリーズを通じてヒロインと日常会話の増加傾向はあったが、前作まではまだ抜きゲーの範疇と言えた。
しかし今作の日常とエロの比率は、最早その範疇を超えている。かといって単純にエロ薄になった訳ではないが。
このパラダイムシフトを念頭に置かないと、期待外れに感ずる可能性もあるのでご注意を。
まあでもちょっと考えてみれば、コア層以外も取り込む意欲ははっきりしていた。
萌えゲーの定番である学園が舞台、しかも学園理念が「人間と魔物の共存」、魔物娘でなくもんむすなタイトル、可愛い制服姿。
最後のは私の趣味だが。
キャラも、病弱・不思議・女王様・ツンデレ・破天荒・苦労性・お姉さん・ミステリアスとバランス良く配置。
主人公も、魔物自体には詳しくないが、学園理念に共感して赴任した熱血新米教師。
話も、問題児達が大神隊長もといシンク先生の努力で、段々とクラスとしてまとまり、困難には一致団結するまでに成長変化し、
主人公とヒロインも種族などの壁を愛で乗り越える、王道ストーリー。
歴戦のエロゲーマーなら「ベタだよなぁ」と思ってしまう内容を、魔物娘で行うことで新鮮味を生み出している。
世の中には全く新しいものなどほとんどなく、新しいものとは既存の組み合わせの妙なのだ。
とはいえ骨組みだけでは家は建たない。大事なのは地道な肉付け作業だ。
ぶぶづけ氏のCGそしてキャラクターデザインについては、最早言う事はない。
種族の個性に各ヒロインの個性を織り込んで、夏冬制服私服を用意、Hシーンでは構図と口元で魅せる、匠の技よ。
デザインは皆秀逸だが、あえて言うなら蜂娘のビビ、人形娘のコメット、スキュラのヴェーラが、中身と相まって素晴らしかった。
音楽は、前作までの流用以外にヒロインごとのテーマ曲が用意されていたのが良かった。
どれもヒロインに合っているが、特に女王様なビビらしい木琴主体のテーマ曲が印象的。和風な前作曲の流用も意外に違和感はなかった。
声は、どれもヒロイン達に合っていて感情移入を助けてくれた。
ただし、私が重視するチュパ音については全員が達者である訳ではないので、やや萌え寄りな印象といったところ。
エロについてはまた後述するが、安定のキス・フェラ・コキ、キャラにより幅のある男受け度といったところ。
マニアックさではコメットが突出して、次いでミリータ、その他は同じくらいな感じ。もちろん各種族らしいギミックはあります。
男の精がご馳走な魔物娘ながら、本番は恋人後の純愛仕様なのでご安心を。
ここまででおおよそ全体像は書けただろうか。
しかしこれでは作品の魅力を伝える骨組み程度にしかなってない。
主人公が「素」のヒロインに魅力を感じたように、俺自身が素に戻ってブヒブヒ言わなければなるまいブヒブヒ。
真っ先に言わなきゃいかん事は、いわゆる「いらない子」が一人もいないんですわ。
竜族のリンは、病弱さのギャップ以外も、普段は良識的で控え目で純情なのに意外と一途で頑固で、全ルートで最後まで迫ってきて不憫かわいい。
人形娘のコメットは、抑揚のない妙な話し方とボケと毒が、首の外れっぷりと相まって反則だが、何気に個別ルートが一番重くてやっぱり反則。
蜂娘のビビは、押しの強い女王様でなく、ちょっと引いた自堕落マイペースの茶化し屋で、外見がエロスすぎるエロス。個別での成長変化は大。
馬娘のシレーネは、プライドの高さと不器用さが相まって貧乏くじが多め。デレそうでデレない少しデレる微妙な塩梅がよかよか。
蛸娘ハーフのヴェーラは、中身が残念な完璧超人。ギャグはもちろんシリアスでも意外に大活躍する反則キャラ。個別は一番平和でニヤニヤできるよ!
蛇娘ハーフのミリータは、幼馴染のヴェーラほか問題児のストッパーで若いのに苦労人。母親とのギャップ萌え。その分個別でははっちゃけるよ!
鳥娘ハーフのキューテ先生は、眼鏡とピンクスーツで僕を天然挑発してきて困る。お姉さんキャラより怒った時の印象の方が強いえなんでもないです。
幽霊のファムは、主人公にしか見えない謎な導き手だが、結構おちゃめなところも多くて、慈愛と憂いの表情に最後はKOされました。
何て言うか「木を隠すには森の中」「毒をもって毒を制す」じゃないが、個性をぶつける事でバランスが取れているのはすごい。
そして会話中もある程度は基本的な立ち位置もあるが、結構頻繁に攻守や主導権が移っていて、見ていて飽きない。
いや実際は主人公も傍観者でなく被害者になっているのですけどね!
サブヒロインは出番自体少ないと思ってたのにファム以外は普通にメインと同格で、うれしい驚き。
個別ルート入っても他キャラもきちんと出番や見せ場があり、こうした横のつながりが友情とか青春とか忘れた大人には弱いのです。
教え子たちは問題児揃いで最初は非友好的だけど、その分懐いてくるとかわいくて、卒業式なんか思わず目頭が熱くなったよウウッ
この非友好⇒友好の過程描写も、大きな変更点だ。
ラキスという例外もあるが、おそらく今までのシリーズでは故意に省かれていた部分で、シナリオ上のメリハリの弱さでもあった。
いや、閉ざされた世界では、友好度を大幅に変えるイベントを起こすのも難しいのだから、制約上仕方なかったのだ。
主人公の赴任当初は、生徒も留年多数で
リンは病欠で放っておかれて諦め状態、コメットは知識さえあれば良いと図書館に引き篭もり状態、
シレーネは初対面で裸見られた上にライバルに負け通しでカリカリ状態、ビビは勉強する気が皆無でいつも居眠り状態、
ヴェーラは冒険中で学園自体にいない状態、救いはミリータくらいで他生徒もやる気ナッシング。
キューテ先生やファムが嘆く、この窮状を変えるべく、シンク先生は奮闘し始める。
リンのところへ放課後通って様子見や勉強を教える。自らを無感情だと思うコメットを諭し、知識でなく実践の大事さを教える。
勝ち負けに拘るのにプライドの高さから愚直な戦い方しかできないシレーネには、その頑固さを解きほぐす。
女王候補故に全てを他人任せにするビビには、自らの行動には責任を伴うことを教える。
ヴェーラは…ミリータに任せる。ひどい!
行為自体は、本人も言う通り教師として当たり前の事かもしれない。
しかし彼女達の成長・変化を信じて、報われぬ日々を耐え続けるだけの者は今までいなかった。
もちろん全部を一度に解決できる訳ではないので、一話一ヒロイン方式で心を通じていく。
この前向きなシンク先生の姿に、サクラ大戦の大神隊長がダブってしまったのは俺だけだろうか。
そしてこれも主人公自身は無自覚だが、どんな魔物を前にしても人間の一個人を見るのと同じ態度で接している。
ファムなどから「シンク、貴方はそのままでいいのよ」と言われる、公平さも魅力となっている。
そんないい男に魔物以前に一人の女の子として見られたら、惚れてしまう、気になってしまうのも仕方ない。
だけどそういう男に限って、恋愛には鈍感なのだから罪作りな男やで。
そんなシンク先生へのアプローチとしては
リン&コメットが積極的、シレーネ&ビビが静観、ファザコンヴェーラは不参加、ミリータは不戦敗、キューテやファムは不明、
特にリン&コメットはどのルートでも最後まで絡んでくるのが、不憫だがかわいくておかしい。ああ、大半はコメディです。
ここまで結構書いたと思うのだが、話としてはまだ前半の共通ルートなのがやばいどうしよう。
萌えゲーの長文書く人ってすごいなぁと改めて思いつつ、欲望のままに進めるか。
期末テスト、夏季休暇あたりになると、皆で一緒に行動するのが当たり前になってきて、
人間の姉妹校との交流を目的とした文化祭、運動祭あたりになると、その時々で最も成長を遂げたヒロインが前に出てくる。
祭の開催も簡単ではないが、彼女を中心としてクラス全体がまとまり始めて、それをフォローする主人公との仲は自然と深まる。
学園イベントと、ヒロインとの関係変化が連動する事でメリハリがついたのは、シリーズの大きな進歩だ。
ついでに先回りすると、今まで冗長さを覚えもしたバカップル期間も、キャラの多さと話の起承転結の明確さによってスッキリしている。
欲張りな俺としては、冬服を着た日常シーンをもっと見たくはあったですが。
ああ、そうだ。教師と生徒という葛藤要素ははっきり言って薄いです。
魔物の価値観だと、公私の区別、授業を今まで通りしっかりやっていれば特に問題ないらしいので、主人公も腰砕け。
男の精を取ることは、魔物にとって食事みたいなものなので、ヒロインによって差はあれど基本敷居が低い。
まあここでも悩み続けるとグダグダになりかねないので、単純に男女としての悩みに限定して正解かと。
だからこそ二人の障害となるのは、人間と魔物という種族の壁。
そして彼女の生まれが抱える問題。
竜族の秘匿性の高さ、人形族の身体特性、馬族のプライドの高さ、蜂族の女王社会、人魔ハーフ故の問題、残り時間に憂う幽霊、
それらが問題を引き起こすが、すでに助け合う仲間となった彼女達は危険も省みず主人公に協力してくれる。
いや、一番無謀で無茶なのは人間のシンク先生だよ馬鹿!
竜と戦い、雷の嵐に身を投じ、人馬一体で戦場を駆け抜け、毒針から身を挺して守り、減給で飢えるほど冒険し、
薬の材料を求めて奔走し、学園を守るため奔走し、幽霊の彼女の望みをひとつ、またひとつ叶えていく。
冷静に見るとご都合主義なんじゃねぇの!? とハルバコスさんが言ってたが、
その困難を通じて見える、彼女の愛、彼女への愛が、汚っさんな俺の眼を曇らせるのですウウッ
まあエロゲだから、シレーネ以外空気読んで二人っきりになったところで、情熱的なセックスをするんですけどね!
おっと、まだ泣くのは早いぞ俺。
個別ルートでは卒業式があっさり流されてがっかりしていたが、全てを解決した後にアフターストーリーが待っていた。
生徒ひとりひとりと最後の挨拶を交わし、迎える卒業式は、これが今生の別れでないと分かりつつも、強く心を揺さぶられた。
もし、ここで一枚絵を使っていたら、はたして俺はどうなっていたやら。
ベタなのに感動するという事は、王道として自分が認めたという事なのだろう。
これもまた名作サクラ大戦3の最後の巴里の別れのシーンを思い出して、おっさんはまた郷愁を覚えるのだった。
そしていよいよ明かされる幽霊の正体と目的。
いや、ファムと長く通じ合ったシンクだからこそ分かった、彼女の最後の望みと言った方が正しいだろう。
ああ、別れの後にまたすぐ別れが訪れるなんて卑怯だ。
あんな終わり方も卑怯だ。
でも、寝食を惜しんでここまで到達した俺は、深い満足と感謝を覚えたのだった。
「…え~とシンク、ここまでエッチの詳細がないけど、書き終わってよいのかしら?」とファムの声が聞こえた。
おっと、いけねぇいけねぇ、賢者タイムに浸りすぎたぜ。
ただ正直、主人公同様にヒロインに愛情を持てたのならば、全部問題なく抜けると言って終わってもよいかもしれない。
とはいえ、魔物娘と普通のセックスをするだけでは満足できないマニアは、俺以外にもいるだろう。
なので、簡単にだが特殊なプレイだけでも挙げておこうと思う。あ、もちろん全員フェラ完備&キスしまくりはシリーズ伝統です。
リン:発熱能力を使ったコキプレイ、翼の上から間接コキ、主人公から尻尾&羽愛撫、パイズリ有り
コメット:頭分離状態でのエッチが基本、口多め、腕分離オナホール、頭上下半身分離での相互愛撫、上下半身分離でのセックス⇒アナル
ビビ:催淫作用のある蜜、竿玉尿道アナル同時攻め&我慢強制な手コキ、主人公から尻尾愛撫
シレーネ:毛繕いオナニー、催淫剤&蹄コキ、馬なのに正常位
ヴェーラ:蛸足を使ったコキ多め、おまけ程度だが触手アナル有り、特別な手コキ
ミリータ:蛇舌&尻尾での巻きつきプレイ多め、男受け多め、フェラ&アナル舐め×2
キューテ:ローション&羽コキ、眼鏡&スーツ状態でフェラ、空中セックス、パイズリ有り
ファム:オナニー中に突然の出現でぶっかけ⇒お仕置きフェラ、机から上半身透過セックス
マニアックさでは予想通りコメット独走。次いでミリータが意外なむっつりスケベさとラミアのエロ能力を発揮。
ビビは女王様モードは序盤のみでエロ的には勿体なかった。キューテ先生は眼鏡とスーツとチュパ音の総合力がエロ。
ヴェーラはどんどん甘えん坊になってくるのがえろかわいい。ファムは守り神のような存在にぶっかける背徳感がたまらん。
リンはプレイ自体よりも発情して押し倒されるのがエロい。シレーネはちょっとノーマルで大人しかったかも。
あとこれはシリーズ経験者のみ味わう気持ちだろうが、前作ヒロインの娘とエッチすると妙な気持ちになってしまう。
前作主人公の立場になれば娘寝取られ、今作主人公の立場になれば娘寝取り、両方自分と思うと娘とのセックス、
勿論そういうメタネタを煽る描写は一切ないが、そういう楽しみ方もあると君はメモしてもよいしメモしなくてもよい。
それと二世キャラを見たことで確信したが、魔物娘の個性というものは決して種族に限定されないという事だ。
シンク先生の言う通りまず個人ありき、そして周りとの関係によって魅力の出方も変わる。
これは、どんどんマイナー種族に焼畑農業して先細り未来を回避できる、とても有意義な実験結果だとも思う。
さて詳細を書こうとする度に、僕のシンク先生が暴発して消耗してしまうので、この辺で勘弁してやろうして下さい。
もう十分書いたとは思うのだけれど、実は個別ルートでのネタバレに関わる話にはまだ触れていない。
なので、この先も読む人がまだいるならば、ネタバレ上等でお願いします。
まず一番に書きたいのはコメットについてだ。
前作でもスィークルートで、愛情だけでは越えられない種族の寿命の壁は提示されたが、こちらはそれ以上かもしれない。
無機物に思念が宿ったコメットの一族は、子を産むことができない。
寿命が異なる以上いつかは迎える先生との別れの前に、二人の絆を形としてほしいのに絶対に手に入らない絶望。
元々は感情に乏しかった分、先生と出会って育まれた感情はとても純粋で、それ故に悲しみも深く読み手に突き刺さる。
しかもコメットがその非情な現実に途中まで気づいてなかった分、落差は大きい。
しかし、愛情だけでは越えられない壁を乗り越えられるのは、やはり愛情しかないのだ。
あとリンルートでも、先生を取りあったライバルとして、コメットが果たした役割も印象深かった。
普段はホントにマイペースなギャグキャラな分、もっともギャップ萌えが大きいキャラクターだった。
ああもうほんと、コメットはかわいいなあ!!!
ギャップ萌えといえば、ビビも大きかった。
「愛」というものが存在しない女王が絶対の社会、その次期女王候補が愛を知ったが為に苦しむことになる。
愛するシンクと結婚するという事は、男を射精する機械として使い捨てる一族の共用物にするという事。
ならば元々その気もなかった女王候補を降りようにも、他候補がビビのアキレス腱としてシンクを狙う以上意味がない。
結局は自分が女王になる事で、シンク達を守る力を得るしかない。教師として生きるシンクと別れる結果になろうとも。
全てを自分の胸に秘め、母との確執も乗り越えた彼女は、自然女王の風格を纏うほどに成長を遂げていた。
計画をご破算にする狂気が解き放たれ、それすらも教育的指導してしまうシンクの先生魂には微苦笑するしかなかったけれど。
まったくむちゃしやがって(AA略
こういう展開である以上、大いに期待した女王様からのご褒美なお仕置きが、最初だけになってしまっても仕方ない。
でもあの冷静なのに情欲を煽る口調は、あと1シーン、あと1シーンだけでもビビ様!
リンルートは、病弱故に一族で「いらない子」扱いだった彼女が、シンクと友人の助けで力の暴走、一族の無理解、父親との誤解を乗り越える。
色々詰め込んだ展開なのでバカップル描写は意外と少ないが、サクラ君並みに嫉妬深いリンがヤンデレ三歩手前くらいになるのは面白かった。
もしもヒロイン自体が少なかったら、ヤンデレバッドルートもあったかもと想像すると、僕のおちんちんが熱を帯びてくるのです。
しかしシリアスなはずなのに、終盤のリンの親子会話には吹いてしまった。
両人とも真面目なのが更にお腹痛い。シンク先生は肉体的な意味で痛い思いしてるし、まったく理不尽だぜ!
シレーネルートは、人間と魔物の対立、魔物一族における過激派と穏健派の主導権争いという、一番ストレートなシリアス展開。
だがそちらよりは、当初あれだけ人間をシンクを毛嫌いした彼女が、公衆の面前で先生への想いを込めて舞踏する場面が心に残った。
何せ最初の友好度は最悪からのスタートだし、感慨深くもなるさ。
途中まで脳内彼女な受難ハーレムだったサブヒロインルートは、ハーフである事を考えさせた。
ハーフ故に周期で魔物の超人的な力を失うヴェーラは、その状態を同情される事で、敬愛する父の血を侮辱された気持ちになった。
ハーフ故に力の制御が上手くできないミリータは、両親を愛しつつ未熟な自分を嫌悪して、シンクからの愛情に縋った。
ハーフ故に魔物一族から軽視されるキューテは、学園運営の為に魔物至上主義者の嘲りに耐え続けなければならなかった。
前作までの主人公とヒロインの愛の結晶は、単純なハッピーエンドで終わっていなかったのだ。
だが、それすらも乗り越える熱血教師シンク、恐ろしい子…!(byコメット
まあヴェーラルートだけは大部分がコメディで、宝探し=破壊活動に付き合わされて、飢えるまでに減給される先生には笑うしか。
まったく海賊ってやつはどいつもこいつも自由すぎるぜ!
魔物娘は基本惚れっぽいが、お子様なヴェーラは一番ちょろくて、にゅふにゅふと部屋で転がる様はこっちまでニヤけちまうぜ。
ミリータは、地味っ子がスイッチ入るとヤバい事を体現した。何せ唯一、恋人になる前に押し倒されてセックスしちゃうし。
勘違いで始まる恋人関係は、コメットとの仮恋人関係同様、笑いつつもやもやしてしまったが、仲間のフォローで結果オーライ。
能力の暴走でミリータが全身石化してしまった時は、悲劇極まりないのに少しだけ興奮してしまった。まったく石化フェチは救えねぇ。
キューテルートは、学園の理念を実現する難しさ、学園経営の危機に生徒達の協力を集めたシンク先生の影響の大きさが見所だった。
獅子族長のお節介で告白タイムの後、「私、恋人になったらシンクさんを頼っちゃいますよ?甘えちゃいますよ?」とか言われたら僕はもう…!!
あと敵の罠で、休眠モードに入ってしまったファムが、鼻提灯だして眠りこけてるのがかわいかった。
ファムは、ご都合主義を納得させる便利キャラだったが、それ以上に女は謎めいた方が魅力を増す事を体現していた。
キューテがお姉さんならファムはお母さんキャラで、普段は騒がしいくらい賑やかな学園生活にしっとりとした落ち着きを与えてくれた。
そして、誰に対しても気負わず接するシンクの態度が、彼女の魅力を引き出している事に、分身の自分は満足するのだった。
脇役ではあるが、穏健派代表のケンタウロスや、キューテルートの獅子族長などのおっさん達が良い味出してて、立ち絵を見たかくなった。
それが贅沢なのは分かってるが、ビビの侍女長とかリンの父親とか良い脇役が多かったしなぁ。
そういや折角キューテ先生の実家に行ったなら小鬼達以外にも会いたかったな。やはりファンディスクがほしくなるのぅ。
更にSD原画担当の蚊野人氏が参加していたら完璧だったかも。
ふぅ…自分がこれほど長文を書けるとは思わなんだ。
euphoriaの自己最長を超えたことに達成感を覚えつつも、あえて百聞は一見にしかずと言いたい。
つまり少しでも気になったのなら、体験版をやれってことだおらー!!
私はファムと同様に、ヒビキ学園長が示した道をシンク先生が切り開いた先を、もっと見たいだけなのです。
今作で少しでも、できれば一気に魔物娘好きの輪が広がることを信じています。