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imotaさんのついみこ ~ツイてる巫女さんは男の子!?~の長文感想

ユーザー
imota
ゲーム
ついみこ ~ツイてる巫女さんは男の子!?~
ブランド
なにかもどき
得点
80
参照数
1161

一言コメント

庇護欲を誘うヒロインとの物語を愛情込めて丁寧に描く、なにかもどきの新作。近年では珍しくない男の娘ゆえ他と比較しやすく、サークルの成長をより実感しました。葛藤は弱めでノーマル寄りだが感情移入でご飯三杯イけるので、男の娘オンリーへの入門におすすめしたいです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

なにかもどきは以前からニッチなジャンル、ふたなり×男の娘、犬×ロリ和姦孕ませ、父×ロリ娘孕ませな作品を出し、
DLsite等の宣伝でもそれらを強調しているが、抜き要素だけを見るのは作品に対して一面的すぎるような気がする。

女の子になりたい願望に気付き、妊娠という不可能な夢に焦がれ、厳格な家庭で傷つき、逃避するように堕ちてゆく少年。
両性具有だが家を継ぐ為に男になろうとするも叶わず、罪を背負ったまま女の出来損ないとして塔で孤独に生きる女性。

拾われたいらない子だから、と犬神様の生贄に選ばれ犯され、しかし死を選べずに泣きながら血だらけの生肉を食べ、
犬神様の愛を知って心も身体も満たされるもつかの間の事で、やがて訪れる悲劇に母として生きる決意をする幼い少女。

そして以前感想を書いた妻の忘れ形見のちー。彼女達はその純真さ、健気さ故に傷つき、道を誤り、しかしそれでも前に進む。
etherさんが「抜きゲーかと思ったら泣きゲーだった」とポルナレフしてたが、何を言っているのか良く分かります。

今作は全体に明るい雰囲気になっているが、霊達と交流して憑依させて成仏させる巫女さん故に悲しみや苦しみもある。
しかし2人きりの閉じた世界でない今作では、周りに励まされてヒロインのひなたは少しずつ成長し、最後の別れも乗り越えていく。

もちろん話やキャラの骨組みだけでは作品に血肉は通わない。
その為にえこる氏は労を惜しまず手間ひまかけまくります。

はじめてのおかあさんの段々お腹が膨れる立ち絵(断面選択有り)もよーやるわと思ったが、今回はそれ以上に動きまくり。
鬱陶しくすらあるが、はわわしまくりなひなた、下でピョコピョコ跳ねてる小鬼のナギとナミ、ふわふわ動く幽霊さん達、
しまいにゃSD紙芝居風に動くシーンが各話ごとに挿入された日には、もう素直に負けを認めざるを得ないです。

更にひなたは長くはない物語中に巫女服、女子私服、学校服と装いを変え、エロ以外でもCGを惜しげなく投入。
この値段で基本26枚かつ非エロCGが三分の一近いとか、作者は頭おかしい(褒め言葉

エロCGも良い感じの蕩け顔差分が入った事で一気に艶を増し、やや不自然だった舌出しアヘ顔もマイルドになっている。
胸もちゃんと平坦な男の子胸になってるし、おちんちんやお尻も極力モザイクを減らすように努めているのがうれしい。
差分も豊富で、選択肢によっては後半ずっと下着まで女の子状態になり、女装H100%の売り文句に偽りのない内容。

他にはこの値段でOP/EDムービー&主題歌とか、やっぱり作者は頭おかしい(褒め言葉
音楽も前作同様に安定したBGMで、今作もちゃんと鑑賞モードがあります。

さて、ようやく内容に詳しく触れられる。

まず語るべきは、ひなたがどれだけ人見知りはわわカワイイかという事だろう。
彷徨う幽霊助けをする心優しいひなただが、一般人には独り言ばかりの怪しいやつであり、前の学校でいじめに遭い未だ不登校。
それ故、幽霊とは普通に話せても、一般の人とはまともに話せず、神社の社務所も無人販売所状態。
電話出るのも一苦労で、宅配の受け取りもまた一苦労。そんなひなたを主人公やナギやナミやじじいや幽霊達が少しずつ変えていく。

最後にお母さんに似顔絵を渡したいという少女幽霊の為に「エミロ」の場所探し。
一度くらいデートをしたいという女子校生幽霊の為に、女装して憑依させて代理デート。
戦時中で行けなかった学校に行きたいというお婆さん幽霊の為に、何度も挫けながらも黒いランドsもといバッグ背負って登校。

主人公は基本的に見守るしかできないけどそれがひなたを勇気づけ、主人公と普通に話せる事自体がひなたを少しずつ成長させる。
主人公スキスキモードになってからは、エッチなご褒美とかで主人公自体がニンジンになってる気がするが結果オーライ。

この主人公への真っ直ぐで、でもグズグズして、恥ずかしがって、でもらめぇ状態では淫乱全開な愛情は結構な威力。
こっちもこっちでシナリオ展開上、庇護欲が高まってるのも相まって、同性愛への葛藤や背徳感が少ない不満を補っているかと。
途中まで少女と思ってた鈍感主人公も、度重なるキス攻撃(CG有り)に脳が溶けたか、ためらいつつもエロでは一気に踏み越えます。

一度一線を越えれば愛し合う二人を止めるものは何もない…と思ったら食い気ばかりのお邪魔な小鬼達がいたよちくしょー。
こいつらマスコットというには口が悪く、マイペースでひなたや主人公を振り回してばかりだが、根はひなた想い。
言動に裏表がないから好き勝手でも不快ではなく、「「ひなっちをなかせたなー」」と足に噛み付くCGとかむしろきゅんときた。
こういうやり取りでひなたへの感情移入が増すのだから、結果的にはナギとナミもエロに貢献してる気がする。
でもあれ、これCG基本26枚どころじゃなくね?

さてエロに話を戻すと、シーン数は基本8で差分込みで11、うち妄想Hが2。
人によっては少ないと思うだろうが、ラブラブエッチである以上変なプレイで幅を出しづらいのでこれくらいが適量かと。

全体的な特徴としては淫乱化が予想以上に早く、日常とのギャップを楽しむ構成になってる事(エッチ前半はちゃんと恥らうが)。
残念ながら直接描写はないが、アナル処女喪失即アナニー中毒化というダメっぷり。
目の前でアナルオナニーさせてみたら、始める前ににお尻の穴少し開いてるわ、指がんがん突っ込むわで将来が不安すぎる。
とにかく後ろの方が大好きで、おちんちんを弄ろうとすると、早くちんぽ入れてぇ!とオネダリする始末。

それなのに性知識は全然なくて、初体験で精通、お尻に射精されて主人公との赤ちゃんができると喜ぶレベル。
赤ちゃんの件は訂正されても、最後まで半ば本気で受精したがってます。さすが自然極まりなく行人さんを好きになる猛者は違うで。
主人公は元ロリコン的な意味で常識はあるが、ひなたの願いを叶えたいと孕ませへの意志は強く、shotaHRsuki的には良いかもしれません。

あとは意外とおっぱい弄りも多く、某しろー先生レベルではないにしろ、ショタゲ界隈で見れば中~上位グループに入るかと。
巫女服がはだけて、華奢だが一応男の子な肩のラインと慎ましい乳首が見えるとか全くけしかrひなっちのおっぱいぺろぺろ

ラブラブエッチで幅を出すには欠かせないフェラは3シーン(1つは妄想)。売り文句通りに2つがひょっとこフェラとか俺得すぎる。
チュパ音はさほどないけど抜けます。多分これが一番反応分かれそうだけど、ひょっとこ混入は続けてほしいところ。

思いつくまま書いてきたが、そろそろ時間がなくなってきたようだ。
強引に綺麗な話に戻すと、最後の展開は予感があったとはいえグッときてしまった。
詳しくは伏せるけどよりヒロインへの感情移入が深まった、ラストのCGが素晴らしかったとだけ。
各幽霊さんエピソードがあっさりしてた事への不満も(抜き目的で買っといて何だけど)、最後にまとまったので良しとなりました。

まあ普段抜きゲーばかりな自分の言う事だから、話半分で聞いといてもらえれば。
あと男の娘である必要があまり無かったというetherさんの意見には半分賛成ですが、この話で女の子だとどこか引いてしまったかも。
準にゃんみたいに、いい子やいい話を男の娘のオブラートに包む事は、ひねてしまった人間には必要だと私は思ってます。
まあガチショタな方のimotaさんは別意見のようですが。

登下校時の男の子な格好のひなたとエッチしたかったよー!