苦しい。このパラノイアはいつ終わるのか。
───「また逢えなくなるのは寂しいけど
ずっとそばにいるから…。
もう、私は寂しくないから」
『殻ノ少女』に続く2作目。
居なくなってしまった少女、冬子の偏執(パラノイア)でやるせない日々を過ごす主人公。
真崎の過去を断ち切るための物語。
人形町周りのオチは予想した通りで、驚きは無かった。
最後に、ようやく冬子の遺体を発見した主人公は、ただただ慟哭するのであった…。
彼のパラノイアは冬子の遺体を発見したことで断ち切れる訳もなく、自身の不甲斐なさと喪失感で暗く、深く、沈んでいく…。
度々主人公の前に現れる冬子の幻覚に、もしかして冬子生存あるのか?と思わされたが、この物語にそんな救いは無かった。
辛く、苦しく、悲しい現実に打ちのめされる主人公の心理描写に感情移入され、プレイ中本当に苦しかった。
唯一の救いは主人公との間に出来たであろう冬子の子供の存在。
赤ちゃんは生きているのだろうか?そんな問いに主人公は一縷の望みをかけていくのであった…。