良すぎる。これを超える探偵モノは今後出るのか?
───「捜して欲しいんだ、私を。本当の、ね。」
ダンディな探偵さんである主人公が女子校で起こる事件を解決していくお話。
京極夏彦の『魍魎の匣』『絡新婦の理』からかなりインスパイアされていると思う。
黒い聖母の話などはまさにそう。
しかし、ただのインスパイアではなく、エロゲーの良さを前面に出した、小説にはできない語り口や映像美に昇華させている。
正直なところ、エロゲーをやる前まで私は小説ばかり読んでいた。
京極夏彦の『魍魎の匣』を超える作品は今後ないだろうと思っていたが、この作品は余裕で超えてきた。
これは私にとって物凄い発見で、人生を変える出来事であった。
主人公は奥さんを殺人鬼に殺された過去(パラノイア)を持つ元警察官。
殺人鬼に復讐したいという苦悩があり、どこかぼんやりとした生活から抜け出せないでいる。
奥さんを忘れさせてくれるような少女に出会うが、それすらも奪われてしまう。
次々と行われる殺人。深いパラノイアを抱えた主人公の苦悩。
『虚ノ少女』『天ノ少女』へと繋がる最初のゲーム。(カルタグラを除けば)
探偵モノの小説が好きな人に超オススメです。