合成がなくなったのは残念だがゲーム性、シナリオ共にも文句なし。ZEROと2のどちらを先にやっても違った楽しみ方が出来るので問題ない。Episode4にも期待したい。
前作の不満点を悉くクリアしたメーカーの姿勢が素晴らしい。
RPGパートはレベルを上げさえすればオート戦闘で十分クリアできる上に、戦闘スタイルを指定できるのでスキルの熟練度上げもストレスなく行える。ただ、せっかく戦意パラメータを導入したのだからもう少し戦意攻撃系のキャラがいても良かった。
ギリギリの熱いバトルを希望の人は低レベルプレイも可能なのでユーザーの好みに合わせた設計には好感が持てる。
シナリオ面は暗いというか救われない展開だが、背景が明るいものが多いためか、キャラクターが展開の暗さに呑まれないほどに巧く作られているためか、日常ではそれほど暗さを感じさせない。個人的には8章がツボ。
神殺しとなったセリカと姉の面影を見せるシャマーラとの触れ合い、本来の目的とは関係のない冒険、日常、そして別れが特に印象に残った。
またシナリオは戦女神2の伏線をきちんと回収していて非常に丁寧に作られているという印象を受けた。
例えば、2のラストダンジョンで見えるセリカの過去に関するCGと全く同じものがZEROの該当する場面に使われていたり、「忘焔の山(=勅封の斜宮)」、「キートの村」、「古神七魔神 北西部封鎖地(=鉄屑の谷)」、「転移の遺跡(=カラータ魔術城砦)」や、スティンルーラやプレイア、インヴィディアなどの2とZEROに共通するダンジョンや町が登場する。
さらに2のセリカの過去で「スティルヴァーレ」という単語が出ていたり、1でアビルースという魔術師と戦ったというセリフがあったりと、シリーズ物の流れが耐えることなく繋がっている。
またZEROでは逆に「過去のセリカ」に関する2への伏線が張られているので、ZEROと2はどちらから始めてもシナリオ面では問題ない。システム面ではZERO→2の順の場合、熟練度上げが面倒に感じるが…
スペック面に関しては注意が必要。昨今の流れと違わず要求スペックが過去作よりも上がっているのでいろいろな面で処理が重くなっているので低スペックマシンでは辛かった。
最後に。エンディングムービーはここ最近のゲームの中でも最高峰の出来。
特に新しい技術を使っているとか、ありがちなCGの組み合わせではなくて、「消えてゆくセリカの記憶、最後にひとつ残ったサティアとの約束」を表現していて、ただのムービーではなく戦女神ZEROという物語がここに集約されている。つまりエンディングムービーも作品の一部になれているのだ。最近は無いと叩かれるからとりあえず付けときました、的なムービーが多い中で久々にいいものを見た。間違いなくオススメ。