システム面では「やればできる」事を示した作品。
凝った造りのチップキャラ、シナリオ回想モード、シナリオをクリアする度に変化するタイトル画面など、他のメーカーなら当たり前のことでも老舗に胡坐を掻いて改善しなかったエゴにしては今回はシステム面ではよく頑張ったといえる出来。
反面、絵師の衰えは隠せず。特に立ち絵の劣化は顕著。以前は「綺麗」と表現出来た絵がどこかしらおかしくなっている気がする。今回で言えば麻衣の立ち絵がシャープすぎるのが誰の目にも明らか。顔の判子絵具合も進んでいて、新キャラの汀もなんだか過去作で見たことのある造りになってしまっている。
エロシーンの構図の使いまわしは毎度のことなので言うに及ばず。回数は相変わらずの一人2回なので変わらず。
シナリオ面はいい意味でエゴらしからぬ出来。ニニギの登場によって今までの波風立たぬよう創られたエゴ世界がいい具合に掻き回されている。私的にはＢＬシーンで吹いた。構成自体は評価が分かれるところ。前作のヒロインはパラレルワールドでの攻略、という構成をどう捉えるか。製作側としては今回は新キャラとヒミコ、楓の救済にあてたかったかなぁ、と。
今まで出番がほとんどなかった四聖獣の出番が増えたのはプラス要素。が、ライターが変わったので麻衣など一部キャラの性格が変わっているのが難点。
音楽面は前作の使いまわしと新作用ＢＧＭの差が凄まじい。曲調などが違いすぎて違和感は拭えない。
前作のヒロインは平行世界での攻略になるのでファンディスク的な要素が半分、サクヤなどネノクニ側のキャラ（新キャラ含む）のＡＤＶ要素が半分、とういうことでフルプライスなのかと。
日常シーンはそこそこ面白いのでIZUMOシリーズを一気にプレイしたい人は完全版がオススメ。