いい話にまとめたが、根本的な疑問が残る。長文はネタバレを踏まえての批判のみ。
話はソロレートのような流れになるかと思っていたが、やっぱり、というオチになる。
しかし疑問点が残る。
千秋が事故に遭ったことが本当かを問い詰める主人公のセリフと、
千秋の事故後の状況の説明を受けるシーンが千秋の退院後にあるのだが、
それまで主人公はそのことを知らなかったと分かる。
主人公と千秋は5、6年恋人関係にあったのに、彼は恋人が事故に遭ったと聞いて病院へ行かなかったのだろうか？
そして「僕を構成する大事な要素を失った」とあるから主人公は、千秋が亡くなったと思い込んでいると推測するが、
千秋は1週間意識が無いほどの重体だったことから長期間入院しているのが想像でき、
その間遺体を見てなければ葬式を行っていないことから、
千秋が亡くなってはいないことくらいわからかったのだろうか？
それらの説明がないため、どうしても説得力に欠ける。
また、早苗と初めて会った時の主人公の言動（人違いと言われても確かめずにしつこく迫る）や、
早苗からの電話を心待ちにしていると述べていながらうわの空で聞く（癖という説明があるが、全く生かされていない）等のことから、
個人的に主人公に魅力を感じなかった。