微妙の一言に尽きる
まずシナリオが普通につまらない。
そこそこ重そうな問題が出てきてもあっさりと解決してしまうので、緊張感というか、「先が気になる!」「もっと読みたい!」という気持ちがさっぱりわかない。
盛り上がるはずのところでいまいち煽りきれないまま「はい次ー」となるので乗りきれないというか。
設定もいまいち活かしきれていないというか、果たして必要だったのか分からないものがちょこちょこ。
私が思う最たるが学校に温泉があるという設定。
もちろん全く触れないわけではないし、個別まで進めばそこを舞台にしたHシーンもあるので無駄ではないのだが、共通ルート中だとピックアップされるのが最初の方の委員会結成当初の会議シーンと、アイドルヒロインが転校してきた頃にちょっとしたイベントの舞台になったくらいであり、それ以外ではほとんどノータッチ。
タイトルからして温泉要素がかなり絡むのかと思っていたぶん肩透かしな感じが・・・。
あとこれは個人的なことなので申し訳ないが主人公のモノローグをはじめやたらと文中にハートマークが出てきたり、セリフの文末が「~だゾ」という今時ネタでしか見ないようなものになっていた点が正直受け付けなかったというか、読む気を大幅に削いだのも確か。
続いてCG。
私はぺこ先生のイラストが大好きなんですが・・・
今回、やたらのっぺりした印象を受けるのは気のせいでしょうか?
色使いが薄めだからかも知れないけども、いつもこうでしょと言われればそうとも思うような微妙なところ。
キャラクターはテンプレ感はあるものの嫌悪感の湧くキャラはほぼなし。
強いて言えば、対立派の女子がちょっとしつこいのと、男子陣営も度を超えてバカな点がネックになりそうか。
あとは幼なじみが主人公を物理的に攻撃する事が多い(一応そうなった理由は作中で示されたが)ので、そういうのが嫌いな人にはウケが悪そう。
もう一つ惜しいのがサブヒロイン(?)の二人の扱い。
ムービーの時点で各派閥代表ポジションのヒロインがメインになるんだろうなーとは予想していたものの、Hシーン1つってどうよ。
仮にもパッケージやメインメニューにも堂々と出ているなら、もうちょっと膨らませてあげても良かったのではないでしょうか。
システムは少々不便な印象。
近年当たり前になりつつあるバックログジャンプや選択肢間スキップに慣れ親しんだ身としては、かゆいところに手が届かない感が強い。
なんというか、他の要素と合わせて考えるに、00年台中期~後期頃の作品の空気が漂っているように思う。
新作のはずなのに妙に懐かしさを覚える。
ぺこ先生の画集(CVとおまけシナリオ付き)としての価値は担保されているので、ぺこ先生が好きなら全くダメな作品ということはない・・・はず。